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 私立医科大学の事務員として長く勤めていたが、人事異動で医学図書館に6年間配属されて働いた時期がある。図書館というところは司書の資格がないと業務は遂行できないのではないかと思っている人が多いと思うが、実際にはそんなことはない。資格がなくても勉強すれば書籍の登録や閲覧管理は可能である。私も購入図書・雑誌の登録作業をした。医学図書館なので専門図書や学術雑誌がほとんどであり、ページをめくっても内容は分からないものばかりであった。しかし分からないものなりに、仕事をしながらおもしろいと感じたりすることもあった。
 ある年に文化庁が毎年開催している著作権の講習会を受講することになった。図書館を利用して閲覧だけでなく書籍をコピーすることは、原則として司書の資格を持った館員の仕事である。これは著作権法に基づいたサービス業務なのでそのようになっている。著作権を知らない者がコピーサービスをしてはいけない。スーパーやコンビニで何かの書類をコピーするのとは訳が違うという理屈である。しかし司書の資格を持っていない館員でもこの講習を受ければ、コピーサービス業務を管理運用できることになる。
 講習会は東京で開かれ、数日間の講習と簡単なテスト、レポート提出があった。著作権というは、世間の感覚では安易に考えたがる傾向があるが、実際には厳しい法律に基づいて著者や出版社は守られている。例えば、著作物の引用でも、ボリュームの多寡に関わらず丸ごとの無断引用は著作権侵害であり、紙媒体だけでなく最近は電子媒体でもきちんとそれは保護されるようになった。保護期間も著者が亡くなってから50年、映画などでは製作・公表後70年になっている。著作権者の許諾を得ずにコピーした場合は当然著作権侵害となり、民事上及び刑事上の責任が追及される。一番安易に考えられているのは、何かの有料イベントで音楽を流す場合ではないか。これは許諾が当然必要になる。いろいろなお店で毎日開店・閉店時に流す音楽(オルゴール曲など)は著作権のないものを使っている場合が多い。聴いていてそんな感じであることが何となく判る。毎日営業しながら使う楽曲はやはりそこらあたり注意しているのである。
 わたしもこのブログを書きながら、他人の著作の中から文章を引用する場合には充分気をつけるようにしている。引用したら必ず出典を明記し、丸ごとの引用にならないよう、部分引用(全体の約半分以下)に留めている。これは著作権の講習会で教わったことであり今でも役立っている。
 以上、何でこんな話題を持ち出してきたかというと、この私のブログを柳誌に無断で転用している吟社があったという情報が私のところに届いたからである。拙文が引用されたからといって一々目くじらを立てている訳ではない。一言事前に連絡して頂ければ快く承諾したはずなのである。
 いろいろな柳誌を拝見するが、著作権に対してルーズな吟社があまりにも多い。平気で著作物を引用して連載し、部分的なものが重なって結果的には丸ごとの引用になっているものを見たことがある。また出典を明記せずに、いかにも自分が考えて書いたような文章を載せているものにも出くわしたことがある。これらは法に訴えたら必ず負けるということを自覚して欲しいものである。

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  1. 神山暁美 on 2022年2月18日 at 5:30 PM :

    2018年12月に著作権が延長されてると思います。著者が亡くなられてから70年間保護されることになりました。ペンクラブで大騒ぎしてましたから……。

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