川柳マガジンクラブ東京句会 第124回例会
第124回川柳マガジンクラブ東京句会が3月12日に東京都文京区「駒込学園」にて開催されました。出席者は、お世話役の植竹団扇さん、松橋帆波さん及び太田紀伊子、小野六平太、かがみやえこ、菊池眼鏡、佐道正、菅野直訓、高塚三郎、高田以呂波、唯夕、辻直子、丸山松枝、丸山芳夫、水野絵扇、宮本游子、横澤七五各氏及び星野睦悟朗の18名、欠席投句は大谷仁子、城内光子、菊池順風、長谷川溪節各氏の4名、合計22名でした。
当日の句評会の結果及び宿題、席題の選者、入選句などは次の通りです。
Ⅰ、自由吟互選と句評会
句の上の数字は3句ずつ選んだ互選の得票数です。ゼロ票句は植竹団扇さん、松橋帆波さん、佐道正さんがコメントしました。発言者の前に?をつけたのは、疑問等があって発言した人です。
交差点先頭確保横暴者 以呂波
作者「先月(いつも赤相性悪い交差点…漢字だけで作れなかった)に続きもう一回交差点に挑戦しました」
山頂のケルンに又も自負を塗る 七五
味噌汁で元気を付ける朝御飯 仁子
河津桜町民嘆く温暖化 絵扇
?芳夫「意味が二つにとれる」
睦悟朗「開花時期が早すぎて設定していた祭りの時期とずれてしまった、ということでしょう」
正「行きました」
作者「行きました。地元の方が嘆いていました」
ふがいない己に涙頬伝う やえこ
綱を引き合う牛久市と龍ヶ崎 紀伊子
・・・稀勢の里は芦屋市で生まれ、二歳で龍ヶ崎市に移って市立の松葉小、長山中を出ているのに、中学二年で住所が移り一年余り住んだ牛久市の方が出身地として報道されるので、残念がっている作者です。
1 昭恵の居酒屋 左党はお断り 順風
1 褐色の心がフワリ春の風 游子
唯夕「褐色の心とは元気な ということでしょう」
?直子「褐色の心がよくわかりません。パッと詠むと素敵だが」
作者「ちょっと暗い心が春風で和らいだ。私らしくない句を作りました」
1 籠池だ鴻池だと騒がしい 団扇
作者「「だ」より「の」の方がよかった」
1 余命告ぐ耐用年数の如く 光子
1 だてマスクマスクの下はウッヒッヒ 直子
眼鏡「こういうのを詠んでもいいんんだ、と」
団扇「だてマスクとだての使い方が可笑しい」
直子「だてマスク依存症が多いんです」
帆波「だてマスクとかだて眼鏡とか。若い人に多い」
1 笑点に大河 昇太の日曜日 松枝
游子「なんとなく面白くて選びました」
・・・笑点と昇太は韻を踏んでいるのかも、という声に
作者「韻を踏んだつもりはなかったのですが」
2 食品禍細菌頒布素手作業 帆波
絵扇「食品に関係した仕事をしていますので気になりました」
以呂波「漢字ばかりの句にエールを送りました」
団扇「「頒布」が面白い。
?六平太「素手ならきれいなはずなのに。洗わないのだ」
2 零歳の笑顔がさらう通夜の席 唯夕
3 難病も日進月歩運不運 直訓
六平太「長生きするようになったので難病が増えた。結核が減っても別の病気が」
七五「運不運 がいいと思った。肺がんで弟は一月でなくなっが、三月と言われて一年持った人もいたし」
正「運不運がうまい。そんなもんでしょう」
紀伊子「難病学会があり毎年署名運動をやっています」
作者「ガン、肺病などと言われるとすぐ死を思ったがかかりつけの医者にもよります」
3 年金のあれこれ煮込む野菜鍋 三郎
絵扇「いろいろ引かれ、保険料は上がる。あるいは苦しいから野菜にする」
唯夕「不信がいろいろあって。そういう不満を凝縮」
