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 台湾有事の話題が偶にニュースで報じられる。日本への影響を考えると他人事ではない。テレビではドキュメンタリー番組がいくつも制作されている。日本の最西端に位置する与那国島は台湾からはわずか110kmのところに位置していて、この島に関連して報道されることがよくある。
 Wikipediaによると、与那国島は日本の国家安全保障上重要な位置にあるため、2016年に陸上自衛隊の与那国駐屯地が開設され、沿岸監視隊が配備された。これにより自衛隊員とその家族250人が移り住み、人口の15%近くを占めるようになった、とのことである。サトウキビ栽培などの農業、畜産業及び漁業を生業として長閑な暮らしで成り立っている離島が基地の島へと変容していった訳である。
 かなり前のことになるが、あるテレビニュースの特集コーナーで、自衛隊の駐屯のことなどを含めた与那国島の現況が報じられた。事前に台湾有事、駐屯する自衛隊に対する島民への意識調査・インタビューがなされていた。自衛隊の誘致に当たっては議会や島民による賛否両論の議論を経て決定されている。ニュースではインタビューを受けた島民の意見がいくつか紹介された。沿岸監視や国防上の観点から自衛隊の存在を心強く感じるという意見、基地が出来たことにより島の活性化も図られたが島民の意識が少しずつ変わってきたのではないかという意見などであった。
 それらの意見はある程度予想がつく発言だったので、私はそんなものだろうと聞き流していたら、さらにある年配の女性が「台湾のことで何で基地ができるのか。そんなことは私ら島民には全く関係ない」と、きっぱりと言い切った声が紹介された。この発言の小気味よさに私は驚いた。
 台湾が武力によって中国の領土になってもならなくても、そんなことは与那国島民である自分には関心がない。おそらくその女性は日々の平和な生活が一番大事だと考えているのだろう。近くに位置する国と国とが緊張関係に陥る。その影響がどこまで自分に及ぶのか。それを想像する気にはならないということなのだろう。
 パレスチナの国家承認について、何につけアメリカ(のトランプ大統領)の顔色を窺うことが癖になっている日本は、他国の様子を眺めているだけで、日本政府としての立場を明らかにして主体的な行動に出ようとはしていない。フランスは最初に承認したが、日本がそのようなことすることは有り得ないだろう。対岸の火事はたとえそれが人道問題を孕んでいようとも我が国へ波及することがない限りはやり過ごすということである。国際問題について、日本はこういう態度を何度も繰り返してきた。
 現在の国際関係は何につけ対立を煽るような状況を呈している。実に厄介な雰囲気が漂ってきた。だからと言って、解決と協調へ向かおうとしてもそうは簡単に問屋は卸してくれない。件の年配女性の発言は意表をつくようなところもあったが、いくらかの真実も語っていると私には感じられた。台湾有事とパレスチナ国家承認は、日本にとっての国際問題として似通ったところがあると言ったら、それは言い過ぎだろうか。
 ついでに言うと、ある全国紙の新聞に先月、国際政治を専門とする著名な大学教授が、パレスチナの国家承認カードを日本は温存しているが、ガザでの停戦と2国家解決を実現するうえでその態度が有効活用されることが重要であると説いていた。有効活用だなんて、そんなことできるの?これが私の率直な感想である。学者の世界は暢気でいいなぁ、これが2番目の感想である。

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