川柳マガジンクラブ東京句会 第99回例会
第九十九回川柳マガジンクラブ東京句会を東京都文京区の「駒込学園」にて開催しました。出席者はお世話役の植竹団扇さんと大谷仁子、加藤品子、菊池順風、城内光子、佐道正、高田以呂波、唯夕、藤原栄子、本間千代子、丸山芳夫、宮本游子、村田倫也、横澤七五の各氏及び星野睦悟朗の十五名、欠席投句は、小野六平太、白子しげる、成島静枝、長谷川渓節、松橋帆波、水野絵扇の六名でした。大谷仁子さんは当会初参加ですが以前川柳マガジンクラブ茨城句会に出られていて、東京に引っ越されたのでこちらに来られるとのことです。当日の題と選者、入選句は次の通りです。
Ⅰ、自由吟の互選と句評会
句の上の数字は3句ずつ選んだ互選の得票数です。今回は0点句は丸山芳夫さんと宮本游子さんがコメントをしました。特に活発に意見が出た句等についてはその内容を書き添えます。発言者の前に?をつけたのは、疑問等があって発言した人です。
なお欠席された松橋帆波さんの「各句に対するコメント」を配布してから始めました。
掠り傷特効薬は母の唾 唯夕
キメラマウス如何やら猫がいたらしい 品子
?睦悟朗「キメラマウスがわかりにくいと思います。昨年小保方さんの件で騒がれました。特に山梨
大学の若山教授がSTAP細胞として受け取ったものから、二つの異なる遺伝子を持つ個体(キメラ
マウス)を作ったとしましたが、元の細胞が違うものでした。このことを猫がいた、つまり間違いを露
呈した、と言ったのだろうか」
?仁子「キメラマウスがわかりませんでした」
?光子「わかりませんでした」
游子「キメラマウスがわかりませんでしたが、帆波さんの解説でわかりました」
芳夫「わかりにくい句ですね」
倫也「マスコミの報道であっても素人にわからないものを句に出すのはいかがなものでしょう」
作者「私はこの事件に興味や関心があって、監視付きでやったら出来なかったことを、研究室の中に
猫がいたのでマウスが消えた、と詠みました」
元旦の平和言祝ぐ兜太選 団扇
芳夫「知っている人ならわかるのでしょうが」
游子「金子兜太ですね。イメージはわきますが」
?睦悟朗「社会派と言われる金子兜太ですから、どこかの新聞などの選でこんな俳句を選んだので
しょうか」
作者「句評会ですからうまい下手よりも議論になりそうな句を出しました。東京新聞で「平和」という
題で募集しているのです」
1 年の瀬の別れ話で年が明け 絵扇
1 占いに一喜一憂する私 栄子
1 路上者の缶に弾んで札入れる 仁子
栄子「私はホームレスの缶に入れたことがあるので選びました」
?唯夕「路上者とは不明確ですので引っかかります。ストレートパフォーマンスもありますし」
?倫也「ホームレス、青テントなどは差別語で使えないのでこういったのでしょうか。「弾む」もよくわ
かりません」
みんな口々に「お小遣いを弾む、お年玉を弾むとかいう弾むでしょう」
作者「いつも通るところにホームレスがいて、思い切って千円を入れました」
1 試合前君が代歌い闘志消え 光子
1 先々の事はさておき今日の事 倫也
1 俺ってさあ目標ないととんとダメ 順風
2 読む時間出来た歳には目が弱り 以呂波
正「非常に良くわかります。最近気力がなくなって、実感句です」
倫也「右目がダメなのでとてもよくわかります」
団扇「「目が弱り」の表現がいいですね」
作者「現役の時に買いこんだものが、字が小さくて困ります」
2 団塊は終の棲家も団地風 六平太
2 不運だと思えば不運運不運 帆波
2 青春が匂う体育館の裏 芳夫
3 ちょっぴりと邪心も混じる神頼み しげる
3 大願を背負い達磨は目が疼く 七五
睦悟朗「実家ではお正月に毎年新しいだるまを求めて片目を入れ、暮れにもう一方の目を入れて納めていた。願い事がかなってもかなわなくても目は入れていたが、本来願い事がかなったらもう一方の目を入れるので
「疼く」はわかります」
游子「身の程知らずの願いをかけられて疼くのではないですか。間違って当選したら入れてもらえるでしょうが」
品子「達磨を句にしたのが面白いです。目が疼くがいいですね。
作者「帆波さんのコメントでは焦れている、と書いていますがそういうわけではなく、私の家でも睦悟朗さん
のようにしていましたので、達磨の身になって作りました」
3 勝てば腕負ければ運のせいにする 睦悟朗
3 マネキンの裸 たった今何か売れ 千代子
順風「頭に何も被っていないとドキッとしますが、裸ですか」
芳夫「たまにあります。売れたんですね。面白いのを見付けましたね」
正「見付けが面白いです」
作者「上下裸のマネキンがありました。暮れで忙しくて着せる暇がなかったのでしょう」
倫也「一字空けの意味は何ですか」
作者「空けた方がはっきりすると思います」
正「空けた方が良いと思います」
3 限定の二文字が財布誘惑し 渓節
3 客待ちの時間はスマホ占い師 静枝
睦悟朗「とうとう占い師までがスマホねえ。面白いです」
唯夕「スマホと占い師、ギャップが面白いです」
千代子「不易流行と流行を組み合わせて面白いです」
?芳夫「言葉の並び、スマホ占い師が引っかかりました」
