川柳マガジンクラブ東京句会 第100回例会
第百回川柳マガジンクラブ東京句会が東京都文京区「駒込学園」にて開催されました。出席者はお世話役の植竹団扇さん、松橋帆波さん及び大谷仁子、加藤品子、菊池順風、城内光子、佐道正、白子しげる、高田以呂波、唯夕、辻直子、平井熙、星野睦悟朗、本間千代子、丸山芳夫、水野絵扇、宮本游子、村田倫也、ゆめか、横澤七五の各氏と星野睦悟朗の二十名、欠席投句は、小野六平太、長谷川渓節、成島静枝の三名でした。今回初参加の辻直子さんは東京番傘所属です。
今回が平成18年7月6日に当会開始以来第100回(注)に当たりますので、世話人の植竹団扇さん、松橋帆波さんらのご準備で、第一回からの句評会作品集、A4版二十四頁が配布され、「百回お祝いと書いた包装紙」に包んだ、祝の焼き印を押した特注饅頭でお祝いをしました。
当日の題と選者、入選句は次の通りです。
(注)東京句会は6月の開催日(第2日曜日)がたいていの年では全日本川柳会の全国大会の日と重なりましたので、非公式に有志だけ集まって川柳のお楽しみ会を開いてきました。その会は100回にカウントしておりません。
Ⅰ、自由吟互選と句評会
句の上の数字は3句ずつ選んだ互選の得票数です。今回は0点句は植竹団扇さんと松橋帆波さんがコメントをしました。特に活発に意見が出た句等についてはその内容を書き添えます。発言者の前に?をつけたのは、疑問等があって発言した人です。
七十年空に爆弾降らぬ国 順風
少しずつ明日を吸い込むビルの地下 ゆめか
?睦悟朗「地下街で飲んで明日への元気を出しているのだろうか」
?しげる「地上が危険だから地下へだんだん逃げていくのだろうか」
?絵扇「わかりません」
?光子「明日を吸い込むが分かりません」
?倫也「吸い込むはあまりいいイメージではありませんね」
団扇「溜めこむ?」
作者「ビルの地下(へ続く道)は青空がほんの少し覗き、それが夢を抱かせます。あんまり欲張らず明日への希望を持とうという気持ちです」(作者は地下の店主でした)
アラカンが白髪比べのクラス会 渓節
出席者の中に冗談でなくアラウンド還暦は知らない、嵐寛寿郎しか頭に浮かばない方がかなりいました。
ベランダに菜園造る箱二つ 熙
いい加減悟れひび割れてくるかかと 直子
ストレスに潰されそうな鉄面皮 七五
1 真実は鏡の裏が知っている 倫也
1 朝顔の咲かぬトイレに迷い込む 団扇
朝顔=男性用トイレ、と分からない方が結構多かったようです。
1 ルビあるがすらりと読めぬ古事記の名 六平太
1 三流の記事一流にテロリスト 游子
直子「一流の人をテロリストが狙う」
?睦悟朗「三流のテロリストでも起こったテロは大きな記事になるということでしょうか。よくわかりません」
七五「それなら三流のテロリストとなるのでは」
帆波「三面記事、一面記事のことかも」
唯夕「フランスの問題を起こした記事は三流だが、テロ事件として一流記事になった」
游子「三流の下品な記事、品のない雑誌が一流に扱われるのに腹が立ちました」
1 しんしんと死者の言の葉雪が舞う 光子
1 日に数度記憶ふっとび探し物 仁子
2 旅先で買った服着て帰る妻 絵扇
2 来ないとも来るとも思う赤い紙
3 改札を抜けて赤血球になる 帆波
芳夫「ラッシュアワーの駅から人が押し出されて来る句がよくあります。赤血球に新鮮味を感じました。元気よく動き始めるのでしょう」
游子「私もそう取りました。帰宅時ホッとして血が高揚するなど」
正「はっきり言ってわからないですが、赤血球が面白いです」
?睦悟朗「酸素を取り入れて元気になることかと思いますが、よくわかりません」
?しげる、七五、以呂波、絵扇、品子らも「よくわかりません」
?直子「なんか面白いです。正常に戻ることかしら」
七人が?をつけたのは新記録だと思います。
団扇「赤血球の役割は酸素の運搬。面白い句です」
作者「赤血球がわからないとは思いませんでした。電車から吐き出されて、体で言えば末端まで赤血球が広がって、役割を果たす、血液で言えば酸素を運ぶのですが、それぞれ社会活動をする、という風に作りました」
3 同じ癖みると他人に思えない 以呂波
4 雪掻きに風情を言っちゃいられない 静枝
4 雄弁家人の話は聞いてない 正
品子「知っている人にもいます。幕末の話など延延と」
七五「その通りだと思います。私は話下手なので聞いてますが。憧れでもあります」
以呂波「目に見えるような句で面白いです」
仁子「この通りですね」
作者「その人は言いたいことが一杯あります。遮っても大抵全部聞かされます」
5 好きなもの狙ったように医師が止め 睦悟朗
5 通じない電話に胸を撫で下ろす 芳夫
唯夕、しげる、游子、ゆめか、正が共感。通話記録が残るのもよい、との意見も。
団扇「いないところを狙う手も」(笑い)
作者「恋の句です」(みんなは、え!)
