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 2024年10月24日のブログで「やっちまった!―セルフレジにて―」 を書いた。スーパーのセルフレジで支払いをした際、最後にリュックサック(エコバッグの代わりにいつも使っている)へ詰め込もうとした食パンのバーコードをうっかりして読み取らなかった失態である。その動きをモニター画面からしっかり店員に見られて注意を受け、大恥をかいた顚末は今でも記憶に残されている。
 最近のニュースで、セルフレジの不正(万引き)が多くなったのでスーパー側も対策を講じるようになったことが報道されていた。人件費が削減される中で監視する方も万全な体制を取ることはなかなか難しいが、防犯上やれることは少しでも試みているようである。万一でも間違った嫌疑をお客さんにかけるようなことはあってはならない。もしそうなってしまったら、場合によっては大変な事態になりかねない。カスハラが跋扈する世の中、店側も無用なトラブルはなるべく起こしたくないだろう。防犯対策は一筋縄ではいかない厄介なところがある。
 私が「やっちまった!」スーパーでは、数か月前に個々のセルフレジの上部に小さなモニター画面を設置するようになった。それは客にもすぐ判るようなものである。今までは各レジのカメラから映し出されるモニター画面を分割して全面表示したディスプレイを近くに置いて、一人の店員が常時眺めては不正を監視していた(それで私はしっかり目撃された訳である)。それだけでは不正への抑止力が足りないとスーパー側は判断したのだろうか。各レジにもモニター画面が設置され、そのことを敢えて客側に見せつけるようなことにもそれなりの効果があるだろう。あなたの行動はこのようにしっかり見られています、と示唆している訳である。
 監視カメラを隠れて設置するのもいいが、カメラをわざわざ見せつけるやり方も同様に効果がある。現役時代に警備関係の業務を担当していた時のことを思い出す。20年以上前のことだが、建物内に監視カメラを何箇所も設置してモニター画面で集中的に監視する防犯対策を実施することになった。機器の設置だけでなくカメラ専用の回線工事の費用もかなりのものだった。限られた予算の中でどう対応したらいいか。いろいろ検討した結果は、必要な箇所すべてにカメラを設置して監視の運用を始めるにはとてもお金が足りないので、何箇所かはダミーのカメラとセンサーライトを設置するやり方で対処することにした。そういった虚仮威しのものでもそれなりの効果はあると業者から教えられたのである。後から振り返って、ダミーのカメラでも確かに効果はあったことが判った。カメラが設置されていることを認知させるだけでも抑止力が働いていた訳である。
 人間心理として、何らかの防犯対策をしていることを見せつけられると、それだけで警戒するものである。同じ時期に、敷地内の放置自転車の取り扱いでおもしろい経験をしたことがある。放置したものではないかと見做された自転車は警告文を貼り、ロープで囲って一定期間保管していた。その後持ち主が現れなかっものはすべて回収業者に渡して処分することとなる。毎年この業務は行われていたのだが、その保管中、どうせ不要な自転車なのだろうと思って勝手に持ち去ってしまう(要するに盗んでしまう)内部の輩が必ず出てくるのである。まだ充分使えるものなら処分される前に自分がいただいてしまおうという魂胆である。そんなことが毎年起きていたのでロープを厳重に縛らないといけなかった。それでも夜間に解(ほど)いて持って行ってしまう者が出てくる。罪の意識があまりないようである。注意書きに「持ち去らないでください」と書いていたが、さらに「持ち去ることは窃盗になります。判明次第○○警察署に通報します」と付け加えてみた。そうしたら効果覿面、持ち去りは全くなくなった。一言の警告の威力とは凄いものだと感じた次第である。防犯カメラはダミーのものでも効果があるという話しにも少し通じるものがあるのではないか。
 半球形のドーム型防犯カメラが設置されているのを人が集まるいろいろなところで見かける。これに気づかない人も多い。見られているという抑止効果をあまり狙っていない。カメラと気づかせないで監視する。これもそれなりのやり方なのだろうが、カメラの機材を丸見えにして、お前たちを監視しているぞとおおっぴらに見せつけることにも効果がある。どちらがいいのか。一長一短というところか。核兵器の抑止力は嫌なものだが、防犯装置という存在の抑止効果は、あれこれ考えだすとゲーム感覚的なおもしろさを感じる。

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  1. 月波与生 on 2026年1月6日 at 10:50 PM :

    最近の監視カメラは万引防止の他にカスハラの状況把握にも使用されてますね。コンビニのアルバイトをすると世の中傲慢で狡猾で理不尽な要求をしてくる人間がゴマンといることがわかるそうです。『青い鳥、飛んだ』という小説では、コンビニ店長が万引犯を捕まえ揉み合っているうちに万引犯が死んでしまい殺人罪に問われる、という話で正義と罰について考えさせられます。

    • 三上 博史 on 2026年1月9日 at 5:30 AM :

       与生さん、コメントありがとうございます。
       カスハラ対策にも活用されているとは知りませんでした。

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