川柳マガジンクラブ東京句会 第108回例会
第108回川柳マガジンクラブ東京句会が平成27年11月8日に東京都文京区「駒込学園」にて開催されました。出席者はお世話役の植竹団扇さん、松橋帆波さんと大谷仁子、小野六平太、佐道正、高田以呂波、唯夕、辻直子、成島静枝、長谷川渓節、藤原礼子、丸山芳夫、丸山松枝、宮本游子、山口哲、ゆめか、横澤七五の各氏及び星野睦悟朗の18名、欠席投句は城内光子、菊池順風、平井熙、本間千代子各氏の4名でした。
初参加は藤原礼子さん、山口哲さん、丸山松枝さんです。
当日の題と選者、入選句は次の通りです。
Ⅰ、自由吟互選と句評会
句の上の数字は3句ずつ選んだ互選の得票数です。特に活発に意見が出た句等についてはその内容を書き添えます。発言者の前に?をつけたのは、疑問等があって発言した人です。
五輪前解体進むビルラッシュ 仁子
・・・「解体進む」は「建設進む」ではないかとの声がありましたが、作者は更新に向けて次々解体されている実景を詠んだとのことです。
人生の設計狂う不良クイ 渓節
?睦悟朗「クイとカタカナにされたのは何故でしょう」
作者「特に考えませんでした。それにしてもすでにお住いになっている人のことを考えると…」
楕円球は知らない敵前逃亡 游子
・・・ラグビーボールを楕円球としたのが面白いという声の一方、楕円球がラグビーボールのことと知らない人も多数いました。
立ったまま舟漕ぎ転覆寸前 以呂波
・・・作者は電車の中で、居眠りして膝をガクンガクンいわせている人を実際に見て詠んだそうです。
1 善い人を休んで商売繁盛 唯夕
游子「良い人では繁盛しない(お人好し過ぎては難しい)」
?渓節「そんな意味かなあとは思いましたが」
?芳夫「商売繁盛のためには良い人を演じるのではないですか」
七五「寅さんが浮かびました」
作者「良い人をやめるのでは不味いので休むとしました」
1 年末が透けてせわしいカレンダー 静枝
2 春画展皆で見ればときめかぬ 六平太
2 下請けが杭の掟に逆らえず 熙
2 厄介は己と悟り前向きに ゆめか
2 どんぐりを踏んでころんでカラスカァ 順風
以呂波「こういうの好きです。山頭火楓」
芳夫「ちょっと訳の分からないところが面白いです。五七と(下の)五の結びつきが面白い」
?六平太「さっぱり分からないので聞きたかった」
?直子「カラスってお利口さんだからころばないのではないですか」
複数の声「ころんだのは人間ですよ」
欠席の作者のコメント「カラスに笑われました」
2 朝イチのトイレ体調良く分かる 七五
2 患ってもいいよう少し肥えておく 松枝
やや太めの唯夕さんの「まったく賛成」、細い睦悟朗の「最近は太ってないと耐久性がないといわれる」に笑い。
作者「私も太っている方が好きなのですが、医者に言われて3kg痩せたら風邪を引きやすくなりました」
3 沖縄の敵は本土の無関心 光子
3 怖いもの見たさで覗く世界地図 直子
游子「いろんなことで色分けした地図の本を立ち読みしました。日本は小さく、世界にはいろいろあるなあ思いました」
芳夫「世界地図を覗くのを怖いもの見たさとしたのがいいと思います」
哲「楽しいのが普通なのに、こういう表現をしたのが良いと思います」
?正「全然怖いと思わないので・・・」
作者「観光などが話題になっていますが、世界では紛争などがたくさんあり、そんな目で見るようになっています」
3 かなわんよ忙しくてと自慢する 睦悟朗
3 家事以外方向音痴認知症 帆波
直子「よく漢字だけで作る以呂波さんの句かと思いました。家事だけでも方向音痴でないのは素晴らしいです」
礼子「漢字だけでやさしく面白いです」
哲「漢字だけの句は初めて見ました」
作者「作ったらたまたま漢字だけになりました。認知症の人は新しいことが覚えられないし急に何かを思い出したりします。こういう人にどう応じるか、どういうことを担当してもらうか、悩ましいです」
4 話しつつ前に話したなと気付く 正
仁子「前に話したかもしれないけれど、ということもありますね」
静枝「気が付いてといますが、気が付けばよいのですが・・・」
