今日19日は神栖川柳会の日でした。コロナもあり会場もストップされているのでないものと思っていましたら3月句会をしっかりやったそうです。私は連れ合いのこともあり出かけられなかったので、神栖8号へ書いた原稿をここに掲載してお許し願いましょう。2月29日に書いたものです。
神栖川柳会へ心のふれあいの詩
川柳というと未だに古川柳を連想する人が少なくありませんが、明治後期から新しい道を歩み始めた現代川柳は、古川柳の持っていたいくつかの特徴の中から捨てるべきものと残すべきものとを振り分け、さらに叙情、詩性など古川柳にはあまり見られなかった要素を取り入れつつ今日のような文芸の形を作りました。残された特徴には次のものがあります。
※ 庶民の日常生活に広く素材を求める。
※ 人情をありのまま表現する。特にユーモアの視点を大切にする。
※ 人間の弱さを客観的に見つめる。
※ 社会の矛盾や不合理を鋭く突く。
※ 権威ありとされているものを庶民の感覚から改めて見直す。
※ 作者の機智や奇抜な発想を表現する。
また捨てようとしているものには次のものがあります。
※ 悲しいこと、真面目なものを茶化す。
※ 弱者をからかう。
※ 権力にへつらう表現をする。
※ 掛け詞、語呂合わせをする。
日常使っている言葉で人間と社会を詠む川柳という文芸を愛したいと思います。
さてこれから皆様の川柳を楽しませていただきます。
2月の課題が「幸せ」与志子選、「ほかほか」礼子選でした。互選は「炬燵」。
皆さんの句を句評と鑑賞してゆきます。
意識せず過ごせる日々が幸せと 十司男
人生の後半になってこんな気持ちになれたら幸せですね。きっといい配偶者に恵まれ子たちに恵まれた心境なのでしょう。助詞止めの句ですが、テーマですので生きてきました。
幸不幸乗り越え明日が見え隠れ 淳子
ご自分にとって幸せと不幸せを幸不幸の熟語にしてそれらを乗り越えたということ。そして明日も見えたり隠れたり、曖昧な言葉を上五・下五に据えて淳子さんらしい人生句にされました。これからもお幸せに過ごされますように。
私には酒と音楽あればよい 憲吾
幸せが続くと不安ヘソ曲がり 憲吾
一句目は軽みの句ですさらっと歌ってます.二句目は考えてます逆説をきかせて五客に入りました。ヘソ曲がりを自分に言ってます。これを他人のことにしてはいけません。
幸せは待っても来ない寝ているか 誠廣
これも達観句です。下五「寝ているか」を「寝て待つか」にすると「待つ」が強調されて常套的が少し変わってきますね。「式場で幸多かれは常套句」と客観的に言い放っているのも面白い。誠廣さん祝辞には常套語でなく、もっと温かい言葉が来るのでしょう。
八十路坂フレイル前で今は幸 邦夫
最近の言葉を使ってます。フレイルとは 「高齢者がかかえる筋力低下による転倒の危険性の増大などの身体的問題のみならず、認知機能障害やうつ病などの精神・心理的問題、独居や経済的困難などの社会的問題までを含む概念」と健康長寿ネットにあります。健常から要介護に移る中間の段階と言われています。よく似た症状に「サルコペニア」「ロコモティブシンドローム」があります、違いはいかに。カタカナ語は難しいです。作者は80歳を越してます流石ですね。
次はとても幸せな人です。
幸せは毎朝妻とたしなむ茶 ムツオ
こうぬけぬけと表現されると「ああそうですか」で済まされません。「たしなむ」なんていう日本語もあったのだなーと思いめぐらしました。いい言葉はぴったり合うといいものです。
親ごころオムツ炬燵で温める 法子
その昔子育ての頃の思い出でしょうか?みんなが同感だったようで互選で10点も入りました。今は紙おむつが一般化されましたので炬燵も電化されてこんな風景はみられなくなりましたね。
叱れて孫が逃げ込む椅子炬燵 甲子郎
椅子炬燵というのですね。大人は入れませんから、小さい子の一人勝ちでしょう。
知らぬ人二円不足を出してくれ 与志子
これはスーパーのレジでしょうか、多分郵便局の風景ではないかと思います。
小さな幸せですけれども、私のところにも一円が足りないとはがきが戻ってきました。はがき63円、封書84円になったのですね。
うたた寝のつもり炬燵で朝が来た 敏子
こんなこともあります。一人暮らしの家庭ではよくあることでしょう。
ほかほかの笑顔にさせて孫かえす 礼子
ほかほかの笑顔ってステキですね。お孫さんの表情まで見えて来るようです。オノマトペ(擬音語、擬態語)の語は使い方で生きてきます。下5にセンスを感じます・。
次の句は楽しいですよ。
ねこの腹プニョプニョぬくい掘り炬燵
炬燵にいる猫は無防備ですのでより柔らかいのでしょう。これぞ作者のセンスです。ご自分の感覚でオノマトペを使いましょう。
切なさがほかほか風呂にとけてゆく 秀子
お風呂には何でもとかしましょう。終い風呂がいいですね。
叶うなら宇宙旅行に行ってくる 和子
大きな希望ですね。今世紀には行けるようになるのでしょう。月には行けましたから・・。下5「行ってくる」を「希望する」にすると課題が強く出ますね。
力尽き折れる心に希望あり 時江
初心の方が心象句を詠まれて心強いです。ますますのご健吟を祈ります。
セーターとマフラーをしてほかほかに 則子
太平洋沿いの神栖は温かいので羊毛のセーターとマフラーなら真冬でもほかほかです。川柳には年齢と地方が必要になるのです。
幸せな女に見えるコート買う 紀伊子
与志子選者にお褒め頂いた句で終わります。
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