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川柳マガジンクラブ東京句会10月例会

10月14日(日)第74回が開催されました。
今回の参加者はお世話役の植竹団扇さん、松橋帆波さん含め18名、欠席投句が12名、合計30名でした。
1、川柳マガジン10月号から入選者紹介
帆波さんから各投句欄の上位入選者などの紹介がありました。
川柳道の佳作トップ「別姓の日から化粧の乗りがいい  白勢朔太郎」には、離婚だろうか、別居だろうか、仕事上の都合だろうかなどわいわい。結論は離婚でした。
そのほか、印象吟特選の帆波さん、新鋭柳壇秀作3のしげるさん、Web句会特選の千代子さん、回文川柳特選の大仏さん、ゆみ子さん、読者柳壇秀1の游子さん、川柳マガジンクラブ誌上句会客のしげるさんなどです。
回文川柳には、どうやって作るのだろうという声が何人かから上がり、誰かが「真ん中(中七)を作り、前後を考えます」と言っていました。
2、小倉利江さんが句集出版
 千葉県川柳作家連盟創立50周年記念出版の事業の一環で句集を出されて、出席者に1冊ずつ贈呈してくださいました。冒頭の章は「3・11を悼む」で、
「高齢なこともあり、あの震災に際して何も出来ませんでした。つきましては、ご賛同いただける方はお一人100円以上の寄付をお願いします」とのご発言でめいめい寄付をされました。
3、自由吟互選と句評会
句評会は出席者が3句ずつ選びますが、結果はゼロ票9句、一票8句、二票6句、三票4句、四票2句、五票1句でした。
今回も、句評会の互選ゼロ票の句は掛け合いで論評しました。伊呂波さんと大仏さんが担当しました。
 なお、疑問符をつけた人の発言は「?柳名」のように記述します。
3・1、ゼロ~一票の句より
  今回は、票は少なくても席上で「侃侃諤諤」という句がありましたのでそれらを取り上げてみます。

   痛くならないと飲めない痛み止め  芳夫
大仏「痛くなっても飲まない痛み止めもあるのでは・・・」
伊呂波「どういう状況かわかりません。飲まないでなく飲めないがわかりません」
?倫也「ギクシャクしているが、どういうことか作者に聞いてみたい」
団扇「医者が「痛くなったら飲みなさい」といって渡した頓服薬のことですよ」
帆波「強い薬だから、制限されているのです」
作者の芳夫「使わないに越したことはないのですが、飲んでみたい気も残ります」

   健康は二の次母のシフト表  帆波
順風「いろんなことを考えさせられます」
?唯夕「よくわかりませんでした。介護のことかな。健康とのつながりが・・・」
団扇「勤務表のことですよ」
 パートさんなどの取りまとめ者は休みの人などが出ても仕事に差し支えないようにシフト表を使って調整する。間に合わなくて自分が勤めることも起こる。ということがわからなかった筆者をはじめ多くが説明を聞いて「納得」
作者の帆波「女の人はたいしたものだと思います。女性・母は凄いと思います」

晴れマークばかりはないと生きる道  静枝
伊呂波「人生甘く無いと言っているのでしょうか。ちょっとわかり難いです」
大仏「晴ればかりではないといっているのでしょう」
?睦悟朗「何故「と」としたのかがわかりません」
?倫也「「生きる道」が道句的に見えます」
団扇「「晴れマーク」と言う言葉はちょっと面白いのですが、道句的ですね」
帆波「晴れ=善とやってしまうと川柳としては面白くなくなりがちです」

   サーブする球が一瞬空に融け  順風
伊呂波「情景が浮かび楽しそうだが、それだけの気がします」
大仏「名サーバーで球が見えなくなったのでしょうか。テニスでしょうか」
?芳夫「サーブする球でなくサーブした球(が速くて消えた)ではないですか。何の競技でしょう」
帆波「サーブのトスを高く上げて一瞬空に球だけが舞う状況でしょう」
作者の順風「ソフトテニスでサーブのときに1mくらい上げると青空に吸い込まれそうになります」
団扇「青空に吸い込まれてくトスアップ  ですね」

