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 6年前のことだが、初孫が生まれてまだ2、3か月の頃、お風呂へ一緒に入って沐浴させたことがある。娘に湯船の中で孫を抱きかかえる様子をスマホのカメラで撮ってもらった。後からその画像を見て、30年近く前、私の父が孫である私の娘を同じように抱いて撮った写真のことをふと思い出した。
 それぞれの画像や写真に写る私と父の入浴姿は、歳月は隔たっているがいずれも60歳を少し過ぎた頃である。親子なのに顔はさほど似ていないが、裸になった首筋の日焼け具合が同じようである。父は庭木や盆栽の手入れと家庭菜園が好きだった。私はそういったことはやらないが、休日によくジョギングをしていた。だから首から上が父と同じように日焼けしている。期せずして親子のこんなに似通った日焼け姿が写っていることに対して素直に驚いた。
 孫を風呂に入れるのは緊張もするが楽しいものである。赤ちゃんは母親の羊水の中に戻ったような安らかな顔を見せる。父との共通点を見つけたが、父も同じ思いで孫を入浴させていたのだろうなぁとしみじみ思った。
 さて首筋のことであるが、歳を重ねると体幹だけでなくいろいろなところが弛(たる)んだり細くなったりしてくる。中高年女性の二の腕の弛み具合などはノースリーブだとよく目立つ。腕を上げた時にたぷたんたぷんする動きに目が行ってしまうと、いくら顔の若づくりに努めても年相応の老け具合は隠せるものではないと感じる。まっ、これは大きなお世話になることなのでもう止めるが、加齢による首筋の瘦せ具合も、ある日突然鏡を見ながら気がつくものである。
 コロナが猛威を振るっていた令和2年の夏、マイナポイント欲しさにマイナンバーカードを発行してもらうことにした。63歳の時だった。スマホのアプリと格闘して入手したポイントを某スーパーで使えるものへ移行手続きした記憶がある。スマホで撮ったカード用顔写真をしみじみ眺めると、シミやシワなどに己の年齢は隠せない。歳なのだから、これは別に気にしていない。しかし、首から鎖骨辺りにかけての肉が見事に削ぎ落されている。退職していくらか食が細くなり体重が減っていたことは承知していたが、今更ながらこの首筋の瘦せ具合にはびっくりした。
 その後、風呂上がりの度に気になって鏡の前に立つと、首筋だけは何処かの国の飢餓の子供に近いような感じの細さである。いや、それよりも細いかもしれない。考えてみれば、たぷんたぷんした二の腕を見せる中高年女性も、首筋は私と同じように瘦せている方が多い。私の二の腕はまだたぷんたぷんしていないが、首筋だけはたぷんたぷんの中高年女性と全く同じである。実を言うと私は首がいささか長い方である。猪首の反対である。だから、丸首のTシャツなどを着ると余計にそれが目立つ。瘦せて細くなったらなおさら長く見えることだろう。しかしもう元には戻らない。肉が再び付くことは多分有り得ない。だから素直にこの老化を受け入れる。
 今年あたりから気がついたのだが、瞼の付け根あたりの肉が薄くなってきた気がしている。これは眉毛のところの筋肉を上下に動かした時に、はっきりとその瘦せ方が分かる。彫りが深くなったと言えば聞こえはいいが、少しもかっこよくなっていない。
 加齢などと一括りでいうが、その現象はいろいろなところに現れる。最近は腰が硬くなったようで動きが鈍くなってきた。毎夜腹筋をしているのだが、その効果もやはり歳には勝てないようだ。いずれ腰痛が発症するのだろうか。
 頬っぺたにも皺が増えてきた。いずれ弛んでくるのだろう。これも仕方がない。首筋の瘦せ具合ショックで、いろいろな部位の加齢現象には日々馴らされてきているようである。

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