Loading...Loading...

 昭和62年に日本国有鉄道が民営化されてJRとなった。前後して日本専売公社も同じく民営化されて日本たばこ産業株式会社、通称JTが設立された。かつての日本道路公団も一時期JHの略称で呼ばれていた。農協も今ではJAと呼ぶ方が通りがいい。日本郵政はJPである。
 全国津々浦々、Jの付く言葉の花盛りという感じがする。当たり前のことだが、どれも日本の英語名JapanのJから来ている。そうでないのはJK(女子高生)のJくらいか(笑)。
 プロスポーツの世界では平成5年にサッカーのJリーグが発足した。サッカーでJを使われてしまったので、後から組織化(プロ化)されたスポーツはもうJを使えない。バスケットボールのBリーグ、バレーボールのVリーグ、卓球(テーブルテニス)のTリーグと、英語名の頭文字を使っている場合が多いようである。
 音楽には、J-POP(ポップ)というカテゴリーがある。平成になってから普及した言葉である。
 これらのJを眺めてみて思うのは、アルファベットの略称名を考案する際にNippon(またはNihon)があまり使われないことである。最近新しくなって話題となったNISAは「Nippon Individual Savings Account(少額投資非課税制度)」の略称であることを知った。日本大学は英語ではNihon University、日本医科大学はNihon Medical Schoolと言う。これらはNを使っているが、JとNでは前者の方が圧倒的に多い。
 アルファベット以外の言語圏の国々がアルファベットの略称を国名に使う場合、英語名の頭文字を使う事例は一体どれくらいあるのだろうかと思った。自国名をアルファベットで表記する場合、そもそも他国では、わざわざ英訳したものから頭文字を採らないような気がする。これは私の勝手な推測である。客観的な根拠もない。今のロシアがかつてのソビエト社会主義共和国連邦だった時代、当時のスポーツの国際試合では、ソ連選手のユニフォームには英語の略称であるUSSRではなくロシア語に基づいたCCCPが表記されていた。
 日本の場合、ポピュラー音楽やプロスポーツなどは、マーケティングを踏まえると諸外国を意識したJを使った方がいろいろと有利、便利である。しかしそれだけでなく、そもそも島国である日本に内在する劣等感みたいなものが、Jを使いたがるのではないか。欧米諸国に対する憧れ、それに追い付け追い越せという他国への意識と対になった自国への意識である。何につけ手本として見習うべものが海の向こうにあるという考え方を脱ぎ捨てられないのではないか。少し卑屈な感じもする。アメリカ人や中国人などとはそこらあたりが根本的に異なっているような気がする。J-POPという言葉が広まった時に、私はすぐそのように思った。

ポストする LINEで送る ブックマーク
❤️ ひざポン
ありがとう!

気軽にポチっと
どうぞ(無記名)

コメントはこちらから

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Post Navigation

Copyright All rights reserved. SHINYOKAN PUBLISHING illustration by Nakaoka.K