前回からの話しの続きでしつこくなるが、思い出深いマラソン記録の話題(笑い話みたいなもの)を紹介したい。
30代の頃、職場内で仲間を募りランニングクラブを結成した。栃木県内のみならず茨城、群馬、福島、埼玉の隣接県で開催されるマラソン大会に月1回は参加しようという集まりである。10名前後のメンバーになった。
職場である大学の構内には自由に使える400mトラックが整備されている。練習は思う存分できる。ワンボックスカーを持っている者がいて、大会があればみんなの送迎を担当してくれることになった。群馬、福島などは1泊2日で出かけたこともある。ほとんどが男子部員だったが、女子も在籍していた時期があった。
暑気払いや忘年会も必ず開いた。結婚する者がいると必ずお祝いの飲み会を催し、その会がお開きになったら祝福された者を必ずみんなで胴上げをしたものだった。飲み会はいつも盛り上がり、二次会のカラオケボックスでは誰もが歌いまくった。
メンバーの実力は10kmコースを40分半ばから50分前半で走る者がほとんどだった。大会に出ても入賞するようなアスリートは残念ながら一人もいない。上位の成績になり表彰式でトロフィーや賞状をもらうことは夢のまた夢みたいな話しだった。
いつも閉会式を待たずにそそくさと帰るのが定例だった。近くの健康ランドやスーパー銭湯に行き、入浴した後に飲むビールが一番の楽しみだったのである。ほとんどのメンバーが家庭を持っていたが、気持ちは誰でも若かった。そんなことを10年ぐらい続けただろうか。
しかし次第にメンバーも減っていき、私が50代になる頃は私と二つ年下の後輩だけになってしまった。二人だけになると、大会が終わった帰りにはラーメン屋に立ち寄って昼食をとったものだった。どちらかの都合により単独参加することも時々あった。
私が定年の60歳を迎える年にこんなことがあった。平成28年12月23日、第4回くまがや師走マラソン(アースランクラブ/NPO法人日本アウトフィットネス協会主催)が埼玉県熊谷市のスポーツ文化公園で開催され、私一人がエントリーして参加した。その頃は加齢には勝てず既に5kmコースを走るのが定番になっていた。そして、どこの大会に出ても順位はいつもほとんどビリに近かった。まさに参加することに意義を感じて走っていたのである。
さて当日はいつものように受付を済ませ、一応は準備体操とウォーミングアップを行った。それほど大きな大会ではないが、フル、ハーフ、10km、5kmとコースが分かれていて、5kmの部はスタートラインに立つと100名程度の参加者数だった。
いざスタートして周回コースを走る。今回もビリに近い順位だろうと覚悟しながら、何とかゴールする。その後は記録証と参加賞をもらうことになっていた。指定されたところで到着順に並んで待つ。汗を拭きながら参加賞のタオルか何かを受け取ると、私にだけ係員がそのまま待ってくださいと言った。
大会によっては、飛び賞(切りのいい順位が対象)とか遠来賞・はるばる賞(遠方から参加した方が対象)とかを設けているところがある。それに該当すると、何か特別な記念品をくれる。それに当たったのか、そんなことが脳裏をよぎった。
指示どおりにしていると、下の写真にあるとおりの記録証のほかに、何と銅メダルを渡されたのである。何かの間違いではないかと訝ったが、とりあえず受け取ることにした。私がマラソン大会でメダルをもらうのは夢のような話しである。2名しか残らず消滅寸前になってしまった我がランニングクラブの20数年の歴史でも、勿論こういった光り輝くものを授与されたメンバーは誰一人としていない。
うーん、こんな奇跡がどうして起きたか。答えは簡単である。私の出場した5kmコースは一斉スタートだったが、入賞成績は年代別に区分されていた。当時の私は55~64歳の部に該当するが、この部門での参加者はわずか3名。そのうちで私は断トツのビリッケツ3位だった。それでも銅メダル。表彰式はなく事務的にメダルは授与された(手渡された)次第である。
こんな笑い話みたいなことは、我がクラブでは初めての出来事(ハプニング?)である。バカバカしいほどおかしくなって、月曜日に出勤した際、もう一人のメンバーにわざわざ見せたものだった。そして大笑い。いい退職記念の思い出になった。そしてこれで大会参加は最後となった。
川柳では、いろいろな大会やコンクールで入賞して100個以上のトロフィーや楯をいただいている。賞状も100枚近くあるが、マラソン大会ではそういうものとは全く縁がなかった。
なお、その銅メダルは高校時代の銅メダルと違っていくらか輝きがある。ただし、プラスチックケースなどには納められておらず、ジッパー付きの小さなビニール袋に入っていた。一応今でも保管している。


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