七五「言葉の流れが気に入りました」
?睦悟朗「もうひとつピンときません」
正「年金のあれこれ?」
団扇「年金の話題は面白いことはない。煮詰まった野菜を食べる?」
作者「いろんな思いがあってそれを一つの鍋に突っ込んで食べた」
4 ピストルも撃てない僕の平和論 睦悟朗
やえこ「誰も撃てませんが」
游子「机上の平和論掃くその役にも立たない」
直子「同じ意見です」
芳夫「昔よく親父に言われた。世代間のギャップ」
作者「これまでアメリカの傘の下で戦いなしで来たが、中国などが迫ってくる中でこれからの世代は
非武装なんて言っていられるのかなあ。百田尚樹の「カエルの楽園」を読みながらそんな気が強くしました」
4 コンビニに竈の煙り奪われる 六平太
睦悟朗「コンビニの話に仁徳天皇の話をうまく混ぜ合わせて」
唯夕「充実している現状を言っている」
以呂波「かまどの煙という懐かしいのを持ってきたのが良い。コンビニは家庭で作ってきたものを
作っている」
直子「コンビニと竈の煙りの対比をうまく詠んでいる」
作者「兄たちの本に仁徳天皇の話があった。コンビニは今は若いものばかりでなく年配の人向けにも
何でもある」
4 素うどんにかけた七味のような恋 眼鏡
直訓「面白い。ふつう恋はレモンとかなのに。作者に聞いてみたい」
正「何もないところに七味でピリッとしたところが良い」
芳夫「かけた七味わかるようでわからない。面白い」
紀伊子「素うどんは何もない。今は真っ赤になるまでかける若ものもいる」
帆波「素うどんは日常。そこへ七味で、何もない日常にスパイス的なものを持ち込む」
作者「灼熱の恋。先月の七五さんの句「灼熱の恋に本音がかくれんぼ」を見て、七味くらいピリッとしたものをと」
直子「若い。いいねえ」
6 便利さの陰で誰かが泣く社会 溪節
・・・睦悟朗、やえこ、三郎、直訓、七五、紀伊子らが、最近起こっていることからこの句に共感しました。
作者「ヤマト運輸について一番苦労しているのは末端の運転手。黒猫のニュースを聞いて作りました」
6 上澄みを掬い美談が出来上がる 正
・・・睦悟朗、やえこ、眼鏡、六平太、松枝、芳夫らが本当にこんなことが多いと共感しました。
作者「ちょっとらしくない句でした(大笑い)。いい話には唾を眉につけて」
8 箸が転んだら男も笑おうよ 芳夫
游子「箸が転んで笑ったことはないが選びました」
眼鏡「面白い」
六平太「へらへらするなみたいなことを今まで言われてきたが」
三郎「あっけらかんと言っているのがいい」
直子「最近の男の人は女性化しているから笑うのでは」
正「「笑おうよ」という気の弱さみたいのが面白い」
紀伊子「団扇さんの句かと思いました。男女均等法・・・」
松枝「若い女の子のことを言った言葉を持ってきて男もといったのが面白い」
作者「これはただ――箸が転んでも――でも昔は男はへらへらすんなと――落語でも笑うもんかと
思うが――素直に笑おうかと」
Ⅱ、宿題
宿題は「北(北でイメージする事柄を詠む)」で松橋帆波さんの選でした。
選者のお話「分かり難い題だったでしょうか。北の字を入れる入れないは自由です。北のイメージは人によって違うので、個々のものを詠んでもらえばいいのです。演歌にも多いので捉えやすいかと思いました。北を解説したものは取りませんでした」
「前抜き」
ミナミにも飽きて明日から別の河岸 団扇
みよちゃんの赤いホッペが雪に映え 光子
凍土から一輪の花待ちわびる 光子
父帰郷春季待望囲炉裏端 以呂波
鳥獣も弟子も涅槃の枕元 団扇
