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「柳宴」11月号(通巻873号)が届きました
~七十余年の歩みを伝え続ける岐阜川柳社の魅力~

岐阜川柳社の句誌「柳宴」11月号が届きました。

表紙には、大きく伸びやかな「柳宴」の文字と、緑に包まれた苗木城跡の絵(表紙絵:安江観山)「祝:苗木城500年)が配されています。2026年11月号は、通巻第873号。「柳宴」を手にすると、その向こうに、句を作り、選び、編集し、読者へ届けてきた多くの方々の姿が浮かびます。

私も昨年から岐阜川柳社の同人として、この誌面に川柳作品を寄せています。今回は「柳宴」の到着を機に、岐阜川柳社の歩みと、川柳を通じて仲間とつながる楽しさをご紹介したいと思います。

七十余年にわたり受け継がれてきた川柳の灯

全日本川柳協会の紹介によると、岐阜川柳社の設立は昭和29年(1954年)、初代会長は野口北羊氏です。戦後の復興が進む時代に始まった川柳の集いが、昭和、平成、令和と時代を越え、今日まで続いています。

また、岐阜県の「芸術文化顕彰受賞者一覧」には、昭和54年度(1979年度)の受賞団体として、岐阜川柳社の名が記されています。当時の代表は野口初枝氏、顕彰の対象は「川柳の普及振興」です。地域に川柳を根づかせ、広めてきた活動が、公にも評価されています。

令和5年(2023年)には「柳宴70周年記念作品集」も刊行されています。長い歩みを作品として残し、その蓄積を次の時代へ手渡してきたことがうかがえます。長く続く句誌には、文学の歴史と同時に、人の歴史が刻まれています。暮らしの喜びも、世の中への疑問も、別れの寂しさも、その時代を生きた人の言葉として残ります。873号という数字は、そうした一人ひとりの思いが積み重なった厚みなのだと思います。

句を競い、言葉を学び、笑顔を交わす

現在、岐阜川柳社の主幹を務めているのは近沢さなえさんです。本社句会は岐阜市のハートフルスクエアーG2階で開かれ、選の時間を利用した川柳教室も行われています。全日本川柳協会の頁にも、活発な意見交換と笑いのある明るい句会が紹介されています。

句会の楽しさは、自分の句が選ばれることだけではありません。同じ課題から、自分には思いつかなかった景色が現れる。「そういう見方があったのか」と驚き、たった一語の違いで句の表情が変わることを知る。仲間の作品に出合うことが、自分の川柳を育ててくれます。

公式ホームページにも添削コーナーがあり、言葉のつなぎ方や表記の工夫を学べます。これから始める方にとっても、作句を続けている方にとっても、推敲の手がかりになるでしょう。

岐阜から全国へ。「柳宴」がつなぐ仲間の輪

岐阜川柳社は、地元の方だけの集まりではありません。投句を通じ、全国の誌友とも交流しています。私も岐阜まで出かけることが難しいため、毎月投句制度を利用して参加しています。このように作品を通じて参加できるのは有難い制度です。私も千葉県に暮らしながら、こうして「柳宴」とのご縁をいただいています。特に私の所属している松戸川柳会との交流も盛んで、松戸川柳会の会員が何名も投句をさせて頂いています。住む場所も、年齢も、これまでの人生も違う人たちが、五七五を通じて出会う。直接お会いしていなくても、誌面で繰り返しお名前や作品に触れるうちに、その方のまなざしが少しずつ伝わってきます。それもまた、句誌ならではの交流の親しさです。

「柳宴」という名前から、私は言葉を持ち寄る宴を思い浮かべます。一人ひとりが一句を携え、笑い、うなずき、ときには胸を熱くする。その輪に新しい仲間が加われば、誌面には、また新しい風が吹くことでしょう。まずは一冊、そして一句から「川柳に興味はあるけれど、自分に作れるだろうか」そんな方にも、ぜひ一歩を踏み出していただきたいと思います。日常の小さな発見や、思わず笑った出来事、誰かに伝えたかった気持ち。その中に、あなたにしか創作できない川柳の種があります。七十余年の歩みを支えてきたのは、川柳を愛する方々の一句一句です。そして、これからの「柳宴」を豊かにするのは、今いる仲間と、これから出会う皆さんの言葉です。

川柳を読む楽しさから、作る楽しさへ。そして、仲間と分かち合う楽しさへ。皆さんも「柳宴」を通じて、その輪に加わってみませんか。最後に、今月号に掲載していただいた私の句をご紹介します。お読みいただければ幸いです。「柳宴」11月号掲載句 (柳山)

【菊花石】(同人自由吟)

お昼寝も能の休息生きる知恵・熱燗に昭和歌謡がほどけ出す・声で知る母の元気な電話口・命ある限り余白に夢を書く・家という港へ今日も靴を脱ぐ(以上5句)

【題詠】「はかる」(今井極子選)物差しじゃ測れぬ母の愛の丈 「影」(後藤幸正選)人生の影も抱きしめ八十路坂 「ブンブン」(鵜飼正信選)ブンブンと蜂が花屋を品定め 「宝」(今井極子選)宝物平和が守る子の寝息 「気分」(すみしょうこ選)気分屋の猫が家族をとりまとめ

柳山

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