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 先日カーラジオを聴いていると、女性アナウンサーから「リスキリング」という言葉が出てきた。最近の流行り言葉で、「学び直し」などと訳される。これは承知していた。
 気になったのは「スキリング」と、「リ」にアクセントを入れて発音していることだった。そしてその時初めて気がついた。リスキリングは英語で「reskilling」と表記され、接頭辞の「re(再び)」と「skilling(skillの動名詞)」の二語が合わさった単語だったのだ。
 この言葉が出回り始めた時に、まずはリスク(risk/危険)の形容詞であるリスキー(risky/危ない)を連想した。そしてこれは関係ないと判ると、次に「リス・キリング」と分解されるのかなあと、勝手に思い込んた。見当外れは承知の上で「リス」は「栗鼠」、「キリング」は「killing(殺すこと)」を妄想した。件のアナウンサーの発音を聴いて、今更ながら私の理解不足にはたと気がついた次第である。
 英語がある程度堪能な方ならすぐに分かる単語だろうが、そうでない方なら私のように「リスキ・リング」「リス・キリング」と変な区切り方で読んでしまう場合があるのではないか。もともとの英語を弁えて「スキリング」と発音する割合は意外と少ないのではないか。
 「リ/re」を付けた単語は案外多い。「リサイクル/recycle」、「リニューアル/renewal」「リカレント/recurrent(リスキリングとほぼ同義)」など、よく耳にする言葉はいくつでも出てくる。しかし、だからと言って英語由来であることを意識してその発音をきちんと真似してもどこか無理が生じるのではないか。流暢に日本語が話せる欧米人が、会話の中で突如英語的に「スキリング」と発音するなら仕方がない。日本語の発音は上手くても外来語表現になるとネイティブの感覚に戻ってしまうケースはよくあることだからである。しかし日本人には無理である。もしそんな発音をされたら気障っぽく聞こえることだろう。件のアナウンサーの「スキリング」もそんな感じがしなくもなかった。
 何か些末なことで面倒な話しを持ち出してしまったが、そもそも「リスキリング」なんて厄介な英語を持ち出してこないで、「学び直し」と日本語に翻訳してこれを使えばそれで充分通用する訳である。コロナが流行り始めた頃に登場した「ロックダウン」や「オーバーシュート」などの単語を急に思い出した。この二つはもうあまり使われていない。個人的には「学び直し」が定着して、分かりづらくて面倒くさい「リスキリング」は早く廃れることを望みたい。

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