団扇「「は」がいいです」
5 話しつつ前にも話したと気付く 正
游子、以呂波、千代子、栄子、倫也らが時々ある、よくある、などと共感。
団扇「自分のことなのが面白いです」
作者「しまったと思うのですが、途中でやめられず話してしまいます」
5 酔っ払いは出さない酒のコマーシャル 游子
睦悟朗「面白い」
芳夫「二日酔いの薬のコマーシャルなら出てくるのでしょうが」
千代子「お酒のコマーシャルはリアル感ないです。きれいな女性とか、おいしそうな酔っ払いとか」
光子「その通りだけど面白い」
正「悪酔いして戻しているようなのはないわなあ。「出ない」でなく「出さない」が面白いですね」
Ⅱ、宿題
宿題は「天」で佐道正さんの選でした。
選者「非常に良い句が多かったので佳作を15句としました」
「佳作」
天を刺す一線解れ茜雲 仁子
天和と歓声あげたのにちょんぼ 団扇
天国と思う女子大文化祭 順風
口癖はお天道様が見ているよ 以呂波
天丼も竹を頼んで様子見る 唯夕
御天気屋明日豹変上機嫌 以呂波
天の美禄旨く飲むのがエチケット 千代子
電車では行けぬはやぶさ宇宙の旅 渓節
天国は退屈そうで遠慮する 倫也
養育費かけぬ天然何故高い 唯夕
天災は忘れなくてもやってくる 渓節
天の声百論切って議事締める 七五
天命に逆らい寿命引き延ばす 倫也
遺伝子が弾け天才と呼ばれ 品子
外れても馬も天気も謝罪なし 光子
「秀作」
天性のボケが加齢で磨かれる 睦悟朗
煽てても豚は天まで登れない 団扇
天井の木目で遊ぶ風邪の床 光子
風船は早世の子か天が吸う 芳夫
「特選」
天使抱き妻から母へ脱皮する 睦悟朗
軸 予報士の不倫に天気荒れ模様 正
Ⅲ、五分間吟
最後に5分間吟を行いました。星野睦悟朗の出題及び選で、題は「温もり」でした。
「佳作」
温もりを探して猫が移動する 仁子
野良猫を炬燵がわりに抱き寄せる 倫也
しもやけの手を温めるあなたの手 光子
かまくらの中は氷点下も平気 芳夫
灯油車が幸せそうな曲で来る 芳夫
房総の温暖花めぐりへ誘う 千代子
参加賞甘酒が出る寒稽古 順風
エイヤーと声あげて出る冬布団 正
くぐもった窓に生活者のあかし 品子
温情の判決裁判官の名を覚え 千代子
あの人の帰った後の席が好き 游子
「秀作」
酒でなく僕を温めてほしい肌 正
手をつなぐ妻の温もり弱くなる 七五
潜り込む君の温もり残る床 団扇
「特選」
改めて女だと知る握手の手 品子
軸 心までほっかりとして膝枕 睦悟朗
Ⅳ、その他
新葉館の竹田麻衣子さんから、今年柳樽250年に当たるので、記念式典句会や新世紀柳樽(仮称)の発行などが計画されているとの紹介がありました。
Ⅴ、次回について
日時 : 平成27年2月8(日) 12時30分開場、13時開始
場所 : 駒込学園
内容 :
① 句評会
事前に自由吟を一句提出してください。
宛先 ㋐新葉館宛の場合 1月末締め切り
新葉館のホームページをご覧ください。
㋑松橋帆波宛の場合 2月2日まで
郵送 〒125-0061 葛飾区亀有1-13-1-407
Fax 03-3604-7328
メール honamikp61@gmail.com
② 句会
㋐宿題「梅」三句(句箋は当日)
㋑時間があれば五分間吟など
ただし、第100回なので内容は変更の可能性があります。
2月は、年1回くらいあった非公式の会を除いて、通算100回目になりますので、できるだけ多くの方のご参加をお願いします。
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句に対する皆さんの感想を楽しく読ませて戴きました。それぞれ捉え方が違うのが面白い。句を詠むのも大変ですが、読解力も感性が問われますね。むしろ読み取り方で柳子の実力が分かるかも・・・。
今回も東京句会実況放送?アップありがとうございました!来月の100回例会レポートも楽しみにしています。
無冠帝さん
コメントありがとうございます。
一件でもコメントがあると書く張り合いがあります。
いつものことですが、これを書くのは大変だろうと感心しています。
でも、皆様の力作に感動して、私もこんな風に詠めればいいなあと、読ませてもらっています。ありがとうございます。
路上者の缶に弾んで札入れる 仁子
温もりを探して猫が移動する 仁子
大谷仁子さん東京初出席はよかったです。引っ越してから一度お邪魔しましたがとってもいいところにお住まいです。
茨城句会はさびしくなりましたが東京のみなさんどうぞよろしく。
限定の二文字が財布誘惑し 渓節
女心のようですが男性もそうなのかな? し止めがおしい。
閑宝さん
コメントありがとうございます。
コメントをいただくと本当に張り合いが出ます。
太田紀伊子さん
嬉しいコメントありがとうございます。帰りに地下鉄のホーム間でご一緒しましたので「すごいところにお住いですねえ」などと話題にしました。
次回、コメントをいただいたことを仁子さんにも伝えます。
渓節さんの句のし止めは、句会の席上でも問題になりましたが、作者欠席でしたので、ブログには書きませんでした。