「話すことを考えて電話したのに。複雑な心理です」
6 落胆の帰路に大きな月が出る 千代子
光子「慰められます。慰められたことがあります」
睦悟朗「大きな月が良いと思いました。時実新子さんの私が大好きな句「何だ何だと大きな月が昇り来る」を思い出しました」
熙、倫也「大きな月がいいです」
しげる「女性の句でしょうね」
七五「十三夜くらいかな」
帆波「がんばれとエールを送ってくれています」
団扇「月と言うと淋しかったりしますが、この句は勇気、元気が出る句なのが良い」
作者「帰っても(一人なので)愚痴を言う相手もいませんが、満月を見て少し嫌な気持ちが消えました。寄るおトイレに行くときも見上げました。頻尿も悪くないです」(笑い)
7 青信号渡り切れない長寿国 しげる
睦悟朗、熙、唯夕、絵扇らが、共感。長寿国が良い。
游子「青信号になってもみんなで渡れない、のがすごい(発見)」
七五「表現がうまいです。これからもっとひどくなるのでしょうね」
順風「いや、外出もしなくなります」(笑い)
作者「ありがとうございました。青の題で作りました。健康年齢は寿命よりもだいぶ下なのを皮肉りました」
帆波「歩道橋なども通用しない時代になってきてますね」
団扇「赤から青になった瞬間からしか渡らない人が車にひかれた事件がありました。だんだんいろんな制度がダメになってきているのを詠んだのですね」
7 ロボットに楽な仕事は渡さない 唯夕
品子「逆転の発想が面白いです」
千代子「渡さない、と言い切ったのが良い。簡単に仕事を取られては困ります」
芳夫「ロボットの句はたくさんあるがこの句は楽しい」
しげる「現代社会を皮肉っているように思う。ブラック企業など過酷な仕事を人間にやらせているのを皮肉っています」
直子「ロボットがよく使われる時代になりましたが、高価なロボットには楽な仕事はさせられません」
仁子「ロボットには頼りたくないと思っています」
順風「マラソン大会のペースメーカーは大変です。近い将来ロボットになるのではないでしょうか」
作者「楽しい仕事は渡さないということです。典型的なのは風呂屋の番台」(大笑い)
Ⅱ、宿題
宿題は「梅」で宮本游子さんの選でした。
選者「梅干、梅酒がとても多かったです。梅はなかなか思いつかなくて難しかったようです。なるべくいろんなものを選びました」
「佳作」
山点々白紅梅の春の笑み 品子
五つって座りがいいな梅の紋 芳夫
梅茶漬けそっと掻き込む午前様 しげる
菜種梅雨大地優しさ取り戻す 仁子
代代を鬼門の梅に見守られ 千代子
松高い竹は多いと梅にする 唯夕
梅干しの樽におふくろ生きている 七五
お手された手に泥んこの梅の花 順風
満開の蝋梅の下マスクとる 千代子
受験など学問でない梅の花 芳夫
天神に恋愛祈願成就せず 渓節
「秀作」
梅林のちょっと摘みたい蕗の薹 静枝
梅干しになれずサワーの泡に消え 正
時々はカラスも梅に止まりたい 光子
風流でないこともない梅の毒 団扇
梅干しへ一人称で進行形 仁子
「特選」
東京の地酒に会いに青梅線 以呂波
軸 やり直そう落下場所良し臥竜梅 游子
Ⅲ、五分間吟
最後に5分間吟を行いました。高田以呂波さんの出題及び選で、題は「二度三度」でした。
選者「おトイレの句が多かったです」
「佳作」
頻尿というほどでない二度三度 団扇
二度三度食べても飽きぬカツサンド 正
二度三度味見して出す園の給食 絵扇
二度三度断ってから立候補 芳夫
病院の検査一度じゃ気に入らぬ 七五
交番に行く先を聞く二度三度 唯夕
二度三度つまづきながら散歩する 仁子
家計簿へ親のふところ二度三度 帆波
「秀作」
二日酔い二度三度ではまだ子供 光子
朝帰り詫び状書いた二度三度 順風
二度三度呼ばれて気付く新婚時 游子
一度では頭下げても嫁やれぬ 七五
エレベーターがある十両と幕の内 芳夫
「特選」
起きぬ子へ段々声が荒くなる 帆波
軸 二度三度方向音痴右左 以呂波
Ⅳ、次回について
日時 : 平成27年3月8日(日) 12時30分開場 13時開始
場所 : 駒込学園
内容 : ① 句評会
事前に自由吟を1句提出してください(既発表作品も可)
宛先 ㋐新葉館の場合 二月末締め切り
新葉館のホームページをご覧ください。
㋑松橋帆波宛の場合
郵送 〒125-0061 葛飾区亀有1-13-1-407
Fax 03-3604-7328
メール honamikp61@gmail.com
② 句会
㋐宿題「増える」三句(句箋は当日)
㋑時間があれば五分間吟など
Loading...




















































東京句会の皆様
100回記念おめでとうございます。おまんじゅうがいいですね。わが茨城句会は今月96回
確か3か月遅れの発会だったと思いましたが。6月ですね。
銚子大会の後に楽しい句会をしたいと思います。
貴句会ますますのご発展を祈念します。