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 渡良瀬遊水地という所が北関東にある。栃木・群馬・茨城・埼玉の4県にまたがっているが、大半の面積は栃木県に位置している。ウィキペディアによると、こう書き出されている。
 [渡良瀬遊水地(わたらせゆうすいち)は、足尾鉱毒事件による鉱毒を沈殿させ無害化することを目的に、渡良瀬川下流に作られた日本最大の遊水池である。]
 この文章の中には、最初に遊水地、次は遊水池と「地」と「池」が使い分けられている。「遊水池」にはアンダーラインが引かれていてさらにクリックすると、こう解説されている。
 [遊水池(ゆうすいち)とは、洪水時の河川の流水を一時的に氾濫させる土地のことである。遊水地と表記する場合もあるが、治水機能を表す場合は池を、土地そのものの場所や土地利用を表す場合は地を用いる傾向にある(決まったものではない)。下流の水害を軽減する目的で河川に設置される。土地開発などを通じて設置される小型の調整池とは別物である。設置にあたっては平野部に大面積の土地を確保する必要があることから、土地利用が進んだ日本国内では設置が困難な場合も多い。]
 この渡良瀬遊水地は公園のようになっていて、池の周りは自動車の入れない道路が整備され、そこでマラソン大会が毎年開かれている。私も仲間と何度も参加していた。ある時、仲間の一人がいくつもの案内表示の漢字表記が「遊水池」と「遊水地」のまちまちになっていることに気がついた。どっちが正しいのだろうと考えた訳である。正面入口にある案内板の大きな表示「渡良瀬遊水地」の「地」の文字だけが訂正されたようになっていた。おそらく恐らく訂正シールが貼られる前は「池」と記されていたのではないか。
 ネットで検索すると「国土交通省関東地方整備局 利根川上流河川事務所 渡良瀬遊水池出張所」という国の機関もある。これは「池」である。私のスマホの地図アプリ(iPhone)では「渡良瀬遊水池(谷中湖)」と表記されている。
 私が考えるに、遊水池という治水の池でも普段はあまり水を張っていない場合があるのではないか。そういう場合、「池」を用いるには少し躊躇いがある。豪雨などがあって初めて池らしいものが現われるからである。しかし渡良瀬遊水地のようにいつも水を湛えていてヨットやカヌーができるようなところは、やはり「池」の表記の方が相応しい感じがする。
 専門的には、遊水「地」と遊水「池」はしっかり区別されているのだろうが、これを一般人にも理解させ、使い分けさせるには無理がありそうである。同じ発音で漢字も旁(つくり)が同じである。何かお役所や土木の専門家の自己満足にも思えてくる。「市立」と「私立」を「いちりつ」と「わたくしりつ」と訓読みで読み替えてはっきりと分かるようにする場合があるが、これは万一混同されたら困るから敢えてそのような発音をして使い分けしている訳である。「遊水地」と「遊水池」の使い分け表現は、それが本当に重要なら、目からも耳からももっとはっきり区別される、めりはりのきいた言い回しがあっていい気がする。

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