川柳マガジンクラブ東京句会 12月例会
第98回川柳マガジンクラブ東京句会が東京都文京区「駒込学園」にて開催されました。出席者はお世話役の植竹団扇さん、松橋帆波さんと伊師由紀子、小倉利江、小野六平太、加藤品子、川瀬幸子、佐道正、島田陽子、白子しげる、高田以呂波、唯夕、平井熙、藤原栄子、本間千代子、ゆめか、横澤七五、米林拓の各氏及び星野睦悟朗の19名。欠席投句は、菊池順風、長谷川渓節、丸山芳夫各氏の3名。当日は「忘年お楽しみ会」としてお弁当と飲み物で歓談をしたあと句会に入りました。内容もいつもと違って、宿題の選と披講の他、中七川柳、袋回し、お楽しみ芸二題があり、自由吟の互選と句評会はありませんでした。
Ⅰ、中七川柳
全員が句箋にあらかじめ決められた上五ないし下五と、(中七を空けて、)自作の下五ないし上五を書いて、いったん集め自分が書いたのでない句箋を受け取って中七を作る遊びを3回やりました。
▽上五「目を閉じて」加藤品子選
目を閉じて 寄付して善を またも積み 睦悟朗
目を閉じて 百億出せと 金せびる 団扇
目を閉じて 触れた手足は ボーイッシュ 由紀子
目を閉じて 待てば二人に 春が来る 利江
特選 目を閉じて 妻の小言は 知らぬふり 唯夕
軸 目を閉じて 芭蕉を気取る 池之端 品子
▽上五「にわか雨」川瀬幸子選
にわか雨 だって子のため ヨイトマケ 睦悟朗
にわか雨 ねずみ飛び込む 食器棚 団扇
にわか雨 貴男のせいよ 毒付かれ 栄子
にわか雨 傘を買ったら 虹がでる 六平太
特選 にわか雨 今日彼来るの ダメよダメ 由紀子
▽下五「ホッチキス」本間千代子選
貴方には 僕針になる ホッチキス 由紀子
平手打ち 愛をまとめる ホッチキス 七五
平和賞 妻の無駄口 ホッチキス 煕
冬の空 私と星を ホッチキス 陽子
特選 七億の 民を力で ホッチキス 睦悟朗
軸 歳のサバ 暦バックへ ホッチキス 千代子
Ⅱ、宿題
12月の宿題は「今年を振り返って」で松橋帆波さんの選でした。
選者の弁「よい句が多かったです。今年を振り返ってに対して広過ぎる意味のものは取りあげませんでしたが、細かいものでも取り上げました。政治がらみが多かったです」
「佳作」
ななちゃんと選挙投票年の暮れ ゆめか
学生街の喫茶とともに逝ったガロ 団扇
みんなの党そしてだーれもいなくなり 正
信長も唖然裔泣きで売り 利江
銀盤の「真」の女「央」は浅田真央 拓
酷税が熱嘘に勝ち今年の字 睦悟朗
平和賞栄作よりもマララさん 団扇
エジソンを超えて待ってた青い鳥 品子
ふなっしー素顔を一度見てみたい しげる
SMバー店の内外叩く音 順風
マッサンが売り上げ伸ばすウイスキー しげる
牛丼の値上げ財布の首を締め 利江
テレマーク国は右寄り前のめり 千代子
10パーはダメよダメダメ2年後も 渓節
噴火して国拡げると期待され 以呂波
小保ちゃんを今も少しは信じてる 正
草原の覇気が土俵を駈け廻る 七五
エボラ熱暫しアフリカ思い遣り 栄子
円安の儲け話に縁がない 利江
健さんへ黄色いハンカチがむせぶ 幸子
「秀作」
少子化の読み甘かったネェ代ゼミ 幸子
平成の妲妃のお百後妻業 六平太
頂点へギャラも天飛ぶエアーケイ 品子
「特選」
おもちゃ屋のアナ雪たちが胸を張り 陽子
軸 妖怪のせいにしておくありのまま 帆波
Ⅲ、袋回し
全員があらかじめ表に課題を書いた袋を受け取り、課題に対する軸吟を書いて入れ右に座っている人に渡します。受け取ったら2分間で最多3句までの句を作り袋に入れて更に右の人に渡します。次々渡していき、全員の句箋を入れた袋が最初の人に戻ったら5句選句し、披講します。
通常この会でやっているのは3~5分間吟(3句まで)なので、2分間で次々と袋が来るのにはだいぶ悲鳴が上がりましたが、バタバタと38分間で最多の場合54句+軸吟を作り終えました。
