毎年、年末が近づくとその年の10大ニュースが発表される。新聞社によっては読者に投票してもらいどれが一番印象に残っているかを選ばせるところもある。1年とは1月1日に始まり12月31日に終わるというのに、11月下旬には早々と1年に満たない期間を総括するような応募が開始される訳である。
その結果を見るとまず遠近感を感じる。年の始めの頃の出来事は時の経過とともに自分から遠いものとなり、直近の出来事の方が強く印象が残っていて得票数も多い傾向が出るようだ。人間の記憶力がそうさせる面もあるのだろう。これは致し方ない。今年開催された東京オリパラなどは、11月頃に開催されていたら断トツ一位になったのではないか。
ところで古い話しになるが、平成12年の12月30日深夜に世田谷一家殺人事件という大変悲惨な出来事が起きた。犯人は今なお捕まっていない。だから毎年この日が近づくとメディアで必ず話題にされ、犯人捜しの協力が今でも呼びかけられる。年末に起きたこの事件はこの年の10大ニュースには当然入っていない。
昨年12月17日に大阪のビル火災が発生した。25人が亡くなったという痛ましい出来事だったが、10大ニュースの応募期間が過ぎた出来事だったので、読売新聞などはこれを番外として扱った。番外ということで記録に残したのであろう。
1年を総括するには、やはり年が明けて前年の365日が完全に過去となった時点でそれを振り返って行うのが筋だと思うが、どうしても年末が近づくとまだ1年に満たない1年を回顧したがるのが人間の性なのだろう。年が明けたお正月は新たな1年を展望することが話題の中心になり、もう過去の事はあまり振り返って考えたがらない。初詣などがあるからなお一層そういう心理になるのだろう。
1年と1年の隙間のような時期に起きた大きな出来事は、10大ニュースからは漏れてしまうが、それを風化させないためにもその時期が来ると毎年話題にされる。まるで事件や事故で亡くなった被害者が私たちのことを忘れてくれるなと叫んでいるように。大阪のビル火災も世田谷一家殺人事件とともにこれからはそのように扱われることだろう。
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