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 私の大学受験生時代の話題については、既にいろいろと書いてきたが(2021年7月24日「受験の夏の思い出」、2022年10月3日「なぜ受験勉強したのか」)、まだ言及したいことは他にもある。
 高校3年は私立文系(いわゆる「私文」)コースの3年6組だった。同じく7組も私文で、7クラスある3学年のうちの2クラス、合わせて90名がほとんど東京の私立大学を目指して(裏を返せば、憧れの東京以外の大学にはあまり興味がない、眼中にないという思いだった)勉強していた。
 国語(現代国語・古典)、社会(大方の選択は世界史か日本史)、英語の3教科のみの受験勉強。試験科目が多くて幅広く学習しなければならない国立大受験コースよりは楽だが、偏差値の高い難関大学を目指す場合、試験問題の中身は変に深堀された、いわゆる難問・奇問も多く出題される。
 しかし勉強といっても具体的には古文と社会の選択1科目と英語だけである。現代国語(いわゆる現国)は、小説だろうが評論だろうが、要するに日頃からとにかく読書していれば、まぁ敢えて勉強するほどのものでもない。古典の古文は文法的なことを完璧に押さえておけばこれも何とかなる。漢文などは古文よりさらに少ない基礎知識を憶えておけばいいだけのことである。世界史または日本史はとにかく暗記、英語は英文解釈と英文法を主体にして、英単語と英熟語をとにかく頭の中に詰め込み続ければいい。そしてこれらの勉強を要領よくこなすことである。
 いささか自慢話になるが、私は要領がいい方だった。ルーズな性格だが無駄骨が大嫌い。だからこれを回避するためのアイディアは結構閃く(2020年5月21日「幾山今井親以下坂坂…」を参照)。勉強を始める際に、まず合理的な(裏を返せば楽な)方法はないかとアイディアをひねり出そうとよく考えたものだった。
 その甲斐があって、3年生になってからいきなり成績が伸びた。私文系コース90人中夏休み前には既に上位だったと思う。
 当時は、大学入試の模擬試験と言えば旺文社だった。3年次に3、4回は土曜日あたりに登校して教室で受けたと記憶している。出来が良くても悪くてもいつも校内で1番またはそれに近い順位を取っていたのではないか。しかしそんなことは周囲に自慢などしなかった。模擬試験は所詮模擬のものでしかない。本番の大学入試で志望大学に合格しないと話しにならない。結果が良くてもいつも嬉しさ半分といったところだった。
 しかし、これははっきり憶えているのだが、旺文社模試の最後(多分晩秋の頃に実施)で何と栃木県で第1位(全国では143位)の点数を取ってしまったのである。手応えなど全くなかった。先生から結果を渡される。小さくて細長い紙片(今でも一応保存してある)に、ドットプリンターの印字。表記は片仮名と数字の文字しかない。例えば「東京大学」ならば「トウキヨウタ゛イカ゛ク」と表記。名前も「山田正一」なら「ヤマタ゛ シヨウイチ」となる。偏差値と志望大学(第1から第3まで)に対する結果判定のA、B、C、D、それに合わせた%の合格可能性が記される。
 どういう基準でもらえたのか不明であるが、成績優秀者として黒のシャープペンシル(「旺文社」と記されている)をクラスのみんなの前で先生から渡された(拍手もされた)。これで私の成績がどの程度なのかバレてしまった。
 この成績の威力は凄いもので、学校の帰り、最寄り駅で他の高校へ進学した中学時代の友達から声を掛けられ「三上、この間の旺文社模試で栃木県1位だっただろ?」と冷やかされたものだった。成績上位者のランキングも一覧になって公表されていたのである。もっと驚いたのは、大学へ進学してからも、1浪して入学したクラスの友達から、その成績をほじくり出して言われたことである。よくそんな1年前のことなんかを探し当てたものだと感心した。
 私は高校生活3年間の中で、1、2年生の時はほとんど勉強していない。成績はいつも下位(最下位?)を低迷していた。3年になって(厳密には受験コースが分かれる2年3学期の頃から)自宅の机に向かい、勉強へ本腰を入れ始めていたが、当時を振り返って1年生の時から真面目にコツコツと素直に勉強していたら、もっといい大学(某国立大学)を目指し、悠々で合格したかなあ、と思うことが時々あった。でも、我が人生を総括してみると、これでよかったと感じている。
 ほんとに某国立大学などに入学していたら、間違いなく天狗になっていて、何かの甘い罠に嵌って社会の脇道(裏道?)に逸れ、いつかは人生を転落していたかもしれない。そこらあたり意志が滅法弱いのである。エリートにならず凡庸な生き方をしながら、36歳の時にふと出合った川柳を生涯の親友にして歩んできた人生でよかったと、今は自分なりの結論を出している。

 

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