▽「泣く」白子しげる選
泣きながら食べてる客の通夜の席 利江
半世紀涙見せずに生きてきた 由紀子
泣いた子へ特効薬は母のハグ 睦悟朗
泣き切ってからは虹しか出てこない 帆波
特選 この辺で泣くと絵になる泣いてみる 陽子
軸 号泣の議員チャンスを棒に振る しげる
▽「背中」ゆめか選
子の夢を汗と一緒に背負ってる 煕
自衛権聞くと背中が寒くなり 利江
お互いの背中を流す仲が良い 栄子
泣きながらやせた親父の背を流す 睦悟朗
特選 凋落の背中影だけ付いてくる しげる
軸 妻に言うまごの手いらず背中かき ゆめか
▽「顔」伊師由紀子選
顔色が金は貸せぬと言っている 睦悟朗
顔写真メールで送る家族葬 煕
知らん顔してもホントは好きな人 正
この顔を覚えて欲しい外の孫 陽子
特選 顔の皺全部会社のせいにする 睦悟朗
軸 二十二世紀の顔になるよもう少し 由紀子
▽「耳」川瀬幸子選
守秘義務に心病んでるロバの耳 利江
聞く耳が小さくなって知る孤独 しげる
片耳で聞いてる妻の長い愚痴 利江
木耳が好きで頼んだ中華丼 帆波
特選 耳打ちをして最愛の人にする 陽子
軸 耳よりも口が働く食いしんぼ 幸子
▽「髭」本間千代子選
気の毒な髭の殿下のやせ細り 正
ペルシャ猫髭の長さで価値決まり 拓
髭撫ぜてウイスキービン威張りだす 睦悟朗
女房の髭に怯えるパピプペポ 団扇
特選 均等法以来妻にも髭がある 利江
軸 口髭の不潔っぽさが男下げ 千代子
▽「皿」島田陽子選
主婦の会大盛りにするバイキング 以呂波
不揃いの陶器をフリーマーケット 由紀子
大切な皿を割ったと子の素直 幸子
皿洗い心を洗う武者修行 拓
特選 算数がちょっと苦手な皿屋敷 正
軸 ペア皿を割ってみようか倦怠期 陽子
▽「減る」平井 煕選
減量も胸だけ痩せて魅力なし 千代子
食べる量減ってくるのを良しとする 由紀子
交互に履けば片減りのしない下駄 団扇
腹減ったあの頃の君戻したい 陽子
特選 年金が減って蛇口を細くする しげる
軸 円安でまた減っていく町工場 煕
▽「持つ」唯夕選
喪中ハガキ持つ手も振るえ師の恩義 幸子
勘定を持つ奴先に酔いつぶれ 千代子
持っている人と言われたことがない 睦悟朗
おっとりは生まれ育ちの大らかさ 以呂波
特選 朝シャンが今夜の秘密持っている 陽子
軸 不可思議な力を持った恐い妻 唯夕
▽「走る」佐道 正選
ゴール前川内の顔見る焦り 六平太
師も走る佐川も走る年の暮れ 千代子
かけっこは遅いがいつも先走る 拓
走ってますウォーキングじゃありません 陽子
特選 撮り鉄に走る煙がたまらない 利江
軸 解散の声に激震が走る 正
▽「車」加藤品子選
ショッピングカートでレース場気取り 帆波
車間距離妻へだんだん広げてく 睦悟朗
渋滞のわけは師走の総選挙 団扇
発車した後に残っている涙 正
特選 車間距離ほどよく金婚迎えた日 千代子
軸 訳有りの女にされる停車場 品子
▽「切れる」横沢七五選
堪忍が切れたか貫主税と書く 団扇
よく切れるアタマがそばにある安堵 陽子
母さんが切れると父は冬眠し 品子
熟年の切れてうれしい赤い糸 正
特選 切れる子の心の奥の凸凹さ 帆波
軸 金がなく縁を切られた隠し妻 七五
▽「光る」小野六平太選
ノーベル賞イグノーベルもジャパニーズ 千代子
光るもの頭だけだとよく言われ 拓
ノーベルはとても取れない七光り 団扇
近未来希望をくれたダイオード 由紀子
特選 頭しか見えぬが父はすぐ分かる 正
軸 光頭会ひらきなおった親父たち 六平太
▽「猫」植竹団扇選
猫気質人間気質犬気質 由紀子
愛猫の彫りは夫に勝っている 品子
猫の手も借りたい時に孫が来る 幸子
大枚の熊手はやめて招き猫 幸子
特選 欲しいのは猫の手よりも犬の足 拓
軸 わが輩が猫であるとは知らなんだ 団扇
▽「虫」米林 拓選
男はね誰でも虫を飼っている 帆波
