Loading...Loading...

 その日は、9月の下旬になろうとするのにまだまだ残暑が続く平日の昼下がりだった。いつものように昼寝した後の日課であるサイクリングを終え、行きつけのスーパーに立ち寄った。
 クレジットカード払いにすると全商品が5%割引になる日だったので、何か安い物があればどんどん買おうと考えていた。でも予想外の暑さの中を走って来たので、些か疲れていた。買い物をそそくさと済ませて早く帰りたいという気持ちもあった。
 カートを押しながら一通り店内を物色して回り、セルフレジへ向かう。私はエコバッグをあまり使わない。折り畳めるリュックサックを重宝に使っている。カゴに入れた物を片っ端から取り出してバーコードを読み込ませ、リュックに詰め込む。そして無事終了。
 最後の支払い画面をタッチしようとすると、見慣れた店員がするするとやってきて「食パンのコードを読み込ませていないのではないですか?」と丁寧に尋ねてきた。はっと気がつくと確かにその通り。一番最後にカゴから取り出した食パンは読み込みをスルーさせてリュックへ入れてしまっていたのだ。これは万引きと同じである。店員はモニター画面を監視しながら、私の動作も観察していたのだろう。素直に謝って一件落着となったが、うーん、後味が悪い。万引きと疑われてしまったかな。でもやっちまったのは仕方がない。帰りの道でつくづく反省した。
 実は、数年前にもこれと似たようなことをしでかした経験がある。袋入りのリンゴ(4個入り)をやはり読み込ませずにリュックへ入れてしまったのだ。これは支払い画面に移る直前にはっと気がついて店員呼び出しの表示をタッチした。やって来た店員に事情を説明して元の画面に戻してもらい、ぎりぎりセーフ。何とか事なきを得た。確か今回と同じ店員だったと思うが、少し不審を持たれた気配を感じたのを今でも記憶している。
 何故スルーしてしまったか。袋入りリンゴも食パンにも共通していることがある。それらは、缶詰やパック入り牛乳などのようにしっかりとした容器には入っていない。だからリュックの中へ入れる際には、なるべく上部へ行くよういつも最後に詰め込んでいる。特にパン類は柔らかいので、リュックの中で押し潰されてしまわないかいつも気にしている。そうすると、傷まないようにすることばかりに注意が行ってしまい、バーコードの読み込み作業の方はおろそかになる。そしてうっかり忘れてしまう。
 そんなこんなで、リュックへ詰め込む際のやり方だけでなく、バーコードを確実に読み込ませることにもしっかり留意するよう改めて心に誓った(少し大袈裟か?)次第である。
 なお万引きまがいのように扱われた食パンは、賞味期限間近の半額値引で90円程度のものだった。半額にされ、さらに犯罪性も疑われた憐れな食パンは、リュックの中で散々な気持ちになったのではないかと推察申し上げている。

ポストする LINEで送る ブックマーク
❤️ ひざポン
ありがとう!

気軽にポチっと
どうぞ(無記名)

コメントはこちらから

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Post Navigation

Copyright All rights reserved. SHINYOKAN PUBLISHING illustration by Nakaoka.K