御歯黒溝道行の幕上がる夜 游子
啄木の賢治志功のひたむきさ 光子
「佳句」
ハーモニカ吹けばしんしん雪が降る 三郎
モスクワからの便に一人はいるスパイ 正
春待つ思い雪の深さに比例する 正
流氷の割れ目も鴨の生きる道 紀伊子
札幌に限る単身赴任先 唯夕
合理的頭寒達成北枕 睦悟朗
小菅水戸仙台勤め網走へ 唯夕
暖冬に北はちょっぴり丸くなる 直子
寒い街ニヒリストにはすぐなれる 正
気付かれぬように北極星もぶれ 芳夫
将軍はきっと孤独な人だろう 団扇
「秀作」
北向きの家の絆は深くなる 七五
南半球の人は南へ逃避行 芳夫
「北」という字の付く苗字賢そう 芳夫
「特選」
深くもぐろうよまりもは凍らない 眼鏡
「軸」
凍てつかせたくて粉雪舞う町へ 帆波
Ⅲ、五分間吟
宿題の特選だった菊池眼鏡さんの出題及び選で五分間吟を行いました。題は「西」でした。
「佳句」
西口で待ってる友とすれ違う 紀伊子
東西南北地図わからない俺 絵扇
西鶴の大矢数でも学ぼうか 紀伊子
北北西南南西も西のうち 芳夫
ゴッホの耳西に落ちてはいませんか 直子
猿と豚あと何だっけ西遊記 やえこ
北南そばの駅には西はない 絵扇
北西に向いた部屋ですコスパです 游子
太陽もたまに西から上がってみ 直訓
西銀座駅前なんて嘘っ八 団扇
今日も無事生き延びました大落暉 睦悟朗
「秀句」
西風は矢沢永吉的である 帆波
西住まい暖かいとは限らない やよい
西遊記不法労働動物記 游子
「特選」
西部劇トランプもどきすぐ撃たれ 唯夕
「軸」
どうしてもオチつけたがる西の人 眼鏡
Ⅳ、難解句鑑賞
参加者が提示した難解句を鑑賞しました。
手のひらで月をつつんだことがある 野沢省吾
孤独だけれど月だけは見ていてくれた、と言った感じの意見に賛同が多かった。
信号の黄に突っ込んで生きている 山根夢草
あくせく生きている、常に危険と隣り合わせ、刺激を常に求めている、など出たが、「みんな苦労して生きているのだから、偉そうに言うことじゃない」には笑いが起きた。
寂しさが泳ぐ金平糖の海 鈴木かこ
金平糖は回転容器の中で少しずつ砂糖水をかけて成長させる。その様子はみんなが仲良くしてるようだが、小さな角があってお互いくっつきあうことはないから孤独なのだ、人間社会もそんなものだ、という解釈に落ち着いた。
Ⅴ、4月句会
日時 : 平成29年4月9日(日) 12時30分開場 13時開始
事前に句評会用の自由吟を1句お送り下さい。
(既発表句でも可)
㋐新葉館宛の場合 期限:10日前まで
新葉館のホームページをご覧ください。
㋑松橋帆波宛の場合 期限:できるだけ1週間前
までに
郵送 〒125-0061 葛飾区亀有1-13-1-407 Fax 03-3604-7328
メール honamikp61@gmail.com
場所 : 駒込学園
内容 : ① 句評会
② 句会
宿題「カタカナ語 字結び」3句(句箋は当日)
③ 時間があれば席題で五分間吟など
Ⅵ、5月句会
日時 : 平成29年5月14日(日)
宿題 : 「そっくり」
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星野睦悟朗さま
丁寧な報告お疲れ様です。昨日はこれを読んで出かけたらゆとりがありましたのに、今朝になって残念です。4月句会も楽しいひと時でした。傘を忘れたのもあきらめられました。
難解句鑑賞が楽しかったです。また行きたくなりますね。