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(川柳きやり吟社柳誌「川柳きやり」8月号:9月号)

105年を超えて受け継がれる「川柳きやり吟社」の歴史と特色

 川柳界には長い歴史を持つ吟社がいくつもありますが、その中でも「川柳きやり吟社」は、伝統川柳を今日まで守り続けてきた代表的な吟社の一つです。

大正9年創立――100年を超える歴史

 川柳きやり吟社は、大正9年(1920年)4月1日に創立されました。中心となったのは、後に「川柳六大家」の一人に数えられる村田周魚です。水島不老、八十島可喜津らとともに吟社を立ち上げ、柳誌『川柳きやり』を創刊しました。2025年には創立105周年を迎えました。まさに一世紀を超えて川柳の灯を守り続けている吟社です。昨年開催された「川柳きやり吟社創立105周年記念川柳大会には柳山も参加しました。

村田周魚が築いた「きやり」の精神

 『川柳きやり吟社』を語るうえで欠かせないのが、創立者・村田周魚の川柳観です。周魚が重視したのは、私たちの暮らしの中にある「日常茶飯」の素材でした。難解な言葉や観念に走るのではなく、日々の生活、人間の機微、社会の姿を平易な言葉で十七音に切り取る。その姿勢が「きやり調」と呼ばれる伝統につながっていきました。川柳は庶民の生活から生まれた文芸です。その原点を大切にしながら、生活の中に潜む可笑しさや人間味を詠む。この精神こそ、きやりの大きな特色ではないでしょうか。

「五・七・五」を守る厳格な定型主義

 そして、現在の川柳きやり吟社を最も特徴づけているのが、定型を大切にしていることです。全日本川柳協会による吟社紹介でも、特色として「定型(五七五または全体で十七音字)を守る」「日常茶飯の素材を大切にする」ことが明記されています。これは単なる形式上の決まりではありません。限られた十七音の中で、どこまで言葉を削り、どこまで読者に想像させることができるか。その制約があるからこそ、言葉を磨く力が養われます。自由律や破調など多様な川柳表現が広がっている現在だからこそ、「五・七・五」という川柳の基本形を守り続けるきやりの存在には大きな意味があるように思います。

伝統を守りながら現在へ

 現在、川柳きやり吟社は安藤波瑠主幹のもとで活動を続けています。句会は毎月第1土曜日、東京・浅草の台東区民会館で開催され、柳誌『川柳きやり』も毎月発行されています。(添付写真は8月号と9月号)

 『変わらないものを持つ強さ』100年以上続く吟社には、必ず「変わらない核」があります。川柳きやり吟社の場合、それはおそらく、「日常を詠む」「平易な言葉で詠む」「十七音を守る」という三つの柱です。

 時代が変われば、川柳が扱う題材も変わります。スマートフォンもAIも高齢化社会も、現代の川柳にとって立派な素材です。しかし、素材が変わっても、それを人間の生活から見つめ、十七音の器に収める基本姿勢は変わらない。伝統とは、昔のものをそのまま保存することではありません。

守るべきものを守りながら、その時代の「今」を詠み続ける

 川柳きやり吟社が105年を超えて活動を続けていること自体が、そのことを私たちに教えてくれているように思います。私も川柳木やり吟社の一員としてこれからもこの吟社の伝統と発展に貢献できるよう微力ながらも力添えできればと思います。今月の9月号には柳山選による題詠「浪費」の結果が掲載されています。佳作35句:秀句10句:5客:3才と頂きました。(選の詳細は9月号をご覧ください)

柳山

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