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川柳マガジンクラブ東京句会1月例会
1月13日(日)第77回が開催されました。
今回の参加者はお世話役の植竹団扇さんと松橋帆波さん(途中でご帰宅)および丸山芳夫、高田以呂波、伊藤三十六、小倉利江、小野六平太、加藤品子、鎌倉大仏,白勢朔太郎、本間
千代子、ゆめか、唯夕、村田倫也、星野睦悟朗,佐道正、宮本游子、阿部闘句郎、白子しげる、藤原栄子、の20名。欠席投句は飯島圭子、小川正美、棚瀬くんじ、成島静枝、水野絵扇、山田こいし、ヨモギの7名。合計27名でした。
1、新年の句会でしたので、植竹団扇さん、松橋帆波さんからご挨拶がありました。
例年、6月の句会が全日本川柳大会と同じ日(今年は6月9日)のため開催できずにお楽しみ会をやってきましたが、可能であるなら別の日にするなども考えてみたい。
2、自由吟互選と句評会
句評会は出席者が3句ずつ選びますが、結果はゼロ票10句、一票3句、二票6句、三票1句、四票4句、五・六・七票各1句でした。
今回も句評会の互選ゼロ票の句は掛け合いで論評しました。本間千代子さんと宮本游子さんが担当しました。読み取り方で変わる句が多数あり議論になりました。また背景や言葉を知らないと読み取れない句もありました。まず、それらの句を取り上げて見ます。
なお疑問符をつけた方がいたら、その発言者の前に?をつけて表記します。
2・1、読み取り方で変わる、という句
   やまびこはやさしく声を跳ね返す  朔太郎
千代子「こういう発想もあるかなあと思いますが、やさしくと跳ね返すがうまく結びつきません」
游子「私も跳ね返すとやさしくがうまく結びつきません」
団扇「やわらかく跳ね返すこともあるのでは」
がやがや「やさしく呼びかければやさしく返ってくるということでは」
作者の朔太郎「やまびこへの声のかけ方でやさしくなったりする。鑑賞する側には分かりにくかったかもしれません。私もいつもは男ばかりですが、(女性が入っていて)たまにこういうことがありました」
   幸せはあなたの傍に気がつかず  栄子
游子「まったくこの通りですがありふれ言い方と思います」
千代子「同じですが、傍らにの「に」が気になります」
利江「での方が良いのでは」
帆波「幸せの方が気づいてくれない、とも取れますね」
作者の栄子「いつも愚痴ばかり言っている人がいるので句にしました」
   透明人間は裸の王様だ  大仏
千代子「どこかで見た気がする句です」
游子「私も既視感がありました。ちょっと意味が分かりません」
作者の大仏「川柳マガジンの載った句です」(注:川柳マガジン1月号必勝柳壇の題「透明」掲載句。句評会は既発表句でも皆さんのご意見を聞きたいなどで使ってよいことになっています)
?倫也「透明人間と裸の王様のつながりがわかりません」
団扇「自分は透明人間だと思っているが皆には見えているということでしょう」
大仏「そう言われると私もよくわからない」(爆笑)
   母地蔵いつになっても子を送る  唯夕
游子「お母さんが子を送るのが(地蔵になってしまって)なくなると、いつになってもとどうつながるのか分からないです」
千代子「私もよくわかりませんでした」
帆波「母 地蔵か母地蔵かでかわりますね。母を地蔵に例えていると取るのが自然でしょう」
団扇「毎日毎日見守ってくれるのでしょう」
作者の唯夕「妻の母のことです。今でも娘や孫を見送ってくれています」

