川柳マガジンクラブ東京句会 第104回例会
第104回川柳マガジンクラブ東京句会が平成27年7月12日に東京都文京区「駒込学園」にて開催されました。出席者はお世話役の植竹団扇さん、松橋帆波さんと大谷仁子、小野六平太、城内光子、菊池順風、佐道正、高田以呂波、唯夕、辻直子、長谷川渓節、平井熙、丸山芳夫、宮本游子、ゆめか、横澤七五の各氏及び星野睦悟朗の17名、欠席投句は加藤品子、成島静枝、本間千代子、の3名でした。当日の題と選者、入選句は次の通りです。
Ⅰ、自由吟互選と句評会
句の上の数字は3句ずつ選んだ互選の得票数です。今回0票句の3句は松橋帆波さんと佐道正さんがコメントをしました。
特に活発に意見が出た句等についてはその内容を書き添えます。発言者の前に?をつけたのは、疑問等があって発言した人です。
絡まれてあげようきっと淋しいんんだ 芳夫
帆波「点が入ると思いましたが意外です。面白いです。こう言っている側も寂しいんですね」
正「飲み屋のママさんだろう。こんな人いますよね」
作者「フランク永井の歌にあります。下五は歌で聞くと6音には聞こえません」
いつからか財布の中にある媚薬 熙
正「よくわからないけど見過ごせない句ですね」
帆波「バイアグラを持っている知り合いのおじいさんがいて、見せてもらったら偽物だった
ことがあります。お金の使い方として「媚薬」とは余裕があるように感じます」
?六平太「別に意見ではありませんが、媚薬は何か、いつから入っているのか」
作者「いつからか忘れたくらい前から入れたままで使わないであります」
正論を通し切れない義理の顔 七五
正「正論は川柳でよく出ます。義理もよく出ます。句としては悪くはないのですが既視感があります」
帆波「唐獅子牡丹の歌詞みたいですね。それで世の中うまくいく。川柳というジャンルでよくある
と取られたかもしれません」
団扇「引っ込めてはいないが通し切れないのでしょう」
作者「私の頭の中には正論や義理はありません。私の中によくあることを詠みました」
1 DNA親の手付きで箸を持ち 仁子
1 人生に悔いなし風も心地良い 順風
1 対岸の火事見てるだけ見てるだけ 直子
熙「良く出る言葉だが見てるだけを繰り返したので面白い」
?渓節「意味が分かりませんでした」
?仁子「手を出すとかえって迷惑、ということでしょうか」
団扇「例えとしての対岸の火事ですね」
作者「自分が年取って来て参加できないことが多いです。大きなことで言えば国のことなども
叫んでみても虚しさがあります」
1 有事とは錦の御旗かも知れぬ 品子
1 悲しさといつも抱き合い生きてます ゆめか
七五「なんか私のことを詠っているように思いました」
帆波「悲しさと哀しさを比較してみたいですね」
作者「人は元気そうに見えてもいろんなものを抱えています。元気そうな人が奥様を介護して
いるとか」
2 他愛ないことで一日いい気分 正
順風「スミレの花言葉は小さな幸せです。そういうことなのかと、選びました」
以呂波「他愛ないことひとつで十分だと思います」
?芳夫「疑問ではなく、次点でした。良い句だと思います」
団扇「たあいないはまずそう言う言葉があって後から他愛ないと当て字したものです」
作者「軽くこんな感じかなあと。たまにはこんな句も。年かなあ」(笑い)
2 磯の石一つ箱庭海になる 游子
唯夕「小さなことで作者が満足している」
睦悟朗「庭師の親方は、庭造りの最後に肝心な石を置いて完成とするそうです」
帆波「保育園に亀がいて、サルモネラ菌の恐れがあるので自分が世話しています。石を入れたら
元気になり子供たちが喜んでいます。それはそれとして、人間は連想できるのですね」
作者「あるところで匂いを感じる句を作れと言われて作りました」
2 記憶種子一個拾得二個遺失 以呂波
・・・まったくこんな感じですねえ、と選んだ游子、直子ほかみんなが共感・・・
3 消しゴムを借りたら滓は返すべし 団扇
3 良い人だにぎやかに飲みさっと立つ 睦悟朗
3 新国立聖火消えれば負の遺産 渓節
3 ゆう活は嬉し値引きの時間帯 静枝
唯夕「本来は政治がやろうとしていることを言っているのでしょうが、皮肉もあって面白い」
