川柳マガジンクラブ東京句会 第119回例会
第119回川柳マガジンクラブ東京句会が平成28年10月9日に東京都文京区「駒込学園」にて開催されました。出席者はお世話役の植竹団扇さん、松橋帆波さんと大谷仁子、菊池順風、菊池眼鏡、佐道正、高田以呂波、高塚三郎、唯夕、辻直子、土屋喜代子、丸山芳夫、横澤七五各氏及び星野睦悟朗の14名、欠席投句は小野六平太、城内光子、長谷川溪節、水野絵扇、宮本游子の5名でした。 当日の句評会結果及び宿題、席題の選者、入選句は次の通りです。
Ⅰ、自由吟互選と句評会
句の上の数字は3句ずつ選んだ互選の得票数です。ゼロ票句は植竹団扇さんと松橋帆波さんがコメントしました。発言者の前に?をつけたのは、疑問等があって発言した人です。
未来まで伝えてほしい古川柳 絵扇
盛り土なきお手盛り工事毒が洩り 溪節
帆波「わざと「洩り」としている。「毒」が化学的なものだけでなくもんだいがいろいろ」
団扇「最近盛り土の川柳がとても多い」
欠席の作者のコメント「豊洲市場が大きな問題になっています。工事費用を安くしようとしたのでしょうが。
「もり」を三つ使ってみました」
洗濯物雨雲回避無事確保 以呂波
スパゲティに初雪が降る粉チーズ 芳夫
?唯夕「別に季節がないのだが。スパゲッティは何か聞きたかった。ナポリタンか」
帆波「最近高く盛るのがはやっている」
団扇「暖かいとチーズがとけて見えなくなるので子供がもっとかけてという」
作者「粉チーズをかけたときに初雪が降ったみたいでした」
直子「分かり過ぎてつまらない」(笑い)
殺された時代もあった句を吐いて 光子
・・・鶴彬、井上信子などが話題になりました。
請求書精査して出す薬売り 唯夕
帆波「政務調査費か、調剤薬局か。血液製剤などか」
団扇「不正しないようにする薬はないですか」
作者「富山の薬売りは使ったものだけ出します。富山市議会を皮肉りました」
どっこいしょ不戦の誓い声にする 三郎
作者「戦争や原爆にあった人はなかなか喋ってくれませんが、ぼちぼちしゃべってくれることがある」
1 右ひだりワレた心がケンカする 七五
唯夕「人間の心は決めた後も迷います」
帆波「表記が面白いです」
睦悟朗「右脳、左脳のことかしら」
団扇「表記の仕方が音読み、訓読みで変わることがある。西東(にしひがし)、東西(とうざい)、左右(さゆう)、右左(みぎひだり)など」
作者「単なる分裂症なんです。耳が遠くて一部しか入ってこないものですから」
2 都合よく時に神様仏様 直子
三郎「あまり信心はないのに、困ったことがあると頼みます」
喜代子「とても私の心の中を詠んでくれています。無宗教なのにしょっちゅう助けを求めます」
帆波「何もしないで頼む人はいません」
団扇「困った時の神頼みではない。神様と仏様を使い分けています」
帆波「触らぬ神にとは言うが触らぬ仏にとは言いませんね」
・・・いろいろ盛り上がった後
作者「全然そんなに深く考えていません。人間ってこんなに調子のよいものだと」
2 甘味処と見紛う酒場甘太郎 団扇
・・・酒場甘太郎を知らない人が多かった。(注:手作り居酒屋 甘太郎というチェーン店で、東京、神奈川、大阪に多い)
正「まあどうでもよいが面白い」
作者「ばかばかしいは最高の誉め言葉。最初都都逸として作った」
3 針の穴通らぬ糸に八つ当たり 喜代子
3 ケンカ中一句ひねって火に油 眼鏡
・・・芳夫、仁子、唯夕が同じように「面白い」と評価。
3 血圧の高さを比べあう酒席 正
3 いじけてる海馬時々跳ね回る 游子
睦悟朗「なるほどなあ、と思いました。ためしてガッテンで前頭葉と海馬のことをやっていました。短期記憶に関係するのですね」
眼鏡「海馬を詠んだ川柳を始めてみました。こういうのも詠んでいいのだなあと思いました」
正「面白い」
団扇「新皮質と古い皮質。しかしいじけてるでなく跳ね回るがいい」
直子「面白い言葉を見つけてくるのがうまいですね」
3 臨終にお邪魔しました言って立ち 順風
・・・お見舞い客?死んでいく本人?など喧々諤々。
作者「いろんな話をありがとうございました。死んでゆくときにありがとうでなく、軽く言うのもいいかなあと思いました」
3 お赤飯食べたい時に炊いていい 帆波
・・・芳夫、順風、眼鏡らがそう言えばそうだ。
作者「私も家族も好き。食べたいときに炊いてもいいだろう。圧力釜で30分で炊けます」
3 黍だんごだけだったのか桃太郎 六平太
芳夫「桃太郎が記事などを取り込んだ時にもっと他の物もあげたのだろう・・・」
睦悟朗「無邪気な童話に嫌な大人が詮索して・・・
直子「芳夫さんと同じのを選ぶことが多い」
帆波「家来になる方から下さいと言ったのですよ」
