読売新聞朝刊の「人生案内」はいつも読んでいる記事であるが、2月20日(月)の相談は次のようなもので、このブログで話題にしたくなった。
高1の娘が友達と興味本位で飲酒し、そのことが動画配信されて学校にバレた。学校から退学を勧告されて、やむを得ず退学。現在通信制の高校に通っているが、飲酒即退学の処分には親として納得できない。生徒の反省と更生に学校は期待しないものなのか。
これに対して、回答者のいしいしんじ氏は、概ねこう答えている。
学校は、体面を保とうと図り生徒をあっさり切り捨てた。そんな学校なら、行く必要はない。転向した通信制高校でもいろいろなことが学べる。娘を守ろうとしている親の気持ちは当人にも伝わっているはずだ。私自身も学校で傷ついたが、それを失敗だとは思っていない。今を精一杯生きるよう力強く囁きかけてくれた人がいたからだ(娘さんにもいつかきっとそういう人が現れるだろう/これは私の補足)。
私は大学事務員として40年近く働いてきた。教務事務、学生指導の事務を担当した経験がある。事務員は、教員から見れば所詮裏方であるが、裏方だからはっきりと分かる、学生指導の噓くささを散々見せられてきた。
そして、この人生案内とほぼ同じようなケースに出合った経験があったのである。高校と大学の違いだけで、学校側の何か事が起きたら大騒ぎする体質、しかし最終的には自己保身のために臭いものには蓋をして事態を収拾するやり方は、小学校から大学まで全く変わらない。敢えて言えば醜いものを孕んでいる。
それは、ホームページの問い合せフォームへのタレコミメールから発覚した。匿名でのフォームは原則として受け付けていないが、偽名を使って偽アカウントを作り、巧妙にそこから発信したように見せて、あなたの大学の学生が未成年なのに友達数名と飲酒してその画像をSNSに載せていますよ、と情報提供してきた。
それからが大騒動。学生指導を担当する委員会の臨時開催、保護者への連絡、学部や大学の責任者への報告など、事務室の面倒くさい仕事が一気に増えた。
たまたま新卒で入ったばかりの男性職員がいて、こういうことをマニアックに探し出してきてタレこむ輩は結構いるんですよ、と私に教えてくれた。ダークサイトを覗けば、山ほど下種な話題が出てくるらしい。実際に私も画面を開いてみたが、そのとおりだった。面白がって楽しむ奴(愉快犯)は何処にでもいる。冷静になって無視すればいいだけの話しである。
居酒屋で酔っ払って器物を壊したとか女性トイレを覗き込んだとか、そういう事例が過去にあった。さすがにそこまで行くと刑事事件にもなるので、大学として厳正な処分がなされたが、缶入りのフルーツカクテルを自分の部屋で少し口にした程度で、委員会審議かよと私は内心呆れ返った。安直にSNSなどへ面白可笑しく載せたのがけしからんかった訳で、そこら辺りについて、SNSは怖いところもあるので軽薄なことはするな、よく注意して書き込めと指導するぐらいでいいではないか。しかし該当学生に対しては、結果的に停学という重い処分が下された。
教育する側が、由々しきことだと大層なタテマエ論だけで物事を処理して完結させる。そしてそれで個々の教員は満足して禄を食む。こんな世間知らずの幼稚さを見せつけられて、もの凄く後味の悪い事務処理をさせられた記憶が残った。何かが起きたら大事(おおごと)にしてそれで解決したような気になって事態を収めてしまう学校側の体質は、学生を大事(だいじ)に扱っているようで、実は少しもそうではないことの証左でもある。
以前に「先生が嫌い! | 三上博史ブログ (shinyokan.jp)」(2020年9月21日)という文章を書いたが、私は筋金入りの教師嫌いである(読者の中に該当者がいて気を悪くしたらごめんなさい。反論のコメントは受け付けますけど、間違いなく私のホンネです)。そういう人間が教務や学生指導の事務を長く担当していると、学校教育のタテマエとホンネ、光と影、理想と現実の矛盾を否が応にも見せつけられる。まだまだ話したい話題はいくらでもある。カンニング事件や入試ミスのことなどについて、かなり暈しながらも学校側のエゴ(闇)の実態を浮き彫りにして追々書き綴っていきたい。
最後に、件の相談のいしいしんじさん氏の回答は素晴らしい。相談者の親御さんや当事者の娘さんは、今すぐいしいさんのアドバイスを理解して受け入れることができなくても、いつか全くそのとおりだと分かる日までこの回答を長く記憶してもらいたいと私は願っている。
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