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川柳マガジン倶楽部東京句会8月例会
 8月14日(日)記念するべき第60回が開催されました。6月例会の日が全日本川柳大会の日に当たることが多いので年11回開催とすると、約5年半経過しました。出席者21名、投句10名、合計31名でした。厳しい暑さと、地域によってはお盆の真ん中の日ということもあり、投句だけの方が多くなったようです。
 今回の句会に、朝日新聞社生活グループの森本美紀記者が来られて、最後まで熱心に取材、写真撮影、聞き取りをなさいました。生きがいとしての趣味を取材するのが目的のようでしたが、参加者の生き生きとしたやり取りに驚かれたようでした。
 今回は、句評会でゼロ票だった句で、誰も後で聞きたい印をつけなかった句は世話人の松橋帆波さんと植竹団扇さんが掛け合いで論評してくださることになりました。一例を紹介してみます。
  豊作の邪魔はしないで放射能  小倉利江
帆波「今年は豊作だそうですね。でも気になることが多い年ですねえ。豊作なら、また困ることもあるし、福島、宮城の値段も心配ですよね」
団扇「去年のお米を買う人が多いそうですね」
帆波「お年寄りが山ほど買っているということを聞きました。今はまだお米は去年のばかりなのにおかしいですよ。千葉などの特別な早場米は少量で地元で消費されている時期なのに」
団扇「作者はどなたですか」
利江「テレビを見ていて、お米にかかわらず、一生懸命作ったものをこれから検査すると言っていますが、生産者は本当につらいだろうなあと思います」
 この例では、内容に対するやりとりになっていますが、他の多くの例では川柳をどう作るかが論じられ、参加者の参考になることがたくさんあり、ありがたい試みでした。
 今回も一部の句に票が集中したため、ゼロ、1票が17句ありましたが、すべての句を活発に論じ合うので、取材の記者さんも驚いておられました。
 最高点の6票の句が2句ありました。
スカイツリーへ勝鬨橋の大あくび  植竹団扇
観光名所の移り変わりよりも、香取信吾の今月封切り映画「こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE~勝どき橋を封鎖せよ!~」の話題、特に勝どき橋を開こうとしたがあまりにもお金がかかって断念したことなどで話が沸騰した。
燃えやすい女の側でする焚き火  伊藤三十六
利江さんの「これを作った人は悪い人です」や六平太さんの「やばい句です」と作ったのが三十六さんと推定しての正論?は笑いを誘いました。
ご本人(三十六さん)「経験を誇示したかっただけです」(笑い)
5票も2句でした。
プライバシー見て見ぬふりの夏の風  白勢朔太郎
刻んで刻んでオクラの天の川  加藤ゆみ子
この句はには、「刻んで星形がたくさん現われることを実にきれいに詠んだ」との声が多く上がりました。
3票句が5句ありました。
原発にたんとありそう甘い汁  小野六平太
生真面目に生きて何かを忘れてる  白子しげる
三段の真ん中ヘソを見失う  宮本游子
三段腹と無縁の女性が作者として名乗り出て、みんなは「おー!」
  百葉箱夏の特等席に居る  丸山芳夫
  蚊を叩くときは命を忘れてる  星野睦悟朗

課題吟は「8月の思い出」で伊藤三十六さんの選でした。
選者が最初に「思い出」なので、直近の出来事を詠んだと思われる句がたくさんありましたがそれらは取りませんでした、と言って何十句のも例を読み上げられたので、あらためて、題の受け止め方は厳格にやらなければいけないと思いました。
 入選句は次の通りです。
 佳作
  持ち帰る土がお宝甲子園  高田伊呂波
  故郷に河童育てた川がある  小倉利江
  一匹の蚊と戦った蚊帳の中  佐道正
  くちびるとくちびる八月に出会い  植竹団扇
  駆け足で帰る初めて泳げた日  丸山芳夫
  夏の海溺れた事を忘れない  藤原栄子
  進駐軍怖くて焼いた書類束  棚瀬くんじ
  数の子のような山小屋富士登山  菊池順風
  神国が負けて困惑してた父  星野睦悟朗
  八月は頭の中のミソに溶け  宮本游子
 秀作
  友そっと見せたあの日の被爆痕  小倉利江
  てのひらで君を感じた五山の火  植竹団扇
  ピカドンが汚した僕の誕生日  鎌倉大仏
特選
 父を無口に変えた八月  松橋帆波

 八月の暦は合掌で埋まる  伊藤三十六

最後に5分間吟を行いました。課題は「晴れる」で選者は松橋帆波さん。
佳作
 スイカ割りストンと切れて気分晴れ  長谷川康子
青年の主張明日も晴れだろう  伊藤三十六
晴れだけどところによって雨という  星野睦悟朗
血圧へ妻の笑顔の処方箋  加藤品子
晴れた日に黒い傘とは暑苦し  伊藤三十六
すげ替えをしても晴れまい永田町  小野六平太
大陸で体験できぬ日本晴れ  植竹団扇
青空の裏側にある黒い意思  宮本游子
猛暑日は飽きないのかな晴れ続き  丸山芳夫
秋晴れが来るのだろうか長い夏  丸山芳夫
秀作
かわいそうなポチを蹴飛ばし気が晴れる  佐道正
空は晴れてもうちのテレビは砂嵐  植竹団扇
青空に紛れ込んでる放射能  伊藤三十六
特選
今日は雨私は明日の晴れ女  宮本游子

 天国は晴れた日ばかり嘘くさい  松橋帆波

次回の東京句会は、9月11日(日)駒込学園にて開催です。
課題吟は「せっつく」三句詠です。
詳しくは、新葉館ホームページをご覧下さい。

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