第80回川柳マガジンクラブ十四字詩句会 会報
第80回川柳マガジンクラブ十四字詩句会が、令和5年11月8日東京都北区王子「北とぴあ」にて開催された。出席者は五十嵐淳隆、植竹団扇、葛飾凡斎、佐藤美文、沢辺祥子、早川若丸の各氏と星野睦悟朗の7名。欠席投句は井手ゆう子、大谷仁子各氏の2名。お世話役のゆう子さんが欠席だったので団扇さんが司会をされた。
当日の句評会の自由吟及び宿題、席題の入選句は次の通り。
〔句評会〕▽「自由吟」
句の頭の数字は参加者の互選(1句に2点句、2句に1点)で獲得した得点です。
1 感謝の日日で命ながらえ 仁子
1 ビールの栓も気持ちよく抜け 美文
良いことがあったからビールの栓「も」、ということで「も」には意味があるそう。
2 先々の雨旅の醍醐味 凡斎
直前に新潟旅行されたが雨続きだったとか。
3 首をかしげて聞く振りのポチ 祥子
なんでポチやミケというのかなあ、との話が出たが参加者から明快な解説はなかった。
3 勝つと負かすは意味が異なる 団扇
作者は400mの選手だったという。
3 言葉あるのに止めぬ戦争 若丸
聖書に「はじめに言葉ありき。・・・」とあるという。
3 読んだ二倍は増える積ん読 淳隆
4 暑いから飲み寒いから飲む 睦悟朗
自堕落な生活だが、幸せな人だなあ、の声あり。
〔宿題〕▽「実る・稔る」句評会で得点トップの星野睦悟朗選
〔佳作〕
1 秋の実りに届くサンふじ 仁子
2 火のウクライナ実るひまわり 凡斎
3 里へと獣実り求めて 祥子
4 業績実り帰社は悠々 ゆう子
5 熟れた渋柿映える青空 凡斎
6 店のチラシが秋を実らす 若丸
〔秀作〕
1 里帰りして稲を刈らされ 淳隆
2 柿は鈴なり熊を誘う 凡斎
3 謙虚にアレと言って実現 団扇
〔特選〕
垂れる稲穂へ案山子やれやれ 祥子
〔軸〕
壁ドン実りハグで初キス 睦悟朗
〔席題〕▽宿題で特選だった沢辺祥子の出題及び選。題は「ブランコ」
〔佳作〕
1 お空へ届けパンツまるみえ 若丸
2 孫に押されてババのブランコ 美文
3 背中へ触れてゆらすブランコ 凡斎
4 ブランコ漕げて吾子得意顔 睦悟朗
5 ふらここなんて気取るブランコ 団扇
6 上がれば下がる株とブランコ 睦悟朗
〔秀作〕
1 止まったままの夜のブランコ 凡斎
2 いじめもあった園のブランコ 凡斎
3 君とブランコもどかしい距離 睦悟朗
〔特選〕
行って戻って記憶ブランコ 若丸
〔軸〕
吸い込まれたネ秋のブランコ 祥子
今後の予定
第八十一回 令和六年一月十七日(水)
宿題「ささやか」
北とぴあ 八〇五B号室
第八十二回 令和六年三月十三日(水)
宿題 「卒業」
北とぴあ 八〇四A号室