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川柳マガジンクラブ東京句会8月例会

8月12日(日)第72回が開催されました。
今回はいつもの会場(駒込学園)が使用できませんでしたので、松橋帆波さんの喫茶「モア」(亀有)で行われました。参加者はお世話役の植竹団扇、松橋帆波さん含め20名、欠席投句が9名、合計29名でした。
新しい試みとして、USTREAM(ユーストリーム)による録画が行われました。
また、フリーのパーソナリティーで葛飾FMの仕事をされている谷ゆかさんが、勉強したいということで参加されました。
帆波さんから川柳マガジンの各種柳壇トップ入選者である本間千代子さん、鎌倉大仏さん、成島静枝さんと上位入選者、三十六、しげる、睦悟朗、川瀬幸子各氏らの紹介がありました。

1、自由吟互選と句評会
句評会は出席者が3句ずつ選びますが、結果はゼロ票7句、一票8句、二票4句、三票6句、四票2句、五票1句、六票1句でした。
今回も、句評会の互選ゼロ票の句は掛け合いで論評しました。こいしさんと品子さんが担当しました。
1.1、ゼロ~二票の句より
   いい人が笑いのネタにされていく  帆波
品子「とても面白い。バラエティなどのシチュエーションか、世間のお付き合いか。もうちょっとひねりが欲しい」
こいし「何かもう一つピンと来ない。「いい人」という詠み方でよいのかな」
団扇「気の毒だなあと言う感じでは」
作者の帆波「「されている」でなく「されていく」と時間の経過を入れて見ました」

   熱中症ガリガリ君よヘルプミー  こいし
絵扇「とても売れていて売り切れがある。安いんです。面白い」
利江「面白い。運動選手の誰かが大好きだそうです。売れるようになりました」
発言を求められた谷さん「今を語っていて良いですね」
帆波「日本で一番売れている氷菓です」
疑問を付けた三十六「ガリガリ君を知りませんでした」
作者のこいし「中の棒に当りが出るのですよ」
筆者注:ガリガリ君は赤城乳業のアイスキャンデーで大人気商品。

   明日からはパパはみんなのママですよ  游子
睦悟朗「面白いから選びました」
利江「パパがママになるのが面白いです。二人ママがいるというテレビ番組もありましたが」
帆波「育児休暇でしょうか」
三十六「夫の職がなくなったのだろうか」
団扇「誰が言っているのか考えるのも面白い」
欠席投句で游子さんの話が聞けなくてみんな残念がりました。

   人間に共食いという習い性  三十六
品子「共食いがよくわかりませんでした」
こいし「私自身もあるかと思いますが習い性とまではいえないのではなかろうか」
大仏「パッと印をつけ票を入れました。人間が人間を食うとは」
倫也「人間が人間を食べるのではなく、争いのことを言っているのでしょう」
帆波「牛どん店の争いのような」
作者の三十六「鮎が縄張り争いをして共食いをするのを詠みたかったのです」

1・2、三、四票の句より
   ウォーキング転ばぬ先の杖二本 団扇
以呂波「スキーのストックのようなものが最近はやっている」
正美「夫婦愛を感じました」
唯夕「友達に勧められたがまだ使っていません」
千代子「ウォーキングで丈夫にしておこうということかと思いました」
作者の団扇「流行っているのです。姿勢よく歩けるのでやろうかと思っています」
筆者注:知りませんでしたが、流行っているようです。ユーチューブでは「ポールウォーキングのある暮らし「転ばぬ先の2本杖」(一本杖だとバランスが取りにくいですが、両手にウォーキングポールを持つだけで、左右の高さが合って姿勢良く歩けます。2足歩行が4足歩行になるイメージ。重心をかける範¬囲(基底面)が広がることで、転びにくくなり、安心安全に運動することができます。ポールウォーキングは中高年の方や、足腰に不安のある方におすすめなのです。)」として紹介されていました。

   句読点打てず余生がまだ見えぬ  しげる
正美「この方はまだ元気だが先行きが見えない不安が」
六平太「私も句読点がよくわからないから未だにメリハリのない生活をしています」
三十六「句読点を上五に持って来て一応成功だと思いますが、野坂昭如の文のようなのが人生ということだろうか」
大仏「私も、今も句読点なしです」

   突風にビニール傘がオスプレイ  くんじ
六平太「(時事的な)タイミングが良い」
こいし「オスプレイも簡単に壊れそう。オバマさんに差し上げたい句」
唯夕「(事故が起きてからでは)取り返しがつかない。時事的で良い句」
千代子「素晴らしい。オスプレイと百均の傘が良い」
団扇「ビニル傘がオスプレイ。実はオスプレイがビニル傘」
欠席投句ですが、94歳のくんじさんが時事に目を配って良い句をものにされているのに、みんなから「凄い」の声。

