川柳マガジンクラブ東京句会10月例会
10月9日(日)第62回が開催されました。出席者24名、投句11名、合計35名でした。久しぶりに南野耕平さんが参加されました。
今回も、句評会でゼロ票だった句で、誰も質問したいという印をつけなかった句は掛け合いで論評しました。今回は白勢朔太郎さんと石崎流子さんが担当しました。今回はユーモア句が多く、より楽しい句会になりました。
まず、ゼロ票の中から2句取り上げてみます。
高層競合下青空略奪 以呂波
朔太郎「作者の言わんとするところはわかるが、下など少し苦しい表現と思われる」
流子「よくわかる句だし、(漢字だけで)まとめた作者に拍手します」
睦悟朗「朔太郎さんのおっしゃるように感じました」
以呂波「昔作った句を漢字だけの表現にすることに挑戦しています。元の句は、ノッポビル空を削って背伸びする、でした。下は「〇〇の下」という意味で使いました」
古地図手に鬼平に化け江戸散歩 大仏
流子「ブラタモリを思いました。良い句としてチェックしましたが、(三句までに入らなかったので)票は入れませんでした」
朔太郎「鬼平犯科帳が好きでテレビでも見ました。だから余計上手く句にしたなあと思いました」
芳夫「仮装して歩いたわけではないのでしょうから、「化け」は単に「なり」でも良いのではないでしょうか」
大仏「OB会で江戸散歩の会があったので句にして見ました」
次にユーモア句から2句。
肉ジャガは旨く出来たわ嫁に行く 竜雄
まず票を入れた、利江、芳夫、こいしさんの弁。
利江「今日は楽しい句がたくさん並びましたが、その中で票が集中しそうなのは避けてこれを選びました。今の人は料理が下手だといわれる中で「肉ジャガは」が面白いです。「肉ジャガが」でも良いと思います」
芳夫「面白い。「は」か「が」かは、「は」の方が良いかなあと思いました」
こいし「私も「は」と「が」を考えましたが、「は」の方が良いとおもい思いました」
帆波「だいたい肉ジャガにほだされる人がいるのかなあ」
六平太「お袋の味がもてるらしいですよ」
帆波「家内は豚肉、私は牛肉でもめたことがある」
・・・しばらく、豚、牛でざわざわ。(関東、関西の違いらしい)
竜雄「定年になって料理教室に通ったら、半分以上若い人で、味噌汁にだしを入れるのに驚いたり、お魚の目が怖いといったり、肉ジャガが出来たからお嫁にいけるといったり、びっくりでした。結婚して毎日肉ジャガじゃかないませんねえ」
LLと同じ値段のSのシャツ 正
まず票を入れた以呂波、絵扇、耕平さんの弁。
以呂波「面白い着眼だと思いました」
絵扇「面白いです」
耕平「同感です」
帆波「ビキニはちょっとしか布がないのに高い」(笑い)
団扇「布屋は儲からない」(笑い)
正「せこい句ですんません」(笑い)
票を集めた句は、次の通りでした。
4票。
さまざまな出会いがくれた道しるべ しげる
正美さんが「人生賛歌と受け取りました」と言ったように、好感、共感を持った評ばかりでした。作者の弁は「人生の実感句です」
いい旅になる物知りと乗り合わせ きみ
品子さんの「さらりとした良い句とおもいました。私もウォーキングで行き会った方から、忠臣蔵で討ち入り前に飲んだお酒は剣菱だったと教えてもらったことがありました」にみんな「え!」(笑い)
6票。
アルバムの顔とは違う現在地 倫也
アルバムと現在地が旨く結びつかなかったと言う意見もお二人ありましたが、評価した方々は「現在地」という表現に感心したようでした。こいしさんの「自負を感じて、良いと思いました」、帆波さんの「話が広がる面白い作品」という評価もありました。
そして、最高点は7票。
なでしこは足で布団がたためそう くんじ
選んだ方の発言は、順風「本当にそんな気がする」、芳夫「なでしこが金メダルを取ったがつまらない句ばかりだった。この句面白い」、朔太郎「ユーモア川柳として良い句だと思う」、などの意見に代表されるものでした。発想豊な耕平さんも「こんな発想私したこと無い。・・・・・・」と言っていました。
課題吟は「魂」で丸山芳夫さんの選でした。
魂を詠んだと取れるかどうか疑問の句、よい句だけれど数の制限のため外れた句十数句の紹介、解説がありました。
入選句は以下の通りです。
「佳作」
魂が降り場を捜す磯の町 品子
霊魂のさ迷う海が青光り 静枝
魂を持ち出してくる戦争屋 竜雄
魂の叫び声聞く反戦歌 栄子
世の中をじっと見つめる忠魂碑 朔太郎
抜け殻になっても懲りぬ一目惚れ 以呂波
紫の人魂きっと熟女だろ 帆波
人魂にまだ眩しすぎ夜の街 六平太
間延びした経に木魚の大あくび 三十六
満ち足りて負けじ魂なんて失せ しげる
魂詰めたセーターなのだ風邪引くな 流子
魂を洗う程好い雨の音 利江
幼児期に五分の魂叩き込む きみ
魂に人それぞれの周波数 団扇
たましいを奪われにゆくコンサート 朔太郎
魂の声がときどき裏返る 耕平
魂がごった返しているお盆 正
「五客」
耳寄せて木魂の声を聞き分ける よもぎ
精魂の尽きる勝負をしてみたい 倫也
何度でも魂消てみせて児と遊ぶ 以呂波
蝉歌う魂の歌母の歌 流子
父さんも母さんもこの胸に居る こいし
「三才」
魂がひしゃげタックル外される 游子
あの人は今青春の鎮魂歌 倫也
ロウソクの炎が語りかけてくる 耕平
軸 魂は痛いものなりけつバット 芳夫
最後に3分間吟を行いました。選は南野耕平さんで、課題は「深い」です。
「佳作」
減ってきた地球の上の深い秋 以呂波
大不況世界の闇が深くなる 利江
熟年の恋は深さを良く測り 品子
秋雨がやまず疑い深くなり 芳夫
深みからどじょう出てきて低姿勢 睦悟朗
この先は回り道する深い恋 品子
深みから勢いつける滝の鯉 睦悟朗
深い穴の底から聞こえるさけび声 しげる
投機欲ますます傷を深くする 利江
明日はあす酌んで深める良い仲間 正美
「五客」
深さなど落ちてみなけりゃ分らない 流子
☆参加者からどよめき
例外もある人生の顔の皺 品子
深い仲ほど素っ気ない人の前 品子
思い出を地層のように掘り起こす
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