川柳マガジンクラブ東京句会 第107回例会
第107回川柳マガジンクラブ東京句会が平成27年10月11日に東京都文京区「駒込学園」にて開催されました。出席者はお世話役の植竹団扇さん、松橋帆波さんと小野六平太、城内光子、菊池順風、佐道正、高田以呂波、唯夕、辻直子、長谷川渓節、藤みのり、丸山芳夫、水野絵扇、ゆめか、横澤七五の各氏および星野睦悟朗の16名。欠席投句は大谷仁子、成島静枝、平井熙、本間千代子各氏の4名でした。当日の題と選者、入選句は次の通りです。
Ⅰ、自由吟互選と句評会
句の上の数字は3句ずつ選んだ互選の得票数です。今回0票句と3票句が1句で1票句と2票句が7句という結果になりました。
特に活発に意見が出た句等についてはその内容を書き添えます。発言者の前に?をつけたのは、疑問等があって発言した人です。
判じ絵に一喜一憂テレビ前 絵扇
?渓節「江戸の判じ絵のことでしょうが、句の全体がわかりません」
帆波「店の看板なんかもいろいろあったようですが、何かテレビの番組でしょうか」
団扇「風呂屋が板に「わ」と書いて「沸いた」とかいうような」
作者「江戸時代の判じ絵です。林先生の番組を家族で見ています」
(注)林修が出ているテレビ朝日のTHE 博学という番組のことです。
1 何でパーキンソン どうした神様 唯夕
1 さようなら今度の傷は銭足らず 熙
順風「今度の傷は銭足らずの表現が面白いです」
帆波「今度の傷は、とは、受け入れてのサヨナラでしょうか」
?六平太、絵扇、直子「まったくわかりません」
?睦悟朗「地獄の沙汰も金次第というが「今度の」とはどういうことでしょう」
・・・残念ながら作者欠席でわかりませんでした。
1 独り居の老女へ電話果て探す 仁子
芳夫「元気ですかと電話をかけたら、そんなに親しいわけでもないのに、切れなくなってしまった」
?みのり「果て探すが分かりませんでした」
帆波「私もわかりませんでした。老境の果てを話し合うのでしょうか」
作者「芳夫さんのいう通りです。どこで電話を切ったらいいのか分からなくなります」
1 招致では復興五輪うたってた 千代子
七五「決まるまでは復興復興と言ってました」
帆波「まだ5年、もう5年。物事はこんなに変ってしまった」
千代子「被災地の嬉しい話題は聞こえてこず、オリンピックでかえって遅れている気もします」
1 山頂は邪念の渦が良く見える 七五
1 七色が瞬時の癒し雨上がり 順風
1 DNA私を人気者にする ゆめか
2 水臭いよりも許せる汗臭い 団扇
渓節「ハラスメントにスメルハラスメントというのがあるそうですが、電車の中の香水の方が…、と書いてありました」
光子「面白いと思いました。臭い消しがいろいろありますが、汗を肯定的に詠んでいるのがいいです」
作者「較べただけです。女性の近くで匂いを嗅ぐというのがあります」
2 ご褒美のように呟く「もういいよ」 帆波
七五「今わの際のことでしょうか。私もこう言うのかなあ」
みのり「ホッとする響きです」
団扇「(アリスの)チャンピオンの歌を思いました。介護への感謝でしょうか」作者「頑張れ頑張れの時代が長く続きました。ありのまま受け入れるということです」
2 「薔薇の鬱」総画数はいくつでしょ 正
・・・みんなが数えました。
作者「「の」も入れて62です」
2 語彙不足表現未熟意志未達 以呂波
七五「私のことだなあと思いました」
正「これねえ。(漢字だけの川柳が)本当にうまくなりましたねえ」
作者「先月は意味が通じませんでしたので反省して作りました」
2 ATM拡大機能ついてない 静枝
睦悟朗「拡大って、お金が増える? 目が悪くて、銀行のアシスタントにパスワードも打ってくれって頼んで困らせている人を見ました」
以呂波「本を読むのもおっくうになって、よくわかります」
帆波「スマホ世代が(指でぱっと操作して)拡大しようとするでしょう」(残念ながらこの冗談が
通じない人が多数派でした)
2 夜露死苦と暴走族は漢字好き 六平太
2 天の声「年甲斐もなく」聞こえない みのり
渓節「面白かったです。私の実感と一致」
