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 ここ何年も障子の張り替えはしていなかった。かつては父親の担当業務だったが、亡くなると私の役目になる。母親にそろそろ張り替えたらどうかと言われると、渋々作業に取りかかったものだった。父親ほど器用ではなかったが、晴れた日の半日があれば、4枚程度の障子の張り替えは何とかやり遂げられていた。
 しかしここ10年近くは張り替えてはいない。それには理由がある。小さな子供が居る家庭なら、騒いだり暴れたりして障子はすぐ破れてしまう。そうではない家では、障子は日に焼けて白さが失われることがあっても、破れることはあまりない。
 ところが、我が家の障子は破れてしまう。何故か。原因は老いた母にあった。年齢的に後期高齢を超えるようになると、手元がよく狂うことがある。朝起きて障子を引こうと取っ手に指先を当てる際、手の先がずれて障子に穴を空けたり破いたりしていたようだ。そこから傷口が広がるようにどんどん破れていく。そういったことが判明すると、いくら張り替えをしてもどうせまた破いてしまうだろうと、張替え作業へのやる気が萎んでいくのである。
 そんな訳で応急処置を繰り返すこととなる。半透明のメンディングテープを貼って繕うと結構目立たなくて長持ちする。セロテープの類いでは1年ももたない。我ながらいい発見をしたものだと、気がついた箇所があればこのテープで補修するようになった。
 そんなこんなで10年近くなった訳であるが、これもいよいよ限界に近づいてきた。母親が生きていれば、いい加減に障子を張り替えろと怒られていただろう。しかし3年前に亡くなった。文句を言う者は誰もいない独り暮らしである。強敵は娘の里帰りで連れて来る孫たちである。どうしても破れたところを弄りたがる。
 うーん、どうするか。いずれ関西に引っ越す予定なので、本格的な張り替えはやっても仕方がない、と自分の都合のいいように決め込む。しかし娘も里帰りするたびに、破れた箇所を眺めてはみっともないと感じているようだった。
 そんなこんなで11月中旬、意を決して部分的な補修をすることに決めた。下の画像にあるとおり、下半分にある雪見障子の方は補修はしなかったが、上半分の白く見えるところは部分的に張り替えたのである。何だかパネルクイズアタック25みたいだが、5枚がクイズに正解した訳はでなく(笑)白になった感じである。雪見障子もかなり破れているが、ガラスがはめられているので冬の寒さにはほとんど関係ない。これの作業は割愛させていただいた(笑)。というか、この程度のことですらもう面倒くさくなってきたのである。雪見障子の補修は少し気がかりであるが、このままにするか(そうすると娘もがっかりする)、やっぱりやってみるかは年末までに結論を出すつもりである(笑)。

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障子を部分的に張り替える”にコメントをどうぞ

  1. 月波与生 on 2025年12月22日 at 4:06 PM :

    転居を予定されているならあまり手間暇かけたくないですね、かといって必要最低限快適には暮らしたい。悩みどころですがやはり部分的に貼り替えしちゃいますかね。

    障子、襖を詠んだ川柳で面白いのがあるか探してみたら

    天国と地獄を分けている襖  徳長 怜

    というのがありました。さしずめお母様が破る障子の穴からあちら側の天国か地獄が見えるのでしょう。こちら側が何かはわかりませんが。

    • 三上 博史 on 2025年12月23日 at 8:49 AM :

       与生さん、コメントありがとうございます。
       障子一枚の区切りって、微妙なものですよね。生活感覚とか道徳観念とか、こんなものから隔たるのが日本的だと思います。和辻哲郎もそんなことを言っていたような…。
       ちなみに、写真の破れ具合は、生前の老母が破ってしまったものです。別に暴れた訳ではありませんが、朝起きて立ち上がる際とかに指先でやってしまっていたようです。

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