先月、あるイベントがあって少し遠方の図書館へ行った。イベントの休憩時間に館内を回っていると、8月ということで原爆資料を特別展示したコーナーを見つけた。被爆写真が何枚も紹介されている。一つずつ見始めようとすると「見るに耐えないものがございますのでご留意ください」の注意書きが貼られていた。 私は「見るに耐えない」の言葉遣いに引っかかった。
ネットで調べると「あまりにみじめでまともに見られない云々」と意味が記されていた。類語を探すと、凄惨な・酷(ひど)い・壮絶な・凄まじい・陰惨な・悲惨な・惨(むご)い・無残な・痛ましいその他いろいろな言い回しが出てきた。
見るに耐えないものをわざわざ人に見せるには、何らかのそれ相当の意図があるからだろう。見るに耐えないものですと予め断っておいても、見ようとする意志がある方は子供を含めて必ず見るのではないか。
もっと適切な類語がないかと私なりに考えたが、どうしても見つからない。人類史上初めて原爆が投下された、それで戦争が終わったという重い歴史的事実の前では、どういう断り書きがあってもあまり意味をなさないような気がしたのである。
8月6日の広島原爆投下の日にNHKで「NHKスペシャル 爆心地グラウンドゼロ 生き延びた78人がいた」が放映された。
番組ホームページを見ると「原爆の炸裂で、史上最悪の“死のゾーン”となった爆心地=グラウンドゼロ。広島で半径500m以内にいながら、奇跡的に生き延びた78人がいた。あの日、彼らは何を体験したか、そして戦後をどう生きたか。彼らが語った110時間に及ぶ証言テープが残されていた。…」と書かれてある。私も視聴したが実に見応えのある内容だった。
ただし、タイトルにある『爆心地グラウンドゼロ』は少し諄いのではないかと感じた。あえて同じような意味の言葉を重ねた意図が私には分からない。2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロ事件で、ニューヨークの世界貿易センターツインタワービルが崩壊し、その跡地をそう呼ぶようになった。それから日本でもこの言葉が広まったような気がする。ネットで調べて「グラウンドゼロ」にはいろいろな意味があることを知ったが、原爆投下の悲惨さを物語る場合には「爆心地」だけで充分であると思う。
Loading...


















































