川柳マガジンクラブ東京句会7月例会
第93回川柳マガジンクラブ東京句会が東京都文京区「駒込学園」にて開催されました。出席者はお世話役の植竹団扇さん、松橋帆波さん及び伊藤三十六、小野六平太、小川正美、加藤品子、菊池順風、白子しげる、高田以呂波、唯夕、長谷川渓節、平井熙、藤原栄子、本間千代子、丸山芳夫、村田倫也、横澤七五、米林拓の各氏及び星野睦悟朗の19名、欠席投句は、佐道正、成島静枝、藤みのり、水野絵扇、ゆめか各氏の5名でした。
Ⅰ、自由吟互選と句評会
各句の上の数字は互選の得票数です。
ゼロ票の句は植竹団扇さんと松橋帆波さんがコメントしました。
注目を集めた句について、やり取りの概要をそれぞれの句の後に記述します。発言者の頭に?を付けたのは疑問や質問を述べた人です。
隠居しか坊ちゃん止めぬ自民党 渓節
帆波「石原環境大臣のことか」
団扇「石原さん、安倍さん、2世議員多いですね」
作者「議員をやめた、戦争の怖さを知っている人しか何かを言わないです」
年金で遣り繰る愚痴に団子虫 睦悟朗
からだ還暦あたまは喜寿で生きてます 絵扇
ホームズリメークカタパルトの謎解き 品子
?六平太「よくわかりません」
?三十六「八、十の破調で何とも言いようがありません」
?千代子「単語の意味はなんとかわかっても、句としてわかりません」
団扇「みんなが分からないのに快感を覚えるのでは」(笑い)
作者「AXNミステリーというミステリー専門チャンネルでシャーロックホームズ
のリメーク版をやっています。その中でカタパルト(機関銃)のようにバーッと喋
ます」
1 願わくばついてゆきたい三毛の後 みのり
芳夫「願わくばはなくてもよいと思いますが、素直な気持ちだと思います」
団扇「実際は屋根に登ったり、ついていけない(から願わくば)」
1 ときめきが孵化して見せる下心 正美
順風「卵からヒヨコに帰るのは嬉しいことなのに、下心とは。禁断の恋でしょうか」
帆波「ときめきのころは可愛いが、孵化すると下心を持つということでしょう」
団扇「ときめきは純真、しかし実はそんなに美しくないのだよ、ということでしょう」
芳夫「見せるがもったいない気がします」
渓節「同じです。見せるが引っ掛かりました」
作者「妄想です」(笑い)
1 記念日を描いた手帳が見透かされ 熙
1 止み間縫う筈が土砂降りに捕まる 以呂波
1 差しかけた傘押し返す低気圧 団扇
1 パスポート免許証より目立つ皺 正
帆波「パスポートの方が免許証より大きい写真だからではないですか」
拓「単純に羨ましいと思いました。パスポートを使う回数が多くて皺になったと」
欠席の作者のコメント「パスポートの写真を見て(どうやら大きさのことらしい)」
2 山開きアルプス急に近くなる 七五
2 外面の良い亭主だと妻知らず 栄子
2 スパンコールあなた色にと変えて見る ゆめか
熙「夫婦ではないと思います」
渓節「こういう句が詠めるようになりたい、というあこがれで選びました」
帆波「スパンコールは色がついていてもそれ自体が輝くわけではないので「あなた色」
という表現が生きてくるのです」
2 日焼け止め俄か役者の出来上がり 順風
千代子「男性のスキンケアをやっていました。美しい男性を女性が好む時代なのか」
唯夕「ゴルフ場で白塗りの男性が増えているのをやゆしたようです」
作者「白っぽく塗っているのを見て役者さんみたいだなあと思いました」
3 日本中ブルーになった白昼夢 三十六
正美「ブルーと白の対比も面白いです」
睦悟朗「今回はよくテレビ観戦しました。16強には行くかなあと期待しました」
栄子「勝つ勝つと言っていたのに残念でした」
唯夕「あれはあまりにも騒ぎ過ぎ。でもブルーになるほどではないとも」
三十六「私はサッカーファンなんですよ」
3 住みにくい街並みですが文化財 静枝
3 餡パンが一番売れるベーカリー 唯夕
芳夫「手の込んだパンより商いの原点をいっていてよい」
熙「長くやってこられた店、という感じ」
六平太「読んだだけで面白い句と思う」
倫也「餡パンとベーカリーの言葉の対比が面白い」
作者「名古屋のブルーデントいうドイツパンの店のイメージですが一般にもそう
なのではないですか」
3 右向け右 直れの声が聞こえない 六平太
以呂波「時事吟ですね。猪突猛進で恐ろしいです」
順風「集団的自衛権の時事吟ですね。うまいと思います」
渓節「自分の句と比べてこちらの方がより普遍的に今日を批判している」
?倫也「右傾化を批判する句が多くてげんなりしている。平和ボケではないか」
帆波「右傾化をそのまま作るのは安易で作りやすい。欧米の状況をそのまま持って
くることに齟齬はあるでしょう」
団扇「安直かどうかは議論のあるところですね」
作者「マスコミも含めてそういう風潮で、歯止めを掛けずに容認している気がします」
4 どんな鍋だろうと葱の助演賞 芳夫
選句した品子、七五、三十六、以呂波とも「助演賞」が良いとの意見。
作者「葱が好きなのでこういう句が出来ました」
4 夫婦ではないな会話がはずんでる しげる
選句した正美、拓、七五らよくわかり、面白い句とのことでした。
三十六「中年男女が腕を組んで歩いていたら不倫だ、といいます」