2・2 背景や言葉を知らないと読み取れない句
   人生も痛気持ちいい程が良い  ヨモギ
千代子「イタキモチイイと読みました。人生は痛いばかりでも気持ちいいばかりでも良くない、これが丁度良い、ということでしょう」
游子「千代子さんに聞いてわかりました」
帆波「痛気持ちいいという言葉が良い」
?利江、正、睦悟朗・・・「説明を聞いてわかりました」
   暫らくはスカート踏まれなくて済む  千代子
千代子「これ私の句なんですが、新潟県人なので応援したい気もあります」
游子「今度は(与党幹部や政府に)女性が多くなり、踏まれなくて済むようになったのかしら」
(注:小泉内閣のとき田中真紀子が「首相から自由にやりなさいといわれ、前に進もうとしたら、後ろでスカートを踏むんですよ。誰かと思ったら首相自身だったんですよ」と言った)
   黒柳徹子パッキン老朽化  こいし
游子「何となく感覚は分かるのですが、滑舌が悪くなったということでしょう」
千代子「私はまだそんなに滑舌が悪いと感じませんが」
朔太郎「私は長い間見ていますが、今でもとても元気に見えますよ」
?倫也「人名を使うのはどうかと思いますが」
団扇「気をつけて作った方がよい、と思われます」
三十六「銀河の駱舟さんも同じように言っています」
作者のこいしさん(欠席)のコメント「多くの有名人がなくなって流す涙を、涙腺のパッキンが弱くなったと詠みました」
   高遠の恋戯作者の筆に乗り  品子
(注:江戸の奥女中絵島と歌舞伎俳優生島が起こした風紀紊乱事件で絵島は高遠に預けられ、生島も遠島になった。明治になって歌舞伎作品が作られた)
游子「意味がよくわかりませんですが、絵島、生島の事を詠んだのでしょう」
千代子「よく知りません」
?利江「きれいな句ですが少しわかりにくいです。もう少しわかりやすくしたらと思います」
作者の品子「古風吟の句を作る会で作りました。大奥の恋ですが、この会は固有名詞を使ってはいけないことになっているので、高遠もまずいのです」
   いい年を迎えたろうか東北も  利江
游子「本当にその通りですが、もうひとひねりあった方がどんとくると思います」
千代子「そう思います」
作者の利江「晴れてよいお正月でしたが、テレビで見ると北は雪でとても気になりました。皆さんからの寄付に少し加えて三万千百円を、岩手県の一本松も修復に寄付いたしました。2月には完成するそうです」
(注:利江さんから句集を頂いて、ささやかなお礼として寄付したお金にかなり?プラスした寄付のようです。10月例会のブログご参照下さい)

2・3、一、二、三票句より
   壇蜜は女紀香は黄金比(一票)  游子
この日もっとも話題を集めた句で評価の前に帆波さんが用意された壇蜜の写真2枚が回覧された。
一票を投じた睦悟朗「壇蜜はいま話題になっているタレント、グラビアアイドルで、紀香は森永製菓が昨
年9月に黄金比率のすぐれた人のアンケートを行ったときに3割ほどの支持を獲得した。壇蜜は好きではないが、紀香はきれいだと思います。対比が面白いです」
疑問符をつけた人が五人もいました。
?倫也「どちらも嫌いです」
?利江「写真を見たらわかりましたが・・・」
?三十六「分かりませんでした」
?品子「黄金比も分かりませんでした」
?千代子「分かりませんでした」
帆波(細かな薀蓄は省略しますが)「実はこの二人のスリーサイズ、公表されているデータはほとんど同じです。売り出し方の戦略の違いを「女」と「黄金比」という言葉で表現した作者に拍手です」
   ハローワークに山ほどしたくない仕事(三票)  正
游子「昨今混んでいるそうですが、自分が思うような仕事は無いということでしょう。なお「に」は要らないのではないですか」
闘句朗「仕事を選びすぎる。仕事をしたくない若い人が生活保護を受けている」
芳夫「仕事を選びすぎているのを嘆いているのでしょう」
作者の正「少人数の非正規の事務の仕事でもどっと応募がありました。一方で営業などはしたくないらしいです」
   ミサイルを御用御用と追い掛ける  闘句朗
(始まってから遅れて提出されたので得票が少なかったと思われます)
三十六「手馴れた句で、うまく詠んでいます」
品子「そう思います」
作者の闘句朗「一読明解な句です。江戸時代の言葉を使ってみました」

2・4、四票の4句は分かりやすいものばかりでしたので、句だけ並べます。
   価値観の違いにそっと蓋をする  しげる
   終活と思えば捨てるものばかり  睦悟朗
   見てご覧ホラ人生に瘤がある  芳夫
団扇「人生の先輩が人生は面白いんだよ、と言っているみたい」
作者の三十六「自分を中心において第三者に言っているのです」
   使えないものだけ並べ陶器展  圭子