渓節「実感句です。ゆう活は本当は別の意味で使われるのでしょうが」
ゆめか「夕方私もやるので選びました」
?光子「ゆう活がわかりませんでした」
?直子「ゆう活が分からなかったです」
誰かが「政府が提唱し出した、仕事を早く初めて早く終わらせ(て帰り)、夕方余裕を持って活か
そう、ということです」
作者「また新しく「ゆう活」ができました。ちょうど値引きの時間で財布にも優しいです」
3 自分へのご褒美ですと妻の群れ 六平太
直子「女性が集まる「妻の群れ」が本当に多いですね。ご主人はどうしているのかなあと思います」
渓節「二度目に読んでなるほどと分かりました。「妻の群れ」がいいです」
光子「ランチでおいしいものを食べていて、ご主人はワンコインでしょうか」
帆波「ご褒美とは後ろめたさを隠すのでしょう」
芳夫「この頃「ご褒美」が多すぎます」
団扇「妻の群れ、が新鮮かつリアルですね」
游子「自分を褒めてあげたいとか自分へのご褒美とかは大嫌いです」
帆波「コンビニでもありますね」
六平太「自分へのご褒美ということが何か引っかかります。売る側もけしかけているのでしょう」
4 大切なことを学んだ暗い場所 光子
4 納豆オクラなめこ山芋夏の陣 千代子
団扇「全部名詞だけの良い作品」
・・・選んだ睦悟朗、正、以呂波、ゆめかも粘る食べ物を四っつ並べて「夏の陣」と来たのに感心。
5 拷問に近いのもある調理法 帆波
・・・選んだ芳夫、七五、正、六平太、仁子それぞれ何かを具体的に浮かべて納得といった感じ。
作者「わざわざ調理法としたのは、調理の仕方を詠んだからです」
5 少年もさることながら総理A 唯夕
作者「安倍では川柳にならないので、総理Aとしました」
・・・選んだ光子、直子、芳夫、熙、渓節らがほぼ同様に作者の意図に共感したようです。
Ⅱ、宿題
宿題は「鳴る」で長谷川渓節さんの選でした。
「佳作」
喧騒を逃げ鳴き砂を踏みしめる 睦悟朗
蛍の光鳴って虚しいパチンコ屋 正
豊登偲びポコポコ脇の下 芳夫
雷に脅し急かされ足縺れ 以呂波
雷鳴をチャンスに彼へしがみつく 睦悟朗
警報を毎日聞いた戦中派 六平太
生ききった終演ベルが鳴っている 光子
合格の鐘は二の次のど自慢 順風
風鈴がビール如何とそそのかす 千代子
その向きは鬼門マイクのハウリング 芳夫
「秀作」
のど自慢長く歌わせ鐘ひとつ 光子
鐘鳴らし消える煩悩なんてない 直子
雷鳴に押されてくぐる縄暖簾 游子
「特選」
シンバルが一度のチャンス待っている 正
「軸」
近頃は雷親父とんと見ず 渓節
Ⅲ、五分間吟
最後に、宿題で特選だった佐道正さんの出題及び選で五分間吟をやりました。題は「学校」でした。
「佳作」
人生の学校句会後の宴 渓節
学校で学んだ事は皆忘れ 七五
集団の登下校待つ暴走車 游子
坊ちゃんは学園ドラマ元祖なり 六平太
男子校中学二年の憂鬱 唯夕
夜間中門の向こうにある希望 渓節
雑務増え教師居眠り授業中 游子
学校のトイレ伝説二つ三つ 帆波
なつかしい母校に呼ばれ投票所 以呂波
先生が向いてる顔と向かぬ顔 熙
給食の時間以外は保健室 団扇
夜動くモノが理科室住んでいる 帆波
「秀作」
小学校さまさま前の文具店 芳夫
廃校に金次郎だけ立ちつくす 睦悟朗
学校が近いのでよく遅刻する 芳夫
「特選」
先生が幼く見える夜間中 光子
「軸」
校歌なら全部歌える惚けた父 正
Ⅳ、次回について
日時 : 平成27年8月9日(日) 12時30分開場 13時開始
場所 : 駒込学園
内容 : ① 句評会
事前に自由吟を1句提出してください(既発表作品も可)
㋐新葉館宛の場合 7月末締め切り
新葉館のホームページをご覧ください。
㋑松橋帆波宛の場合 1週間前締め切り
郵送 〒125-0061 葛飾区亀有1-13-1-407
Fax 03-3604-7328
メール honamikp61@gmail.com
② 句会
㋐宿題「冷たい」3句(句箋は当日)
㋑時間があれば五分間吟など
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