唯夕[auのコマーシャルですね](注:桃太郎、金太郎、浦島太郎の出てくるコマーシャルシリーズ)
4 フェロモンを出しすぎ蝶の三つ巴 仁子
?直子「分からない」
睦悟朗「三角関係でしょ」
眼鏡「飛んでいるとき普通は2匹なのにもう1匹来た」
七五「何と何だか。パチンコがフィーバーし、競輪競馬も?」
正「夜の蝶でしょう」
帆波「雌の蝶。拮抗状態。三すくみ。単なる三角関係?」
作者「特に深い意味はありません。庭で絡み合って飛んでいました」
6 さりげなくぼやきに混ぜて言う本音 睦悟朗
・・・選んだ人の中に、ズバリ言うほうがいいのに、という意見と、あるあるという意見がありました。
作者「ノムさんのように」
Ⅱ、宿題
宿題は「窓口」で佐道正さんの選でした。
正「分からない句がありました。一部を紹介します」と何句か読み上げられました。
「佳作」
九条の窓口にみる青い空 三郎
窓口の淑女指輪をしていない 帆波
わが社の顔たれと時給千円に 眼鏡
応対に良さで選んで詐欺に遇い 以呂波
三途の川でも窓口五時に閉め 眼鏡3
ペッパー君だったら怒らないくせに 眼鏡
払う窓貰う窓より広い窓 団扇
窓口に檻が付いてる西部劇 帆波
窓口嬢にひとり芝居をしています 直子
お役所の係近頃良い感じ 七五
受付さんペットボトルのふた開けて 順風
窓口にだいたい窓は付いてない 溪節
「秀作」
使い道問われ自分の金下す 芳夫
窓口を障害物にする役所 唯夕
死亡届受け取る係笑えない 睦悟朗
「特選」
窓口に人間がいてホッとする 光子
「軸」
三億円出た窓口の大威張り 正
Ⅲ、五分間吟
宿題でトップだった光子さんが欠席でしたので、星野睦悟朗の出題及び選で五分間吟を行いました。題は「すっきり」でした。
「佳句」
すっきりと昔はしてたこのお腹 喜代子
すっきりと直立できぬ猫の背 団扇
風呂上り浴衣姿に柳腰 順風
バリカンを走らせ肩の荷も降ろす 帆波
すっきりは良しどっさりはやめとくれ 団扇
花散らし枝は大きく伸びをする 直子
すっきりとカツラ疑惑にシャッポ脱ぐ 唯夕
歯を磨きガム噛んでからキスをする 正
腹きめたときから一歩前に出る 三郎
ぶちまけた方はすっきりしているが 眼鏡
離婚届け出してすっきり酒の席 七五
捨てるって気持ちがいいねお父さん 帆波
「秀句」
肩の荷が下りた気もする恋が消え 芳夫
慰謝料もローンも全部払い終え 正
時々は違う名前で毒を吐く 直子
「特選」
花街のさすがはプロの立ち姿 以呂波
「軸」
肩書きが取れTシャツにスニーカー 睦悟朗
Ⅳ、難解句鑑賞
参加者が提示した難解句を鑑賞しました。
まぼろしの我に返ればナイフの刃
まぼろしのの「の」で広がるが分かり難くもなる。わざわざナイフだけでなく「ナイフの刃」と言っているのは傷つけることを強調しているのか。
決定的な解釈はなかったが元は根岸川柳(一四世)の作で石川蝶平さんの解釈もある。実行できないまま心の奥にあったことが我に返ったとき怒りや不満になるのをナイフにたとえたという。
たまねぎが心配しているので帰る
たまねぎは早く使わないとだめになる。たまねぎ以外の家族などはそんなに心配してくれるわけでもないが、たまねぎが早く使えと心配してくれている。徳永誠二さんの作品。
やってみろ人工知能よ神対応
アルバイト川柳の最優秀作品。非正規やアルバイトであってもお客さんへの細かい対応もきちんとやっている。人工知能ではできないだろう。
この句中八、下六だが、この世界では問題ないらしい。
パソ消して消える美少女映るデブ
オタク川柳の最優秀作品。いかがわしいものを見ていて、誰か来たので慌ててパソコンを消したら暗い画面に自分(またはやってきた人)のデブ映った。というような解釈がまず出たが、オタク川柳であるから、いかがわしいものでなく文字通り美少女を見ていて、消したら自分が写ったのだろうということに落ち着いた。
Ⅴ、11月句会
日時 : 平成28年11月13日(日) 12時30分開場
13時開始
事前に自由吟を1句お送り下さい。(既発表句でも可)
㋐新葉館宛の場合
新葉館のホームページをご覧ください。
㋑松橋帆波宛の場合
郵送 〒125-0061 葛飾区亀有1-13-1-407
Fax 03-3604-7328
メール honamikp61@gmail.com
場所 : 駒込学園
内容 : ① 句評会
② 句会
宿題「合わない」3句(句箋は当日)
③ 時間があれば席題で五分間吟など
Ⅵ、11月句会
日時 : 平成28年12月11日(日)
宿題 : 「今年の出来事」
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