「川柳の神様」シリーズは令和元年12月にまず「Ⅰ」を刊行し、令和4年2月の「Ⅱ」と続いて令和5年5月の「Ⅲ」をもって完結した。最初の「Ⅰ」の本文を何度も校正しながら、あとがきは何を書こうかと考えていた。何度も推敲してようやく出来上がった原稿はかなり長いものになってしまい、結果的には規定のページ数を大幅に超えてしまった。
その後担当編集者の尽力によって、うまくボリュームが圧縮されて何とかまとまったが、私としては「いささか長いあとがき」と題した当初の原稿も捨てがたいものだった。幻となってしまった原稿を4回に分けてブログに掲載したい。今更の感もあるが、ずっと気になっていて、いつかは表に出してやりたいと思っていたのである。なお、原文は縦書きである。
いささか長いあとがき
三六歳の頃、確か平成四年だったと思うが、川柳と出合ってその後数か月でその虜となり、生涯の友は多分これだなと心の中で決まってしまった。それから地元新聞柳壇への投稿、柳書の買い漁りが始まり、川柳上達のための多読多作を心がけた。また在住する栃木県のみならず遠方の吟社にも複数入会し、私の川柳活動が本格化したのである。
そのような時期に、勤め先で毎月発行している社内報みたいなものに川柳鑑賞の連載をやらないかと編集担当者に依頼された。素直に承諾して平成六年一月、買い求めたいろいろな句集、アンソロジー、大会誌、所属する結社の柳誌などから自分の好きな句を数句ピックアップして私なりに解釈して鑑賞するシリーズがスタートした。四〇〇字詰め原稿用紙三、四枚程度のボリュームに、絵のうまい同僚がいたのでカットを毎回入れてもらった。これは平成二九年までの二三年間毎月休まず続き、六〇歳の定年退職までに二八〇回を数えるものとなった。今回本書に収められているものは、その中から私なりにうまく句を鑑賞できたと思うものを選んで載せている。
連載するうえで常に念頭に置いていたのは、とにかく私自身の好き勝手で句を解釈して鑑賞しようということである。著名作家の名句はいろいろな入門書で既に何度も紹介されているので、改めてそういったものを載せても面白味がない。そうではなく、自分自身でいろいろなところから引っぱり出してきた、これはと思う句を読者に紹介して私なりの視点から味わってみる。また、大会などで特選になった句だけでなく佳作・前抜程度に入選したものの中にもおもしろいものがあるのではないかと、そういう角度からスポットライトを当ててみた句もある。大袈裟に言えば、決して権威主義にならず、川柳鑑賞における既成の価値観を打ち破るような句を私自身の手で掘り起こして、読者に味わってもらいたいと考えたのである。〈続く〉
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