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堺番傘川柳会の荻野浩子さんに、11月号近詠作品の中から鑑賞していただきました。

季節感ない近年の衣替え        大桑れい子

温暖化の煽りか街をいく若者もTシャツに革ジャン、とてもカッコいいです。でも私達は、移り行く季節に思いを温めながら虫干しをして樟脳の入れ替えなど。細やかに四季を感じて暮らしてきた。ちょっぴりさびしいです。下五の「衣替え」も「衣更え」の方が私は好きです。

元気かとパン一枚が跳ね上がる     小林ふく子

忙しい朝のひとコマ、この動きで珈琲の香りまで漂ってきます。老いのモーニングかも知れない。いろんな情況を想像してしまいました。

さびしさも嫉妬も綿あめに隠す     澁谷さくら

湯豆腐にゆるりほぐれる蟠り      高橋 良子

縁日の綿あめだけが知っているほろ苦い記憶。蟠りを湯豆腐でほぐした。女性の視点でとらえた穿ちのある佳句。寂しさも嫉妬も胸にたたんで綿あめに溶けていった。女性はしなやかに強かに生きています。

味噌汁も会話もうすい朝御飯      戸鹿島節子

聞こえているのか、聞いてないのか老いの会話の朝御飯。味噌汁もおかずも減塩ばかり。会話もうすくなってくる。ちぐはぐな会話でも、長年連れ添ってきた夫婦、それなり通じているから面白い。

年金といのちの比重ヤジロベー     本多 春子

消費増税とか、増えることのない年金がまた削られる。「年金がゼロになるまで生きてやる」など意気盛んな高齢者もいる。健康で長生きが出来ればいいがそうとは限らない。微妙にヤジロベーが揺れている。

近頃は無口のペンが良く喋る      安藤 義昭

〇妥協癖ポッケがダメと聞き入れぬ    安藤 義昭

正義感強い人に女性は憧れます。黙って観ていたペンが急に喋りだしたら止まらない。その場の空気読んでる要領のよいやつはみんなが知っている。

海温が上がる病み出してる地球     小松くみ子

北極の氷も解けて狂いだす地球。天災人災、歯止めが効かなくなったヒト科の驕り、どうしようもない。

わたくしの喜怒哀楽を知るカルテ    鈴木 順子

一枚のカルテは人生の歴史。体当たりで知る人情、涙、笑いは自分の宝物になっています。

悠々と規則正しく無い老後       森  文代

悠々自適かと思いきや、規則正しく無いに思わず笑ってしまいました。「ない」をわざわざ漢字で「無い」と書かれているのにも強調と受け止めました。

浩子先輩、忙しいなかを三か月間有り難うございました。

 

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