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「川柳」といえば、すぐ谷脇素文の軽妙洒落な漫画を追想させる。そして、なぜか、心の奥底に笑いとペーソスを湧き立たせ、日本人独特の庶民性を味わわせてくれるから不思議である。

庶民の詩としての川柳はわれわれの日々の生活の中から生まれ、歴史の流れとともに、日本固有の文学として引き継がれ、今日の社会の中に生きている。それほど川柳の持つ意義は大きく深い。

このたび、県内の川柳愛好家が、その作品を持ち寄って合同句集「風鈴」を発刊する運びになったことは、まことに楽しく、かつ嬉しいことである。

特に今までこのような企画がなかっただけにこの県下合同句集発刊は、本県の川柳発達のためにも、画期的な意義があろうかと思う。

たまたま、ことしは本県芸術祭文学部門に川柳が加えられ、県下における川柳作家が結集する好機でもあり、また、芸術祭参加によっていよいよ川柳の芸術性が再認識されるときでもあるので、この合同句集の発刊を機に、本県お川柳が一飛躍を遂げることは、大いに期待しうるところである。心から発刊をお祝いしてやまない。なお、この句集が。川柳の持つ意義を明るい県政樹立のため少しでも敷えんし得ることをひそかに願うとともに、第二、第三句集が続いて発刊されんことを心から祈念してやまない。発刊ほんとうにおめでとう。

昭和42年8月        茨城県知事  岩上 二郎

貴重な句集「風鈴」は今から52年前のものである。25名の参加、一人53句のアンソロジーです。現在でもご活躍の方は寺門迷仏氏がただ一人ご健在です。

「女」      寺門 迷仏

コンパクト本当の顔うその顔

才女まだ嫁かず噂のそれっきり

二回目は人目を避けて逢いたがり

無我夢中なのに打算もある女

愛不思議ここまで人を信じ切り

母の日に行けがかえって励まされ

卒業に厳しい恩師の目がぬれる

生半可酔わせて愚痴を聞かされる

生活に遠い結婚式を挙げ

そのほか私が川柳を始めたころ新利根町におられた野口多門さん「汗」。

母の影子の影夕日追いかける 多門

ご一緒に茨城県川柳協会を立ち上げたときの会長武田竹坊氏「風」

元日の凧少年へ天を指す   竹坊

「つくばね」吟行会に協力いただいた今泉竹童氏 二〇歳

人間をラッシュの中で見失い  竹童

お名前を聞いた方々が数名おられる。

現在茨城県の川柳愛好家は300名はおられる。県の合同句集にも281名、私の講座から12吟社が産まれた。各公民館文化祭には必ず川柳の展示がある。短歌俳句に劣らぬ作品と数に立ち寄って笑ってくださる。龍ヶ崎市・牛久市が同時開催で6日まで展示。

「母」  紀伊子

母に似た人に振り向く秋祭り                                    子の城のところどころに母の石                               七棹の母の箪笥で生き延びて

 

 

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