10月に著名な女性声優が亡くなった。テレビニュースでは各局がこのことを大きく報道していた。訃報に接した一般市民へ街頭インタビューなどを行い、その驚きと悼む声がいくつも紹介されていた。
この方は、亡くなる前に認知症を長く患っていた。ニュースではそのことに全く触れていなかった。翌日の新聞報道では認知症のことにもいくらか言及していたものがあった。
亡くなった著名人の取り扱いについて、私は少し考えさせられた。特に女優などの芸能人の場合は、亡くなっても生前のイメージが大事にされる。華やかな活動実績があるとそのことが強く印象づけられている。晩年に引退するにしても、その衰え方が顕著であると、直近の画像などは表に出ない。築き上げられた輝かしさが壊れるからであろう。見せるのは精々若い時分の姿である。外国人の場合は、最晩年のありのままの様子を隠さない人もいる。
これが認知症となると、本人の自覚が既になくなっていることから、周囲の意向によって表には出さずそっとしておこうということになる。件の女性声優の報道がその典型になるだろうか。
認知症にはデリケートなことがいつも付きまとう。当人が、事前にそうなった時は別に公表してもらっても構わない、と言っておくようなケースは滅多にないだろう。
超高齢化で認知症になる割合が増え続け、既に一般的な病気になっている。あくまで公にしないことがどこまでいいのか、冒頭に話した報道から、私はふと考え込んだのである。
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