川柳マガジンクラブ東京句会11月例会
第97回川柳マガジンクラブ東京句会が東京都文京区「駒込学園」にて開催されました。出席者はお世話役の植竹団扇さん、松橋帆波さんと小倉利江、小野六平太、城内光子、佐道正、白子しげる、高田以呂波、唯夕、平井熙、水野絵扇、宮本游子、村田倫也、横澤七五各氏と星野睦悟朗の15名、欠席投句は、加藤品子、菊池順風、成島静枝、長谷川渓節、藤原栄子、本間千代子、丸山芳夫、ゆめか各氏の8名でした。
Ⅰ、自由吟互選と句評会
各句の上の数字は互選の得票数です。
ゼロ票の句は七五さんと熙さんがコメントしました。
注目を集めた句について、やり取りの概要をそれぞれの句の後に記述します。発言者の頭に?を付けたのは疑問や質問を述べた人です。
急速な円安に株ほくそ笑み 利江
休日のビールも飲めぬ消費税 絵扇
いやよいやつれない素振りする女 栄子
七五「明治の女の人のにおいがします。いい句だとは思います」
熙「東村山の漫才コンビが「ダメよ~ダメダメ」を売りにしているのを思い出しました」
団扇「つれない素振りは、その気があるのでしょうか」
帆波「男が都合良く解釈するのでしょう。ある線を超えるとストーカーになってしまいます」(笑い)
作者は欠席で本当のところは聞けませんでしたが、最近ブレークしている日本エレキテル連合の話題でがやがや。女性陣からは「あれは大嫌い」の声も。
角よりもトリス似合った我が父は 渓節
定番をアウトレットで探す恋 唯夕
?睦悟朗「どうしてもわかりません」
七五「私もわかりません」
熙「我々アウトレットに行っても、妻や娘を待っているだけです。お店の人を探すのかしら」
作者の弁「定番とは売れ筋のことです。そんな良いものはないので、探すのはないものねだりになる。つまり恋みたいなものだ。と詠みました」
時針盤アイデンティティ生き様だ ゆめか
1 富士山も活火山だと自覚する しげる
1 夏奴冬は豆腐と名乗ります 游子
以呂波「夏奴と名乗ります、というのがまるで芸者さんみたいで面白い」
七五「飲み屋には一年中奴はあります」(笑い)
作者の弁「やはり「夏奴」と擬人化してみました」
1 ドラキュラもカメラ向ければはいチーズ 順風
1 人格を疑われそう喫煙者 帆波
?倫也「僕も喫煙者だから一言。ロンドンでは英国人は倹約家で、かつタバコは高いので根元まで吸うから、(吸殻が捨ててなくて)きれいです。でも私はぴかぴかできれいな街は好きじゃないです。喫煙を責めるのはけしからんです。犯罪者扱いにするのは「人格を疑い」ます。日本人はすぐワーッと一方に偏ります」(元写真家で現在も喫煙者が、とうとうと述べるのでみんな大笑いしました)
作者の弁「皮肉を込めて作りました。勤め先で周辺に住む人の意見を聞いた中に「喫煙している人がいる」というのがありました。喫煙は大変なこととなっています。しかし喫煙者は減っているのに肺癌は増えています」
1 何事もなかったような顔をする 倫也
1 爪を噛む癖は切符も食べる癖 団扇
正「そんなわけないでしょう、と言いたくなります。ツッコミ川柳を作ったのでしょう」
?倫也「噛むでなく食べるは飲みこむのだから・・・」
?利江「切符食べたら駅から出られなくなります」
?睦悟朗「癇癪持ちの人かしら」
作者の弁「上の爪・・と下の切符・・は関係ありません。昔の紙の切符でいじったり噛んだりすると角の方がなくなったりします。こういうのを作るのは団扇、面白がるのは正さん」
2 お見舞いの花に溶けてく蟠り 七五
しげる「今日の句の中ではすごくユニークな句で、今日はユーモア句が多いが正面から詠んでいる、完成された良い句だと思います」
熙「花一つでわだかまりが消える、が気に入りました」
正「「溶けてく」はどうでしょうか?」
多くの参加者「このような「い抜き」でよろしいのではないですか」「最近は結構多いです」
帆波「「溶けてく」と「溶けていく」には味わいの差はありますが」
倫也「「溶けだす」ならい抜きになりませんが」
多くの参加者は「溶けてく」の方が良いという意見のようでした。
作者の弁「(お見舞いに行った方の立場で)チャンス、きっかけを掴んだことを詠みました」
2 俗の世は愉し仙人脂ぎる 芳夫
利江「これは面白くて良い句だと思いました。俗にまぎれながら生きていくということでしょう」
光子「仙人が脂ぎるのが面白い」
?唯夕「仙人は一般的なのでしょうか、特定の人を詠んだのでしょうか」
?倫也「今の世の中に仙人なんかいるわけないのに」
