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年始のご挨拶が遅くなってしまいましたが本年もどうぞよろしくお願い致します。何よりもまず、このたびの能登半島大地震で被害を受けられた地域の皆さま方にお見舞い申し上げます。元日にまさかあのような惨事が起こるなんて信じられませんでしたが、あの日の大阪でも体験した数分間の何とも不気味な横揺れがなかなか忘れられません。惨状を伝える報道を前に気分が晴れませんでしたが、先日十日の豊中えびす・服部天神宮の境内では小ぶりの梅の木に写真のように可愛らしい蕾が膨らみ始めていてちょっぴり元気を取り戻すことができました。

さて、今回ご紹介するのは令和川柳選書として発刊された森井克子さんの川柳句集『色えんぴつの森』。克子さんは川柳文学コロキュウムの終刊2年ほど前まで在籍しておられた元会員さん。句会はもちろん、印象吟勉強会ぜりぃびぃんずの吟行にも熱心に参加下さっていました。ともかく語彙の豊富な方で難しい言葉であっても見事に一句の中に活かされて脱帽させられることも多く、このたびのタイトルを「色えんぴつの森」とされたのはなるほど、と大いに納得。

ー『色えんぴつの森』森井克子川柳句集 よりー

第一章「青緑」

蔓が巻く鉄条網を抱きしめて

いたずらな炭酸水と手をつなぐ

アンビシャスこんがり焼けていく途中

顔認証されてチューリップが咲いた

お邪魔虫てんとう虫のいでたちで

余力ひそませて満月の妖艶

おむすびは転がるように握られる

第二章「赤紫」

約束を指のあいだに挿したまま

怨念に水ぶっかけてみたけれど

冬が去る毛玉だらけの目出し帽

群青色フランスデモが延びていく

完熟のザクロは斜交いに落ちる

語彙の海 海賊船に乗ってみる

折れそうで非常ボタンを押しました

第三章「黄」

隅っこで武人埴輪のひとり言

黒鉛筆十二ダースの夏木立

わさび菜でくるむ丸文字の意見書

突っ伏したかたち泣くとき笑うとき

赤い灯を追うと疑心のど真ん中

サイレント人は金属化へすすむ

ひまわりに成り損なった五角形

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