介護する光る貴女の優しい手  栄子
絵扇「介護してくださる方の中には凄く優しい方もいて、母も言ってました」
団扇「光るあなたの優しい手、の「光る」がどこにかかるのかあいまい」
倫也「光るとやさしいでダブっています」
帆波「全部の言葉がプラスなので標語っぽくなってしまっています」
作者の栄子「見聞したことを作りました」

   淋しい旅だグリーン車だけが空いている  朔太郎
大仏「グリーン車だからよいではないですか」
伊呂波「グリー車は羨ましい」
?睦悟朗「上五とその下の関係がわかりません。ご自分はグリーン車にいるのでしょうか」
?芳夫「最近はグリーン車のほうが先に売れることがあると聞いているので、ちょっと違うかな、と」
倫也「寂しい顔の空の特急 という句がありましたが」
帆波「最近はバスに変わってしまった客も多いので淋しいのでしょうか」
団扇さんが冗談で「(毎回新潟から句会に)グリーン車でおいでになる朔太郎さんに聞いて見ましょう」
作者の朔太郎「いやいやグリーン車は一回しか乗ったことがありません。先輩に誘われて乗りましたが、他に誰も客がいませんでした」

   尖閣島神風一発吹けばいい  くんじ(欠席投句)
大仏「ものすごくいいことを言ってくれたので取ろうかと思いましたが中が八音なので取りませんでした」
以呂波「少し考えてああそうかとわかりましたが、流れが悪い気がしました」
帆波「日中のごたごたのことですね」
三十六「中八解消なら  尖閣に神風一つ吹けばよい  とすればいいです」
団扇「でも作者は 一発 と言いたかったのでしょう」
3・2、二、三票の句より
 こちらも侃侃諤諤で、何を詠むか、どう詠むかを考えさせられる句もありました。

   被災者を卒業 被災地で生きる  こいし(欠席投句)
三十六「一字空けにものすごく深い意味があり、時間空間があって一字空けが成功した例だと思います」
朔太郎「私も一字空けの良さを感じました。被災者を抜け出したことを詠った「卒業」も良いと思います」
芳夫「いつまでも甘えていられないという意思を感じました」
?倫也「自分のことではないのにこういう重いことを句にしたのは如何かと思いました」
団扇「被災者は自分で決めたことではないでしょう。決意を詠ったと思います」
?利江と帆波「卒業はありえないのではないでしょう
か。」
帆波「三宅島でさえ未だに一部しかは帰れてないしその人達も生活が十分鳴り立っているわけではありません。多くの人は帰れないでいるのです。作者ご本人は作って(詠んで)よいか悩んだといいます」
作者のこいしさんのコメントより「養殖いかだ作りの手伝いに気仙沼に行きました。そこで、私たちはここで生きて行きます、というのを聞いて作りました」

   見学を見学される人力車  団扇
三十六「面白いからいただきました。雷門で見ていると面白いです」
芳夫「自分が乗って、それをまた見られている。一度読んだときはよくわかりませんでした」
?朔太郎「芳夫さん同様よくわかりませんでした」
三十六「見物という言葉が良いですね」
ざわつきを聞いていると浅草寺の雷門近くの風景を思い浮かべて本当にそうだと思った人も多かったようですが、こういう情景を目にしたことがない人にはわかりにくかったようです。

   何もかも遠い所で待っている  游子
唯夕「何もかもがちょっと面白いです」
順風「受身的でよいですね」
?睦悟朗「具体的になんだろうと思ってしまいました」
?朔太郎「私もそう思いました」
?利江「私もそうでした。はっきりした言葉を一つ入れないと。また何故遠いところなのか」
?芳夫「何もかも待っているのが、私を待っているのだろうか、主語がないので」
三十六「作者もわかっていないのではないでしょうか。遠いところはあの世ではないですか」
団扇「漠然とした期待がたくさんあるのでは」
作者の游子「三十六さんのおっしゃる通りです」

   独り居の行方案ずる午前二時  桃葉
睦悟朗「夜中に目が覚めたらこんなことを考えてしまう、寂寥感がひしひし伝わります」
倫也「独り居の親を心配しているのではないですか」
団扇「「誰が」に、二通りありえますが自分だと思います」
絵扇「午前二時は丑三つ時にかけているのでしょうか」
帆波「午前二時は別の表現もありえますが「二十六時」は何かやらなければならないことがあるときの表現、「深夜二時」は起きて居ての到達時刻、午前二時は目が覚めたら、ということになります」
作者の桃葉「この句は自分の事です。目が覚めて眠れないときにいろいろ考えてしまいます」