帆波「これは中国の鉄拐(てっかい)仙人をベースにして詠んだものでしょう。この世に降りて来て俗化して生まれ変わりの術が使えなくなってしまいました」
2 馬とびの友の体温昭和の子 光子
倫也「こんな句好きです。「ドスン」といってよくやりました」
游子「私もやりました。昭和の遊びなんだなあと懐かしく思いました。
絵扇「私も選ぼうかと思いました。よくやりました」
作者の弁「先日、昭和の子供たちという写真展を見に行って、体を接触しあう遊びが多かったんだなあ、と思いました」
2 健康度歩き具合で査定され 静枝
2 捻っても絞っても出ぬ相手の名 以呂波
3 筋書きを少しずらした露天風呂 熙
睦悟朗「露天風呂に入ってのんびりしたら、あくせくしているやり方を少し変えようと思いだしたのかなあ、と思いました」
倫也「混浴を期待したのではないですか」
?帆波「露天風呂へ行くことが筋書きと違ったのかしら」
?利江「どうずらしたのかわかりません」
作者の弁「いろんな期待がありますが、実際は川柳の仲間と温泉に生きましたら真面目に温泉の中でも川柳を作りました」
3 職人が世界語になる技の冴え 品子
3 サラ金のCMとても楽しそう 正
4 外税は子鬼の顔を見てるよう 六平太
睦悟朗「払うときになって、えっと思いますね。子鬼がいいですね」
光子「子鬼がうまいと思います」
利江「子鬼とは手が付けられない腕白。結局は取られるのです」
正「元は親鬼、税は子鬼。ほんとにうまいです」
作者の弁「消費税を上げるときどうするか問題になりました。最後の桁を8とか9とかしてあっても払うときには変わってしまいます」
4 温泉列島火山の畏怖と隣り合う 千代子
選んだ絵扇、七五、しげるら本当にそうだなあ、という感想でした。
5 現金の方がいいのに届く花 睦悟朗
選んだ倫也、七五、以呂波は病気見舞い、絵扇、唯夕は母の日などの贈り物と取ったようでした。
作者の弁「母の日などで立派な花の束が届いたりすると妻がぼやきます」
Ⅱ、宿題
11月の宿題は「さだめ」で村田倫也さんの選でした。
〔佳作〕
ウツという神様くれた贈り物 順風
好演技しても主役でないワサビ 睦悟朗
ボケ防止ルーズに暮らすことにする 絵扇
猫抱いて寝るアラフォーの男運 利江
適当でいいさ自分の食べる分 静枝
駄目よ駄目駄目御法度ばかり並ぶ法 団扇
一歩外出れば居酒屋放浪記 唯夕
杓子定規問答無用無裁量 以呂波
打たれてもへっちゃら杭はマゾヒスト 芳夫
親を見て子を見て今の暮し向き 游子
身の丈に生きて私の現在地 利江
よよと泣く演歌の女どこにいる 光子
〔秀作〕
チャレンジが運命線を引き直す しげる
都会の色消して故郷に根を下す 七五
また会おう退職後のそれっきり 煕
〔特選〕
現状を変える術なくカップ麺 七五
軸 別の人好きになったと許婚
Ⅲ、5分間吟
最後に5分間吟を行いました。
宿題の句で特選の人が出題と選をすることになっています。今回は横澤七五さんで題は「楽しい」でした。
〔佳作〕
楽しみは後の後迄とっておく 唯夕
町内の草むしりする笑う膝 煕
楽しそうに見えない顔でするゲーム 正
そこだけに光り輝く古希の口 煕
お絵描きに思い出残る児の笑顔 以呂波
負けたってじゃんけんぽんは面白い 帆波
何度でも同じ話は母の事 以呂波
酒一合あれば楽しくなるこの世 正
楽をした付けが老後にやってくる 倫也
毎日が祭りのようであれば良い 団扇
〔秀作〕
コーヒーが冷める噂が踊ってる 利江
あと少し台本無しで生きてみる 煕
元取れて満腹感のバイキング 利江
〔特選〕
贅沢を食べてストレス消してくる 利江
Ⅳ、次回について
日時 : 平成26年12月14(日) 12時30分開場、13時開始
場所 : 駒込学園
「忘年句会」としてお弁当を用意する都合がありますので、参加者は12月10日までにご連絡ください。
連絡先 ㋐新葉館宛の場合
新葉館のホームページをご覧ください。
㋑松橋帆波宛の場合
郵送 〒125-0061 葛飾区亀有1-13-1-407
Fax 03-3604-7328
メール honamikp61@gmail.com
宿題 : 「今年を振り返って」三句(句箋は当日)
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今回の句会レポートは句会の様子がよく分かリよかった。それぞれの方がそれぞれに句をとらえ選評してるのが面白かった。ボクも飛び入りしたい気持ちになりました。いつも睦悟朗さんご苦労様です。
無冠帝さん
コメントありがとうございます。