滝沢馬琴の南総里見八犬伝に「仁義礼智忠信孝悌」という八つの徳目の話しが出てくる。この言葉は論語から来ているようであるが、私は常々人間として一番大事なことはこれらの徳目より、まず「知ること」だと思っている。
「仁(思いやり・慈しみ)」、「義(正義・道理)」、「礼(礼儀・作法)」、「智(是非や善悪を弁えること)」、「忠(誠実・真心)」、「信(信頼)」、「孝(父母を尊敬すること)」、「悌(兄弟仲がよいこと)」のそれぞれはなるほど望ましい徳目なのだろうが、そのベースには「知ること」があると考えている。徳を積む前に「知ること」が大事なのである。
善いことでも悪いことでも、正しいことでも間違ったことでも、真実でも虚偽でも、とにかく「まず物事(対象)を知ること」からすべては始まり、それによって正しい方向に導かれると思っている。そういう意味で好奇心は大切であり、なるべく物事に対してはどんなことであろうと目を背けるようなことはしないのが望ましい。
いきなり善行や德を積むことを奨めるから人間は蹴躓く。何事もまず知ること。知ったうえでどうするか、どういう行動をとるべきかを判断する。まだ迷いがあったら更に知るように努める。知ることによって心の中に自然に生まれる考え(観念)、これが徳につながるものになる。知ることによって道徳は成り立つ訳である。
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