直子「よくわからないが、年取ってくると何にも聞かなくなりますね」
?睦悟朗「天の声って、田中角栄や小沢一郎の時代かしら」
?芳夫「どういう「 」でしょう」
作者「川柳研究に投句して没になった句です。いろいろ言われても私はやるぞーということです。若い人のやっていることにもどんどん顔を出してみたらよいと思います」
3 CMに野菜を摂れと脅される 睦悟朗
4 頬杖をワイングラスのように突く 芳夫
睦悟朗、絵扇、ゆめか、唯夕が面白い見付に共感。
作者「チョイと無理な比喩と思いましたが四っつも入ってありがたいです。自分でもよく思い付い
たなあと・・・」
4 怪獣の背中を食べるゴーヤ切る 光子
六平太、唯夕、ゆめかが見付けに感心。
芳夫「前に「ゴーヤ見てウルトラマンが飛んで来る」と作りました。同じ考えの人がいるのだなあと心強いです」
作者「昭和29年のゴジラ第一作を見ました。バカにしていましたが素晴らしかったです。昔の人 は志が高かったのだなあと」
5 微生物微力どころか大仕事 渓節
絵扇、以呂波、唯夕、光子、直子が共感。
団扇「日本語の面白さがありますね」
作者「微力だが無力ではない」
5 登れない坂がカルテの裏にある 直子
睦悟朗「衰えて登れないものが増えてます」
順風「整形外科に行ってますが、人生の金属(勤続?)疲労を感じます」
渓節「登れない坂とカルテの裏が面白い。登れない坂がその人の今の状態ですね」
ゆめか「カルテは病気、裏は末期癌?」
みのり「明らかにされていない部分があるということですね」
作者「自分の力ではどうにもできないこともあります」
Ⅱ、宿題
宿題は「掛け算」で辻直子さんの選でした。
「佳作」
掛け算が下手でお金が貯まらない 帆波
ちゃんぽんで飲み掛け算の二日酔い 睦悟朗
黒サギを白サギにする人の口 唯夕
倍々で伸びる会社は良くコケる 正
掛け算で増え困らせる外来種 静枝
負と負掛けプラスになった君と僕 睦悟朗
ニニンガシ英語じゃなんと言うのやら 団扇
掛け算は諳で言えるが惚けている 静枝
ラグビー熱苗字・ポーズが相乗し 渓節
味の掛け算イノシンとグルタミン 芳夫
「秀作」
日々掛け算夭折の画家駆け抜けた 光子
切れ者の会話は掛け算で弾む 芳夫
1×1の夫婦よ同体よ 千代子
「特選」
貧困に偏見掛けて出る差別 七五
「軸」
早起きは損かもしれぬ暖房費 直子
Ⅲ、五分間吟
最後に、宿題で特選だった横澤七五さんの出題及び選で五分間吟をやりました。題は「職人」でした。
「佳作」
江戸切子技術打ち込む芸の技 ゆめか
職工と呼ぶな私は労働者 団扇
職人肌の選手は打たぬホームラン 正
北斎の春画に魅入る人を見る みのり
屋根塗装夫の技にまかせてる 絵扇
庭職人煙草の隙に枝を切る 団扇
ベテランの裏技ロボットには出来ぬ 睦悟朗
職人の指センサーになっている 正
棟梁の目の子勘定隙が無い 団扇
「秀作」
木材と話ができる宮大工 光子
神様を宿らせている指の腹 帆波
日本の技を支える町工場 順風
「特選」
残り火を焼き切るように茶わん焼く 直子
「軸」
溶接の火花に未来照らされる 七五
Ⅳ、次回について
日時 : 平成27年11月8日(日) 12時30分開場 13時開始
場所 : 駒込学園
内容 : ① 句評会
事前に自由吟を1句提出してください(既発表作品も可)
㋐新葉館宛の場合 10月末締め切り
新葉館のホームページをご覧ください。
㋑松橋帆波宛の場合 1週間前締め切り
郵送 〒125-0061 葛飾区亀有1-13-1-407
Fax 03-3604-7328
② 句会
㋐宿題「ざくざく」3句(句箋は当日)
㋑時間があれば五分間吟など
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ご無沙汰しています。
詳細なレポートで和やかな句会風景がよく分かります。こんな句会なら出てみたい(^o^)
北海道に住む者としては下記の句に共感しました。
早起きは損かもしれぬ暖房費 直子
次回の句会レポート楽しみにしています。