以呂波「認めようか、ごまかそうか、なんて」
睦悟朗「面白いです」
作者「これまでは、前に聞いたなと思っても武士の情けで黙っていましたが、この頃は自分が、あれっ話したな、ってなってきました」
5 ジッパーのように魚の背を開く 芳夫
仁子、游子、六平太、正、ゆめか、松枝らが、「プロの手際の良さが目に浮かぶ、ジッパーの喩えが良い」
作者「テレビの料理教室を見ていて作りました」
6 本物も紛れていそう魔女の群れ 団扇
ハロウィンが終わったばかりだったこともあって、渓節、睦悟朗、七五、直子、唯夕、ゆめかが共感。
作者「東葛句会の帰りに電車で隣りに仮装した人が座りました。良い香りがしました」
7 私より猫は自分を生きている 千代子
渓節「猫は大好きです。マンションで飼えないがテレビなどで見ます。自分と猫を対比して面白い句です」
静枝「あなたは猫派?犬派?と言いますが、私は猫派です。猫が羨ましい」
七五「犬とはありますが猫とつき合ったことはありません。猫は気を使わないということですね」
直子「これが一番好きです。自分を生きる、の表現がいいです」
松枝「羨ましい」
以呂波「私はどちらかといえば猫派です。猫は自分を持っている気がします」
礼子「猫らしい」
ゆめか「犬を飼っていますが、「自分を生きている」が面白いと思いました」
団扇「この句は「私も猫派だが、飼っている猫の方が私よりちょっとだけ・・・ということなのでしょうね」
Ⅱ、宿題は「ざくざく」でゆめかさんの選でした。
選者の弁「初めて選者をしましたが、こんなに大変なのかと思いました。良い経験をさせてもらいました」
「佳作」
落ち葉ざくざく神宮の並木道 松枝
アルミ貨の音ばかりする貯金箱 睦悟朗
大臣になった途端にスキャンダル 正
小銭でも興奮させる掴み取り 帆波
大企業内部留保がざっくざく 渓節
海賊船引き上げ期待膨らます 順風
夢を買い夢の中での大当たり 以呂波
霜柱踏んで冬場へ身構える 七五
ザクザクを嗅ぎ当てるポチ知らないか 団扇
鎌を手に棚田の実り刈り上げる 千代子
正宗の歯毀れ恐い果し合い 游子
新雪を踏んで私の道拓く 睦悟朗
砂浜を駈けて五歳に遊ばれる 七五
ざくざくと太い毛糸で編む帽子 松枝
花咲か爺さんに探知機付きの犬 芳夫
「秀作」
大枚が転がり込んで奈落行 直子
鯛の鱗ざくざくふいて祝い膳 仁子
皇帝の柩を守る兵馬俑 六平太
「特選」
良い婆になって葛籠を開けてみる 游子
「軸」
裏山で小判ザクザク夢を見る ゆめか
Ⅲ、最後に、宿題で特選だった宮本游子さんの出題及び選で五分間吟をやりました。題は「期限」でした。
選者の弁「賞味期限の句が多かったです。ちょっと作りにくい題だったでしょうか」
「佳作」
満期でも定期へ利子は涙金 睦悟朗
禁酒して私の賞味期限伸び 睦悟朗
余命には賞味期限は書いてない 七五
新党の賞味期限は選挙まで 渓節
締切が過ぎると出来る良い標語 以呂波
冷蔵庫安売り買って期限切れ ゆめか
灰になるまではわたくし恋をする 団扇
納税の期限は役所よく守り 正
期限切れ妻が私に先食わす 睦悟朗
門限があるから破りたくもなる 芳夫
「秀作」
この舌が基準と食べてためす母 静枝
酔っ払うまで飲んだことないアタシ 団扇
お別れの期限すぎてもまだ夫婦 静枝
「特選」
この辺でいびつな丸になろうかな 直子
Ⅳ、次回について
日時 : 平成27年12月13日(日) 12時30分開場 13時開始
年末のお楽しみ会で、お弁当、茶菓が出ますので、ご出席の方は事前にご連絡ください。
㋐新葉館宛の場合
新葉館のホームページをご覧ください。
㋑松橋帆波宛の場合
郵送 〒125-0061 葛飾区亀有1-13-1-407 Fax 03-3604-7328
場所 : 駒込学園
内容 : ① 句評会はありませんので、自由吟の事前提出は不要です。
② 句会
宿題「今年を振り返って」3句(句箋は当日)
③ 川柳を使ったお楽しみ行事があります。
Loading...
















































