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 ファストフードという言葉が生まれてから久しくなるが、ファスト映画というのが最近話題になっている。
 1日は24時間しかない。この限られた時間の中で情報とスマートに付き合わなければならないとすれば、何でも「ファスト化」すれば便利な世の中になる。実際には、映画のみならず音楽の世界もファスト化され、長い前奏の歌は流行らないそうだ。
 時間が勿体ないから、ファスト化できるものはなるべくそのようにして知的な効率化を目指す。これが現代社会の暗黙の規範になっている。時代はもう元に戻れない。いやこれに対する反動(スローなライフスタイル)は生まれている。しかし反動は反動だけで終わるものである。大きな流れは変わらない。
 コロナが跋扈して人類は少し反省したかというと、決してそんなことはない。動き出したら止まらない回転木馬のようにファスト化した世の中は更に果てなく変遷していく。
 以上、当たり前のことを当たり前に書いてきて、何か虚しさを感じる。地球の自転の速度が遅くなって、1日が48時間になったらどんな暮らしになるのか。ついでに太陽を回る公転の日数も1年730日と、現在の2倍になったら人類の文化や文明はどうなるのだろうか。少しはのんびりするだろうか。そんなバカげた想像をしてみたくなる昨今である。
 Wikipediaで「ファスト何々」を調べるといくつもの言葉が出てくる。ファストが当たり前になると、この枕詞はなくなっていくかもしれない。これと並行して「辛抱が足りない」などという言い回しも死滅していくことだろう。それは、辛抱が足りない人間で地球は溢れかえっているからである。

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