去年の秋のことだったが、町内の回覧板がお隣りから回ってきたので何気なく配布物を捲っていたら、地元小学校の運動会開催の案内に目が留まった。別にわざわざ行く気にもならなかったが、日程をよく見ると、10月上旬の土曜日に午前8時30分から12時頃までの実施と記されている。お昼を挟んで午後にもプログラムがあるのかと思いきや半日で終了となる。少し淋しい内容だなあと感じた。そして一番盛り上がる騎馬戦が種目になかったのも気になった。
関西に住む娘に、何かの電話のついでにこの話題を持ち出したら、コロナ以降の運動会は半日開催がどこでも当たり前になっていると言われた。それではお昼の弁当を家族と食べて終わりなのかと訊いたら、家族で弁当は食べないとのこと。これにはさすがに驚いた。運動会の一番の楽しみは、青空の下、家族と弁当を広げることなのではないか。それがないとは…、啞然とした。これもコロナが起きてから生まれた感染防止の考え方によるものだと娘に説明された。
私が子供の頃は、母親がお稲荷や海苔巻きのお寿司、卵焼きなどを朝から料理して重箱に詰め、それを持って見に来てくれていた。我が家の場合、芋や蒟蒻などの具材を使った煮物もよく作ってくれたことを今でも憶えている。校内の一角にはいくつかの露店も出ていて、弁当を食べ終えると小遣いをもらってくじを引きに行き、見事おもちゃを当てたこともあった。懐かしい思い出である。
私も親になってからは、自分の娘の小学・中学の運動会へは必ず見に行くようにした。小学校の時には住んでいる町内毎の観覧エリアがトラックの周りに設けられていて、そこに家族が集まって応援した。弁当は娘の母親代わりの祖母(私の母)が私の時代と同じように早朝から料理して作っていた。娘の好物の鶏のから揚げをいつも用意していたことをはっきり記憶している。お昼になると、それぞれの家族がピクニックシートの上にお弁当を広げ、隣近所の人たちとお喋りしながら食べたものだった。ビールなどを飲む保護者もいたが、ある年からアルコール類は禁止になった。今から思えば、時代の移ろいを感じる。
ネットで調べると、騎馬戦や棒倒しなどの力勝負の競技は次第にやらなくなっていったことが判った。事故防止ということが大きな理由なのだろうが、かつては花形種目の一つであった。私の小学生時代は6年男子が棒倒しをやった。5年男子が旗取りというのをやった。棒倒しは敵地の太い竹棒が倒れるまでやるが、旗取りは棒に乗っている旗を早く取った方が勝ちになる。両種目とも体を張った闘いだが、棒倒しの方が、棒を倒すまでは勝ちにならないということで旗取りより過激になる。だから上級の6年生がやったのだろう。
全く以て世知辛い世の中になったものである。騎馬戦も棒倒しなどもなく、お昼に弁当を広げて家族と食べることすらない運動会、それがウィズコロナのニューノーマル(新しい日常)だなんて、ウィズコロナもニューノーマルも言葉としては既に廃れかけようとしているご時世に、何をやるにしても縮小傾向になることだけは着実に進んでいる。運動会そのものもいずれなくってしまうのか?
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