ちょうどひと月前の2月6日月曜日の午後、いつものようにサイクリングへ出掛けた。天気は快晴、寒波も去って暖かくなり、多分最高気温は10℃を超えていたと思う。
自宅を出ると、いつも気分次第で東西南北のいずれかの方角を選び、ペダルの赴くままに田舎道や農道の風を切ることにしている。その日は北で東の方角、姿川(栃木県にある一般的な河川で、最終的には鬼怒川に合流する)の川堤に整備されているサイクリングロードに向かった。久しぶりのコースである。1時間ほど走っていると、田んぼの畔道の側溝(U字溝)に女性らしき人がすっぽり嵌って倒れているのを発見! 「起き上がれない。助けてくれ」とか何とか叫んでいるのに気がついた。
自転車を降り慌てて近づいていくと、その女性は後期高齢者のような年齢で、鼻血を出して身動きできない状態である。起き上がるのを手伝ってくれと言っている。私は抱きかかえるようにして立ち上がらせ、畦道に一旦座らせた。骨折はしていないようだった。しかし顔面の向かって右側の頬骨辺りをどこかにぶつけて痛がっている。手に擦過傷も出来ている。鼻血が出ていることを教えてやるとティッシュペーパーをポケットから取り出して自分で拭き始めた。
いくらか傾斜のある砂利道を自転車で登って行き、途中で進めきれずふらふらして横転したようだ。それから斜面をくるくる転がりながら側溝にすぽっと落下。しかし、救急車を呼ぶまでの容態には至らなかった。
少し落ち着くと、女性はいろいろと喋り出した。昭和19年生まれの78歳。同居している娘から、炬燵に入ってばかりいないで運動するようにきつく言われていて、それで今日は自転車を漕いでここまでやって来たということであった。そんな話しがひとしきり終わると次は、自分の身の上や老いていく愚痴をこぼし始めた。私もずっと聞き役になっていたが、なかなか話しが止まらなさそうだったので些か困惑し、こちらから別れを告げて話しを切り上げさせた。自分で自転車を押して帰れると当人は言っていたので、もう私が面倒をみなくても大丈夫だろうと判断したのである。私に対する感謝の言葉があまり発せられなかったが、気が動転していたからであろう。私の方は、そのことについては全く気にしていない。
女性と別れてから、サイクリングをしているとこんな体験もあるのだとしみじみ実感した。時刻は午後3時過ぎだったが、更に夕暮れが近くになると、こんな田園地帯ではサイクリングする人は勿論のこと、散歩する人もほとんどいなくなる。そんな時に側溝に嵌って抜け出せなくなっていたら、この寒空の下、一晩で命も危うくなっていたかもしれない。
まっ、人命救助というほどのことでもないが、いささかびっくりした出来事だった。今日は他人(ひと)の身、明日は我が身、高齢者の仲間入りをした私も今更ながら気をつけようと思った次第である。
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いや・・人命救助ですよ・・もしこのまま発見されず・・気温の低下で「死」もあり得ますよ。
救急車を呼ばない判断も素晴らしかった。その女性にとっても大事になれば・・家庭内でも叱責を受けそうな気がします。 ご婦人が無事であり・・・貴男の行為に「感謝」「見返り」を求めない姿勢に私は感動を覚えます。
信ちゃんさん、ありがとうございます。
滅多にない経験をさせてもらいました。
びっくりした事でしょうね。
信二郎さんの言う通り「人命救助」です!
話をじっくり聞いてやり・・・きっと寂しかったんでしょうね。
私も近い将来行く道です。
三上さんのような親切な方に会えれば幸いです(*´▽`*)
由利子さん、お久し振りです。
もし万が一、由利子さんがそんなことになったら、必ず小生が馳せ参じます(笑)。
人助けのことをチラリと聞いてました。詳しく伺おうと思っているうちに日が過ぎました。
日頃から冷静沈着な方ですから、窮地に陥った驚天動地の老女性に対して適切な対処をなされたことがこの文章でよくわかりました。さすがは三上様と頭が下がります。本当にご苦労様でした。
老女性になり代わりお礼申し上げます、ありがとうございました。
楽遥さん、ありがとうございます。
冷静沈着な人間ではないですけど、人助け出来たことは素直に嬉しかったです。