2・5 高得点句
   束の間の嬉し涙は虹に似る(五票)  静枝(欠席投句)
闘句朗「好きではない・ちょっとうますぎるかなあとも思いましたが、句の姿が美しい。
しげる「嬉し涙はすぐ消えてしまう、という心情が分かります」
利江「若い人の純粋な虹でしょう」
ゆめか「きれいな句です」
品子「束の間と書いたのがもったいない気もします」
   悪い卦が出てほっとする物思い(六票)  帆波
六平太「こういう思いもあるような気がして面白いです」
正「分かる気がする」
倫也「今年私は中吉でした。諍いごとは避けろとありましたのでじっとしています」(笑い)
芳夫「もしかして悪いことをたくらんでいて、行かずに済んでほっとしているとも読めて面白い」
大仏「いい卦は責任感が出るが、悪い卦はこんなもんかなあと思います」
闘句朗「悪いことをたくらんでいてほっとしたということでしょうか」
作者の帆波「占いでよいことが書いてあっても斜に構えてしまう。悪いときはやっぱりそうかと思います」
   右肩を上げようせめて衣紋掛け(最高の七票)  芳夫
選んだ大仏、千代子、以呂波、睦悟朗、游子、朔太郎、しげるが声をそろえたように「うまい、せめてがうまい、・・・」
団扇「実際にそうなっているのを見て詠んだのでしょう」
作者の芳夫「実際に掛けてあるのを見て詠みました」
帆波「逆から見れば右肩下がり」(笑い)

3、宿題の課題吟
課題は「再生(表現自由)」で、佐道正さんの選でした。
選者の弁「アベノミクスがらみがとても多かったです。またニュースの見出しみたいな句が多かったです。リサイクルもいくつかありました。iPSもいくつかあり、取った句もあります」
「佳作」
会いたくて何度も生まれかわります  ヨモギ
トイレットペーパーに訊く氏素性  団扇
iPSまた老人が増えていく  三十六
松とれておせちの残り鍋になる  くんじ
LED20年器具7年ぞ  大仏
浴衣なら孫のおしめで生きる夢  唯夕
ベトナムに寄付する盗まれたバイク  芳夫
五輪初義足快速挑戦者  以呂波
若返る夢へサプリはすぐ試す  睦悟朗
また迷う切った人から来た賀状  以呂波
前世では犬の尻尾のイエスマン  こいし
汚染地へソーラーパネル敷き詰める 圭子
昨夜から再生今朝の薄化粧   闘句郎
いつだって僕が謝り縒り戻す  睦悟朗
金婚のビデオゆっくり巻き戻す 朔太郎
母の手の温みを纏う編み直し  利江
大笑いしてゴミに出す過去のこと  帆波
カサブタがポロリと落ちて生まれたて  ヨモギ
「秀作」
踏まれても酒に流して立ち上がる  睦悟朗
iPS皺も何とかなりますか  利江
唇の罪を拭いてる再生紙  三十六
「特選」
私は発毛剤を信じない  三十六
「軸」
寅さんは恋をするたび蘇える  正

4、五分間吟
最後に、伊藤三十六さんの出題、選で五分間吟を行いました。課題は「煙」でした。
選者の弁「5分間ですが、良い句がたくさんありました」
「佳作」
美女にだけ煙が向かういろり端  千代子
不完全燃焼胸の火が煙る  闘句郎
公園のD51に乗せ夢流れ  以呂波
アベノミクスとやらでまた煙に巻く  千代子
頭から煙出して食う明太子  芳夫
山ひだにゆったり消える湯の煙  以呂波
ビル中をまわって捜す喫煙所  正
吸う医師が少しは吸ってよいと言う  睦悟朗
吸った過去迷惑掛けたこと忘れ  しげる
禁煙を煙を吹かし考える  倫也
煙幕を張られ心が臆病に  大仏
禅問答繰り返しつつ煙に巻く  しげる
「秀作」
煙突がなくてサンタが来てくれぬ  利江
仲間内煙たい話盛り上がる  倫也
偏屈も白い煙でサヨウナラ  睦悟朗
「特選」
中国の狼煙はすぐに消されてる  倫也
「軸」
折角の恋に煙草が邪魔をする  三十六

5、白勢朔太郎さんのお話
(1)柳都が毎年全国大会をやってきましたが、今年は65周年になり7月7日に開催します。いつもメンバーから何人か参加していただいていますが、是非多数のご参加をお願いします。
(2)NHKの大河ドラマ「八重の桜」が始まりました。新潟と会津は大変深い関係にありますし、個人的にもいろいろつながっています。是非ご視聴下さい。

 次回の東京句会は2月10日(日)駒込学園にて開催です。
 課題吟は「建てる」(表現自由)三句詠です。
 詳しくは、新葉館のホームページをご覧下さい。

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