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川柳マガジンクラブ東京句会7月例会より
 7月10日(日)第59回東京句会が開催されました。
6月12日(日)が例会の日でしたが、全日本川柳2011年仙台大会の日でしたので中止して、参加可能な世話役と一部の人で勉強会兼お楽しみ会を行いました。中七川柳、写真を見ての印象吟および川柳カルタを実施しました。中でも著名な52句の上五と中七を読み上げて、下五を書いた札を取り合う川柳カルタは大変盛り上がりました。最初は参加者を二つに分け、Aチームは佐道正さんが十数枚、Bチームはベテランの村田倫也さんが半分以上取り両者による決戦が行われました。同じ札のため、視力・体力の勝る佐道正さんが数枚の差で勝ちを収めました。
沈む音     台所更けて柄杓の     河柳雨吉
子と話し    良い父になろうと思い   狩野苦労人
ありにけり   ラブレター死屍累々と   橘高薫風
赤ン坊だよ   茹でたらうまそうな    根岸川柳
書きにくい   〆切がないから遺書が   前田忠男
話する     死んだってねと人様の   山路星文洞
など、参加者がてこずった札もあり、にぎやかに楽しみました。

 さて今回ですが、出席者26名、投句10名で合計36名でした。合計人数のわりに出席者が少なかったのには、梅雨が明けた暑さの影響もありそうです。地元根津から久しぶりに晴れ晴れ家さんが参加されました。ご当人曰く「俳句の句会では、あなたの俳句は川柳みたいだと言われる。それでは、と参加してみました」 そして句評会への投句は、
   神様のご機嫌斜め風死せり
でしたが、一部の参加者から文語調、風死すという季語を使っている、など俳句的との意見が出ました。だからといってこの句が川柳でないという人はなく、川柳の融通無碍さ、懐の広さが面白かったです。
 句評会の票は、一部の句に集中したためにゼロ、1、2票の句が多かったですが、すべての句を順に論じ合うのがこの会のよいところです。
 8票と、もっとも票を集めたのは、
   海の音聞える貝のコレクション   長谷川康子
 貝のコレクションの言葉が良い、俳句的、ショートポエムとして素敵、さまざまな貝の音が想像されるのが良い、などの声がありました。
 次は6票で、
   店仕舞い僕の生前葬とする   丸山芳夫
 出席者の大半は芳夫さんの句だとわかっているが、店仕舞い・生前葬にぐっときて1票を投じました。作者はお蕎麦屋さんのご主人でしたが先般お店を閉じられました。お店のご主人や芸術家は生涯続けられるのが普通だったが、つらい世の中になりました。でも作者の「生前葬」に、さあ次の新たな歩みを始めよう、という気持ちを読み取りました、という応援のご意見もありました。力づけようと、「香典を弾む(笑い)」というコメントもありました。
 5票が3句ありました。
   髪束ねサッカー少女風になる   佐道正
 当日早朝、女子ワールドカップでなでしこジャパンが前回大会優勝のドイツを破って4強入りを果たしたこともあり、にぎやかに意見が出ましたが、作者がもっと早くキャプテンの澤に目をつけて作句・投句されたのはさすがです。世話役の松橋帆波さんが意外にもなでしこジャパンにお詳しくて、いろいろ解説なさったのにはみんなびっくりしました。
   おばけより人かも知れず怖いもの   ゆめか
にはみんな共感!でした。何人かでわいわい話しているのをそのまま句にしたそうで、そのことが感じられる表現です。夜道で後ろから足跡が聞えると怖い、に世話役の植竹団扇さんが「幽霊なら足はないですものね」と混ぜ返してみんなで笑いました。
   断捨離も最後に残す欲の皮   鎌倉大仏
 作者は前回からご参加の方ですが、断捨離もすっかりみんなの知る言葉になってようで、言葉に対する議論はなく、なるほどねえと読まれたようでした。
 時節柄、
   短命の総理にさせるマスメディア 4票 加藤品子
   迷いから狂いへ遍路半ばなり 3票 松橋帆波
がありましたが、どちらも短期一過性でない時事吟を狙っているところが優れていると思います。

 課題吟は「継ぐ」3句詠で、山田こいしさんの選でした。
 秀作3句は次の通りです。
   後継の渦で野心が鬩ぎ合う   白子しげる
   墓守を嫁の立場で許される   水野絵扇
   大津波望みをつなぐ郷土愛   河野桃葉
 そして秀逸は、
   継ぎ目からそぉーっと顔を出す希望   加藤ゆみ子
 アスファルトの裂け目に育ったど根性大根のようなものかと思いましたが、パッチ細工のような継ぎ目だそうです。
 他にも衣服や布を「継ぐ」句が多かったが、平凡になりがちだったようです。
 選者が軸吟で、
   男でも女でも良いじゃん世継ぎ
と笑わせて、和やかにお開きになりました。

 次回の東京句会は、8月14日(日)駒込学園にて開催です。
 課題吟は「8月の思い出」3句詠です。
 詳しくは、新葉館ホームページをご覧下さい。(睦悟朗 代筆)

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