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 娘の結婚相手が関西の和歌山県出身で、結婚して以来毎年、和歌山の実家から先方のご両親が蜜柑の御歳暮を送って来てくれる。進物用の蜜柑なので実に甘い。毎年12月初旬に有り難く頂戴し、毎日1個か2個食べるようにしている。風邪の予防にもなっている。
 地元のスーパーなどで蜜柑の箱買いをすると、店員がレジで必ず開封して、傷んだものがないかの確認作業をする。これはどこのスーパーでもやっていることだろう。そして傷んで青カビが生えているようなものが1個でもあれば、きちんとそれを取り換えてくれる。スーパーの対応もここまで丁寧にやってくれているのは感心することでもある。
 子供の頃、我が家に御歳暮で届く蜜柑は木箱入りだった。荒縄で縛られ厳重に釘で打たれていた。開けると満員電車のようにぎゅうぎゅうと蜜柑が詰め込まれている。そして、傷んで青カビの生えたものが1個や2個必ず混じっていたものだった。
 ところで、和歌山からの御歳暮蜜柑は段ボール箱で送られて来る。宅配便で届くとすぐに開封して傷んでないかの確認を一応は行う。しかし傷んだものが混じっていることは滅多にない。さらに、毎日食しながら1か月から2か月近くかけて食べ尽くすのだが、その期間に蜜柑が傷んでくるということがこれまた滅多にない。これは驚きだった。
 そして考えた。産地から遠く離れた地元スーパーで売られている蜜柑は、流通の過程で一旦物流倉庫に保管されるのだろう。和歌山から届く蜜柑は産地直送なので保管期間があまりないのではないか。大袈裟に言えば捥ぎたてフルーツみたいなものなのだ。蜜柑の栽培が無理な寒冷の土地に住んでいると、買ったり頂いたりした蜜柑の段ボール箱の中に傷んだものが見つかっても珍しくないし、少しずつ食べていく過程で箱の中の蜜柑が傷んでくることも当たり前のことだった。しかし産地で食べている人にとっては、そんなことはあまりないのだろうと改めて思い知ったのである。

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