1・3、高得点句
(1)五票句
   良かったなみんな貧乏だった頃  芳夫
睦悟朗「国民総幸福量は物が豊かになった今も世界の50番目程度。昔は良かったなあ、と思うときもある」
栄子「本当に貧乏でも良かった」
こいし「当時は貧乏がそんなに気にならなかった」
三十六「三丁目の夕日のような情景が浮かんできます」
玉枝「いじめや先生がなぐるなどもあったが、いまとは違っていました」
団扇「時代を詠んだ良い句。今は俺だけが貧乏というユーモアも」
利江「昔は良かったと言っても、いまの方が良いに決まっている」
帆波「ノスタルジアです。今の方が便利に決まっています」

(2)六票(最高得点)句
   お叱りは時候挨拶抜きで来る  睦悟朗
順風「苦情を受けるときはこんな風ですね。お叱りの「お」が良い」
品子「真っ直ぐ叱る情景ですね」
正「いかにもその通りです」
唯夕「こういうタッチが好きです。挨拶抜き・・・」
玉枝「よく意志がわかります」
帆波「時候挨拶がちょっと気になります。本来は時候の挨拶ですので」
作者の睦悟朗「昔顧客の苦情処理の仕事をしていましてよく遭遇した情景です」

2、宿題の課題吟
今月は課題吟も事前に投句し、団扇さん、帆波さんが選者をされました。勉強会ということもあって、お二方から丁寧なコメント付の披講がありました。後ほどUSTREAMを見て学ぶことも可能になります。
2・1、植竹団扇選
選者の弁「修羅は本来仏教用語です。作った人も大変でしたでしょうが、選も大変でした。争いの句が多かったです。
遺産、離婚、お金などなど。労働の句もたくさんあった中から一句、酒の句が2句あった中の一句選びました。嫁姑も多かったです」

「前抜き」
血の絆金の匂いで縺れ出す   しげる
どんぱちの度にパトカー呼ぶ夫婦   千代子
認知症老いの介護の手に余り   利江
退院をしてから辛い日が続く   芳夫
「秀作」
妻のある人に惹かれて蛍の夜   圭子
戦場へ赴く朝のラッシュ時   こいし
百社受け内定がまだもらえない    正
野田総理笑顔の奥に邪鬼の顔   絵扇
言った嘘忘れて別の嘘もばれ   睦悟朗
俺に棲む獣なだめる酒二合   縁太
臓物をざぶざぶ洗うアルコール   三十六
静電気溜まっていそう嫁姑   静枝
聞こえてはいるセコンドのアドバイス   芳夫
借りた金返しに金を借りにいく   帆波
「五客」
厄年に絡め憑かれて四苦八苦   唯夕
泣きわめく子を取り合って大波乱   玉枝
人間に育児放棄という恐怖   三十六
生き地獄明しに見えた死への道   以呂波
争いも飢餓も治まらない現世   利江
「三才」
慟哭がアサドの耳に届かない   千代子
生と死の狭間でぬっと立ち上がる   倫也
団扇「生と死のはざまが修羅です」
虚空から血まみれピエロ降ってくる   游子
団扇「道化に悲しさがある。感覚的な句ですね」

軸  銭ゲバがふっと仏になる間際

2.2、松橋帆波選
選者の弁「ご迷惑な課題を出しました」
倫也「修羅、阿修羅は使うもんではない。いかにも格好よくなってしまう、と乱魚さんが言っています」
選者「そんなことで「詠み込まない」課題にしました」

「前抜き」
うねり上げ母の心が破壊する   絵扇
懐のナイフをなだめすかしてる   倫也
切り抜けた戦の跡の貌の皺   以呂波
嫁姑火花を散らす台所   正
一石を投じた波紋輪を広げ   朔太郎
選択は自死学校に師が居ない   こいし
慟哭がアサドの耳に届かない   千代子
迎え火にめらめら燃える古い傷   圭子
国挙げてメダルめだるとプレッシャー   六平太
刻まれた皺は尊い人生譜   品子
「秀作」
遺伝子の浮気の虫がまた疼く   六平太
帆波「ここまで開き直っているのはこの句だけでした」
戦場へ赴く朝のラッシュ時   こいし
不倫沼もがけば深くなるばかり   正
火山国神の試練が緩まない   品子
血の絆金の匂いで縺れ出す   しげる
禁縛の始めはいつも愛してる   游子
どんぱちの度にパトカー呼ぶ夫婦   千代子
食卓の真ん中にある落とし穴   游子
落とし穴不倫のあとのエレベータ   団扇
臓物をざぶざぶ洗うアルコール   三十六
作者「ジャブジャブ洗う。アル中のことです」
「五客」
生と死の狭間でぬっと立ち上がる   倫也
姑の骨軽くて不安振って見る   圭子
いざ行かん赤字決算総会へ   大仏
聞こえてはいるセコンドのアドバイス   芳夫
静電気溜まっていそう嫁姑   静枝
「三才」
妻のある人に惹かれて蛍の夜   圭子
認知症老いの介護の手に余り   利江
虚空から血まみれピエロ降ってくる   游子

軸 貧すれば生血欲しがる星条旗  帆波

選者から「別々に選をしましたが、両方に入っている句が多いですね。没句にはそのまま過ぎる句が多かったです」

 次回の東京句会は9月9日(日)駒込学園にて開催です。
 課題吟は「殿(表現自由・詠込み可)」三句詠です。
 詳しくは、新葉館のホームページをご覧下さい。

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