3・3、高得点句
 まず四票句2句です。
腰骨の帯が江戸っ子ですと言い  品子(欠席投句)
大仏「いなせな江戸っ子の姿が見えて良いと思いました」
利江「お芝居の舞台などでのこういう姿がとても好きです。昔から大好きです。着流しが好きです」
唯夕「きりっと苦みばしり、という感じ、よいです」
以呂波「粋な感じがいいです」
?睦悟朗「結びが「言い」ですが「言う」とはどう違うのでしょう」
帆波「この句は「帯」が言っているので「言い」です」
芳夫「江戸っ子だと「です」でなく「でぇ」でないとあわないです」
作者の品子さんのコメント「三社祭などでびしっと決めているのが素敵です」

   墓のない私にも咲く彼岸花  ゆめか(欠席投句)
三十六「墓のない人が多い。この人は墓参りに行ったときに感じた切ない感情を詠っています」
利江「今年は咲くのがずれましたが、彼岸花は普通きっちりと彼岸に咲きます。私は俳句的情念を感じました」
倫也「彼岸花の句はたくさんありますが「墓のない」には驚きました。「私が咲かす」ではどうなるでしょうか」
大仏「今月何句かある抒情詩的な句の中で一番と思いました」
帆波「「墓のない」がユニークですね」

 そして最高得点、5票句です。
転ぶたび嘘が上手になる達磨  三十六」
睦悟朗「ちょっと教訓的ですが、うまいなあと思いました」
栄子「うまいです」
しげる「私もうまい句だと思いました」
大仏「七転び八起きに対して、嘘がうまくなるが面白いです」
帆波「選挙事務所の達磨を思い出しました」
作者の三十六「嘘シリーズの中で、すっとできた句です」

4、宿題の課題吟
課題は「あぶく(表現自由)」で、宮本游子さんの選でした。
選者のお話「やはりしゃぼん玉、ビール、夢、バブル、などが多かったので、選ぶのに苦労しました。着想の重ならないものを選びました」
「佳作」
ぶぶぶぶぶあぶくの赤児歯が出るぞ  大仏
仲裁が水泡に帰す意地と意地  しげる
泡吹いて凄む毛蟹の断末魔  三十六
口角につばきを飛ばす子の主張  桃葉
通風の覚悟を迫る麦の酒  団扇
驟雨止みあぶくが消えた水溜り  唯夕
死神に肩を叩かれ泡を喰う  六平太
銀行は厭だと行かぬあぶく銭  しげる
ジャグジーが文句も言わずツボを押し  静枝
おならして跡形もないジェットバス  芳夫
発酵の菌お喋りなワイン倉  利江
シャボン玉吹いて童話の空にする  利江
「三才」
単身者金魚のあぶく見てあくび  正
泡立て器このくやしさが分かるかい  朔太郎
北極の氷ぶつぶつ言い始め  こいし

軸  リフレイン湖底で誰か歌ってる    游子

5、3分間吟
最後のお楽しみは、いつもは特選の方に出題、選考をお願いしていますが、三才の皆さんが欠席投句、所用ありということで小倉利江さんに3分間吟の出題と選をお願いしました。
課題は「澄む」でした。
「佳作」
澄む水の中に棲めない嘘の山    帆波
澄んだ目で嘘をついてる姫達磨    三十六
   句評会の三十六さんの最高得点句を思い出してみんなから笑いが起きました。
どうしてと聞く幼子の目に惑う    帆波
東京に富士が近寄る冬の空    芳夫
心澄む母の教えを思い出す    唯夕
水澄まし次の五輪を狙ってる    三十六
澄み渡る空の向こうも虹だろう    帆波
「秀作」
澄んだ水過疎の幸せかみ締める    桃葉
古里に草笛響く澄んだ空    睦悟朗
澄み切った空には迷いなどはない    倫也

 次回の東京句会は11月11日(日)駒込学園にて開催です。
 課題吟は「巨大(表現自由)」三句詠です。
 詳しくは、新葉館のホームページをご覧下さい。

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