老々介護たぶん最後の濃密期
若い読み手には、他人事かも知れないが、後期高齢者にとっては、切実な問題である。そう思うことでこれまで越えてきたなんだ坂を助けたり、こんな坂で助けられたりしたことが甘く蘇る。これが最期、今日で終わり、と言い聞かせながらの介護が、大切な最後の濃密な時間に変わる。
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売れぬCDが奏でてくれる売れぬわけ
ひと山いくらのCDを片っ端から聞いてみた。勿論世代も違うが、それなりにひと山の理解はできる。が、どこか物足りなさを感じながら、「売れないのは当たり前だよな」と自身を納得させている。それでも中に掘り出し物もあるから、この狎れた作業が面白いし、止められないのだ。
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富むものとそうでないもの分ける櫛
下五の櫛で分けるもの、「髪」「税」「位」「住」挙げればきりがない。読み手がぴたり来るものを探してほしい。いつもながら「そうでない」部類に属した暮らしに馴れていて、いまさら緊張感も無いが、簡単には見つからないけれど、一発逆転の題材を模索するのも勝手で面白い。
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滲みやすい性質で汚れている上辺
上五はやや説明句調だが、暗に中身は真っ白ですよと仄めかしている。滲みやすい和紙に例えてわが心の感受性の強さをさりげなく表現して、人生にもまれてきた証拠の汚れも自認している。反面手漉き和紙の丈夫さも仄めかしている。
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善人を演じ善人らしくなる
根っからの善人は善人の何たるかを知らない。少々の悪には理想の善人像がでんと聳える。善人を演じることなど、簡単な振舞いである。それが習慣になれば、心中はどうあれ、はた目から見れば善人に見えてくる。他人様の外観では心中など計り知れないのだ。
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隠してることを隠して笑顔撒く
有名人には多い普通の話である。けれど凡人にはなかなかできない仕草である。世間では「おくびにも出さない」というが、相当に期するものがない限り、すぐさま周囲に嗅ぎ取られてしまう。撒く笑顔だって、取ってつけたような笑顔では話にならない。身近な者を騙すのはさほどに難しい。
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まぐれとは言わせぬ血豆残した掌
コーチか、取材者か、ファンの目か、好結果を残した本人が謙遜も踏まえて「まぐれです」という。評論家も認めるその実力に加えて、素振りで潰した血豆が物語っている。まだまだいくつもの壁が立ちはだかっていることは、みんなが納得の上で、将来への期待を満身に背負っている。
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魔が差してそれから二女の母となる
「魔が差して」の解釈でそれからの展開ががらりと変わる。魔が差すのは男性と相場が決まっているが、今回は女性の立場で詠まれている。しかもその状況は現在も継続している。という事は、きっかけ(契機)こそ魔が差したのだけれども、それなりに継続していることは、間違っていない判断だったと懐かしんでいるのかも。
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力には力だなんて哀しいね
民主主義とは、かくも脆い主義だったのだろうか。戦後の混乱期を過ぎて、ようやく民主義らしい雰囲気になってきたのは、私の場合 中学生になってからである。今また力で司る風潮が見え隠れする。他国の不幸は見て見ぬふりをする。安い労力を求めて世界中を這いずり回る賎しい自由経済。最後は財力による武力であるという。...【続きを読む】
落書きに出て来るわたしほぼ事実
落書きに登場する人物評は、大方の場合、悪口や嫌味の一刺しが多い。それを承知のうえで、彼女は「大体において事実だ」と潔く認めて、悪びれる様子のないところに、中味が少々不利なことでも却って好感が湧くというもの。証拠はあっても罪にならなけらば逃げまくる政治屋に読ませたい。
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間に合ってくれと飛び乗る夜行バス
お決まりの「一コマ切り」川柳。自分の環境に合わせて、シナリオはいくらでも描ける。ひと昔前だったら、庶民が飛び乗るのは「夜行列車」に相場が決まっていた。乗り物が高速化してノロノロの移動手段は見向きもされない。夜の明けるまでじっとしておれない心境が伝われば本望。
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お得意先の犬の名前もメモにする
営業という競争社会に身を置いた方なら「さもありなん」と簡単に納得して頂けるのだが。正確だけを旨とする業務に明け暮れた方には「?・?」となるかも。お得意様が犬好きだったら、大量注文間違いなしで努力が報われて、目出度し目出度しとなる。経験からして、大方が徒労に終わっても、そのことがそんなに悔しくも無かっ...【続きを読む】
野の花が向かう自然のなすがまま
◎ 世の中が進歩すればするほど、自然の尊さが見直されて、何事においても貴重な存在になる。手を加えた美しさも、精密さを増しているが、自然を生き抜いて、日々たゆまぬ変化を遂げてきた野草の自然の美しさには叶わない。今日も自然は容赦なく野草に猛威を奮い明日の野草美を創るかのように。
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あと五分すれば半額整える
「近くの総裁のお店は定刻になるとすべて半額になる。半時間前はガラガラだが、五分前には長い行列ができる。私は勇気を出して先頭に並んでいる。」と代弁して頂いた吉田利秋氏に感謝である。庶民にとって、一見時間の浪費が限りある収入を補う黄金の時間なのかもしれない。いずれにしてもトップレディには縁のない句。
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遠慮気にやや得意げに駅ピアノ
「ピアノの演奏を通して、その人の人生の一端を垣間見る駅ピアノの番組。遠慮気にやや得意げにとした表現が人間の心理を突いている」とは、平尾正人氏から頂いたコメント。やや離れた場所から手を助ける思いで、見守っていたママ。弾き終わった笑顔のおさげ髪が、その胸に飛び込んで行った情景が目に浮かぶ。
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なぐさめるから淋しさが湧きあがる
〇 じっと我慢して耐えている哀しみを、在り来たりのことばで慰められると、耐えていた哀しみが一気に噴出してしまうことは誰もが、一度や二度は経験してきた筈である。転んで膝小僧をスリむいだが、噴出す血を見て痛さはさらに増すのである。いよいよ我慢は限界である。
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「ですよね」を繰り出す会話乗り切れず
難聴を自覚してから、随分になる。今は周囲が慮ってそれなりの、温かい労わりで包んで呉れているから楽しい。それでも古い世代には馴染めない言葉がどんどん生まれる。滔々と持論を展開したかと思えば、尻窄めにがっかりさせられる。「ですよね」も表現は優しいが連発されると「押しつけ」がましく聞こえる。
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転び癖いつも何とかなる不思議
高齢者と転倒はワンセットのようなものである。その経験のない高齢者は皆無である。例にもれず、しっかり転倒してきた。病院のお世話になったこともある。それでも、今日までこうして普通の生活が出来ているのは、いつも何とかなった身体と、反省しているというより、「運がよかったとしか言いようがない」としみじみと振り...【続きを読む】
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