虫の音を余り聞かずに秋が過ぎ 正
虫の音も淋しさが増す復興地 しげる
本の虫年には勝てず読み残し 以呂波
特選 自然っていいねと言うが虫嫌い 正
軸 虫の音をBGMに本の虫 拓
▽「打つ」小倉利江選
相槌を打ってちっとも聞いてない 千代子
子をぶてぬ時代で父の値が下がる 睦悟朗
頬伝う涙と頬を打つ理由 帆波
エアーケイ打てばミラクル現れる 帆波
特選 平和賞マララの言葉胸を打つ しげる
軸 父の忌の父を偲んで蕎麦を打ち 利江
▽「電気」藤原栄子選
あの人は電気ウナギかしびれさせ 睦悟朗
省エネもどこへ消えたか街灯り 千代子
原発が無くても足りるエレキテル 団扇
停電が思い知らせる身の廻り 以呂波
特選 停電が死に体にする都市砂漠 利江
軸 ふわふわと電気うなぎが泳ぐ海 栄子
▽「棘」星野睦悟朗選
評論家棘を薬味の渡り鳥 品子
棘を取りだんだん軽く成る私 ゆめか
貴方との逢瀬は棘をぬいてゆく 千代子
棘のある修辞ジョークで切り返す 利江
特選 棘抜くと全然つまらないマツコ 正
軸 バラ科でも桜棘ない平和主義 睦悟朗
▽「椅子」高田以呂波選
近頃の寺は本堂椅子そろえ 六平太
単身を終ると僕の椅子がない 睦悟朗
車椅子乗っているのはまだ元気 唯夕
正座より椅子席狙う長寿会 幸子
特選 椅子取りに似た婚活の繁忙期 品子
軸 定年後腰落着ける椅子探し 以呂波
▽「丸い」松橋帆波選
まん丸のお目めでウソッと叫ばれる 千代子
丸テーブルそれでも上座さがす人 正
角だってたくさんあれば丸くなる 拓
キャラクター丸まるマルで出来あがる 団扇
特選 丸もちのくにで言葉に苦労する 睦悟朗
軸 丸いって良いね誰もが笑顔だよ 帆波
Ⅳ、お楽しみ芸二題
▽妖しげな歌姫 ゆめかさん
田端義夫の帰り船をセリフ入りで熱唱され大拍手が湧きました。
▽怪しげな白衣の紳士 松橋帆波さんお声にそっくりで長い金髪黒眼鏡、白衣のマーキー湊川さん
一月から十二月までニュースから川柳を紙に書いてかざして、漫談風に解説して下さり笑いに包まれました。
川柳の一部抜粋します。
一月 信用も一緒に下げる治療薬
(ノバルティスファーマ)
二月 聞こえない振りで作った振りもする
(佐村河内守)
三月 背中から弾を撃ちだすスポンサー
(みんなの党渡辺代表とDHC会長)
九月 なんじゃらほいどころではない火山礫
(木曽節)
十一月 保険金よりも確かな遺産分け
(筧容疑者)
十二月 アベノミクスへ諭吉は上の空のまま
Ⅴ、次回について
日時 : 平成27年1月11(日) 12時30分開場、13時開始
場所 : 駒込学園
内容 :
- 1、句評会 事前に自由吟を一句(既発表句でも可)お送りください。
- 宛先 ㋐新葉館宛の場合 12月末締め切り
- ㋑松橋帆波宛の場合 1月5日まで
- Fax 03-3604-732
- 郵送 〒125-0061 葛飾区亀有1-13-1-407
2、句会
㋐宿題「天」三句(句箋は当日)
㋑時間があれば五分間吟など
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面白い試みです。これだとみんなでわいわいやれますね。
付け句の繋ぎも面白いですよ。中にはKYな人がいて路線?を変える人もいますが・・・。
こちらでも真似をしてやってみます。
無冠帝さん
毎度コメントいただきありがとうございます。
新年の会などでも面白いかもしれませんね。
沢山の句が詠まれていますが、整理してブログに書き込むのは大変な作業ですね。
面白い句がこんなに詠まれているとは、驚きです。
閑宝さん
コメントありがとうございます。
今月は特に多いですが、あまり割愛すると雰囲気が伝わらないと思って載せさせていただきました。
それにしても私自身、2分間吟で3句ずつを連続18題作ったのは初めてです。
皆さん達吟家だなあと思いました。