団扇「夫婦が腕を組んで歩かないから仲が悪いわけではないですよね」
作者「一か月くらい前に食事をしていたら、不自然に会話がはずんでいる気になる
二人ずれがいました」
4 女ってまったく嫌という女 千代子
しげる「男が好感を持つ女性と女性が好感を持つ女性とだいぶ違うのでは」
睦悟朗「面白い句です」
順風「そう言っているのが女というのが面白い」
倫也「他人のことなら自己顕示とも取れて面白い」
作者「ごたごたがあってある会をやめた友達が電話でこう言いました」
?拓「女の人は一般にこういうことを思っているのですか。それとも男っぽい人
ですか」
作者「男っぽい人ではありません」
三十六「ほとんどの女性はこういうところがあるのでは」
団扇「性差ってありますね。軽く詠んでますが突き詰めると深いでしょう」
5 待っている妄想 逢っている虚像 帆波
以呂波「どこにも実像が出てこないのが面白い」
拓「反対の言葉ではないが同じ言葉ではない面白さ。言葉遊び的なリズムもよいし、中味も深い」
正美、千代子「妄想、虚像が面白い」
品子「仕立てが面白い」
?倫也「まったく絵が見えません。難しい言葉を使ってたぶらかしてやろう感じが
します」
団扇「空想でなく妄想、会ってみると実像でなく虚像なんですね」
作者「待っているときはいろいろなことを考えますが、会っているとどこか見栄を
張っている」
6 忘れたい事が時折牙を剥く 倫也
七五「人間の心の中にある本質的なもの。悔しい思いをしたとか」
しげる「こういうことはありますね。忘れたい事が何かの折に出てきて、腹が
立ったりとか」
千代子「忘れたいことは忘れたいと意識しているから出てきます。女の執念など」
渓節「しげるさんと同じ。そう言うことがあります。牙を剥くがすごい」
唯夕「忘れたいのは恥ずかしいことが多いです。牙を剥くが良い」
栄子「すでに認知症になりかかりかと思いますが、こういうことはあります」
作者「ふとした折に牙を剥く、ことがあります」
Ⅱ、宿題
7月の宿題は「紫」、3句詠で松橋帆波さんの選でした。
選者から「助六、紫外線殺菌、僧衣、紫陽花、紫の上、源氏の君などがたくさんありましたが、もう少し突っ込んでほしかったです。それでも着想の面白い句がありましたので、佳句を15としました」
〔佳作〕
楊枝黒 醤油紫 生後赤 以呂波
虹の色赤橙黄緑青藍紫 唯夕
静脈が浮く永年の立ち仕事 芳夫
恋人におねだりしてるアメジスト 栄子
帆波「ストレートで良い」
糠床の古釘かもす茄子の艶 六平太
嫌いです中途半端な色だから 米林
悪いことしているような紫煙の輪 三十六
「実感句ですね」の声あり。
濃い口薄口しょう油は色で計られず 千代子
のり平は江戸むらさきに名を残す 団扇
白粥も江戸紫で舌は癒え 唯夕
紫蘇の葉に巻いておきましょ隠し事 みのり
帆波「なんとなく面白い」
紫の関門着こなしてレディ 品子
禁煙に押され紫煙が死語になる 睦悟朗
紫外線昔は浴びろ今避けろ 以呂波
帆波「日光浴はむかしは健康の代名詞みたいでしたが」
紫を纏う度胸を試される 倫也
〔秀作〕
紫の衣を脱ぐと只の人 倫也
紫のサプリ飲んではスマホ見る 睦悟朗
オオムラサキちょっと立寄る御用邸 順風
〔特選〕
地球儀に染み込んでいるソイソース しげる
軸 紫の似合う女と月堕ちる 帆波
Ⅲ、五分間吟
最後に5分間吟を行いました。題は「はったり」で、 白子しげるさんの出題、選でした。
選者から「とらえ方がいろいろありました。難しい題だったようで、句を見て勉強に
なりました」
〔佳作〕
泣いてない涙じゃないと坊や泣く 睦悟朗
はったりで萎えた元気を呼び戻す 七五
金相場高値ですよとひっかかり 栄子
国民の命守ると言う総理 渓節
金持の振りしてにじり寄ってくる 倫也
カッパだと言って彼女の浮きを取り 品子
警察の方から来たと物を売り 帆波
おごるよと言って立食いのれん押す 品子
イケメンの足取りで出る映画館 品子
暗がりで組の者だと低い声 三十六
俺だって二十歳の頃はなんて嘘 睦悟朗
豪邸と言って狸の覗く窓 品子
〔秀作〕
儲け話それは家族に言いなはれ 順風
魚拓にはしない釣果を誇張する 三十六
御先祖の成功談をひけらかす 倫也
〔特選〕
あなただけ甘い言葉で来るメール 順風
軸 虚勢貼ることを止めたら楽になり しげる
Ⅳ、次回について
日時 平成26年8月10日(日) 12時30分開場、13時開始場所 (駒込学園ではありません)
常連の皆さんには植竹団扇さんから連絡します。
連絡がない方は、松橋帆波さんなどにお問い合わせください。
- 句評会宛先 ㋐新葉館宛の場合 7月末締め切り ㋑松橋帆波宛の場合 8月5日まで Fax 03-3604-7328
- メール honamikp61@gmail.com
- 郵送 〒125-0061 葛飾区亀有1-13-1-407
- 新葉館のホームページをご覧ください。
- 事前に自由吟を一句提出してください。
- 句会
- 宿題「じりじり」三句(句箋は当日)
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