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川柳マガジンクラブ東京句会3月例会
3月10日(日)、駒込学園で第79回が開催されました。
今回はお世話役の植竹団扇さん、松橋帆波さん含めて出席者24名、欠席投句4名、合計28名でした。北海道からご出張の機会にお寄り下さった柴田睦郎さん、成増吟社の吉野バイオさんのお二人が初参加されました。睦郎さんは医師、バイオさんはバイオ関係の教授というので、団扇さんが「今日は急に具合が悪くなっても安心ですよ」と笑いを誘いました。
1、自由吟互選と句評会
句評会は出席者が3句ずつ選びますが、結果はゼロ票8句、一票7句、二票4句、三票2句、四票1句、五票1句、六票2句、七票1句、八票1句でした。
今回も句評会の互選ゼロ票の句は掛け合いで論評しました。小野六平太さんと小倉利江さんが担当しました。いつものように疑問を述べた人の前には?を付けます。

1・1、ゼロ票句から
  猫の手も借りて作った梅の花  順風
利江「解釈に迷いましたが、猫の手形を押したということでしょう。それなら「も」でなく「を」としたほうが良いと思います」
六平太「何を言っているのかなあと思いましたが、雪についた足跡などからも猫の手形だろうと思いました」
?睦悟朗、朔太郎「まったく分かりませんでした。お二人の説明を聞いて、そういうことなのか、よく気が付いたなあと思いました」
作者の順風「浜離宮で梅の花を見た時に気がつきました」
  開花宣言呑気な稼業気象庁  六平太
利江「呑気なと言い切るのはお気の毒です。それなりの苦労をされているのでしょう。お弁当が無駄になったりとか大変な影響もありますので」
六平太「私の句なんですが。いつも思いますが長期予報は当たらないです。梅雨明け浅間をすると雨が降ったり」
三十六「気象庁は私、団扇さん、バイオさんと同じ長野県出身者が多いのです。あまりいじめないで下さい」(笑い)
生きてます這っても行くよ老い一人  バイオ
利江「どこへ行くのかもう少し具体的なほうが良いと思います」
六平太「私もどこへ行くのかと思いました」
作者のバイオ「先日のクラス会に這ってでも行きたいと言う友人がいました」
利江「それなら老い一人でなく「クラス会」とした方が良い」
バイオ「最初「クラス会」としていました。「老い一人」はうまいこと思いついたと思ってましたが、「老い」という表現も近頃多すぎると言うご意見もありますし、大変勉強になりました」
(注)当日他の句に対して、近頃「老い」を安易に使いすぎる、というご意見がありました。

1・2、一・二票句
  パイプオルガンが聞えるつららの湯  芳夫
睦悟朗「大きく横に連なったつららはよくパイプオルガンに例えられるが、温泉との組合せが良いと思いました。袋田の滝と温泉を思い浮かべました」
?朔太郎「つららの湯というのがあるのだろうか。音はどうして出るのだろうか。分かりませんでした」
帆波「パイプオルガンのような大きなつららを連想すると分かると思います」
作者の芳夫「雪国の湯で、つららがパイプオルガンのようでした」
  磊磊の秀行の碁石踊り出す  大仏
游子「秀行は分かりませんでしたが、日銀総裁が白川さんから黒田さんに変わることを詠んだのかと思いました」
(注)磊磊=①医師の重なり集まっているさま。②物事にこだわらないさま。
  秀行=藤沢秀行
意見が多数ありました。
倫也「3段以上の力が無いと秀行の碁は理解出来ないといわれている。豪快な碁なのを詠んだのでしょう」
千代子「日銀総裁にはびっくりです」
三十六「藤沢秀行を知らないとわからないですね」
帆波「碁はよく知りませんが、豪放磊落名人だとは知っていました。みんなが弟子になりたがり、現在碁の世界でたくさんの弟子が活躍しています」
作者の大仏「むかし八重洲の飲み屋で会って面白い人だと思っていました。後に沖縄に秀行記念館が出来てそこに磊磊という大書が飾ってありました」
  猛吹雪腹をくくって二度寝する  睦郎
正「今年はすごい吹雪で痛ましい事故もあり、怖いものだと思いました。北海道で見るともっと深い意味があるのでしょう」
大仏「生まれが新潟なので子供の頃に大変なのを見てきました。腹をくくって二度寝するに感銘を受けました」
帆波「何かやれるレベルを超えることがあるのでしょうね。でもやらなければという心配事もあって大変なのでしょう」
睦郎「外にはでられない。寝るしかない、ということがあるのです」

1・3、三・四・五票句
  届かない想いへ撫でるぬいぐるみ  睦悟朗
倫也「今の歳でなでていると気持ち悪いが」
しげる「昔の事を言っているのかも。何となく分かる気がします」
睦郎「歳はあんまり関係なくよい句と思う」
三十六「震災の事を詠んだのではないですか。子供のぬいぐるみではないでしょうか」
作者の睦悟朗「Web句会で「撫でる」の題でふっと浮かんだ句です」
三十六「深読みして損した」(笑い)
帆波「女の子なら「ぬいぐるみに当る」だと思います。想像で作った句でしょう」
  デコポンはデコポンくたびれていても  紀楽
睦悟朗「デコポンは清見とポンカンを交配してできた熊本の名産で形が面白い。この句はデコポンが非常に日持ちが良いことを詠んだのでしょう」
利江「形がユーモラスです。カタカナで二つ重ねたのもよいと思いました」
千代子「くたびれていても が良いと思いました」
帆波「デコポンはたしかに見た目が面白いだけでなく日持ちが良いのですよね」
紀楽「しなびても中味が変わらないことの擬人法です。皆さんの意見がすべて当っています」
  生きていてナンボ辛苦を受け入れる  静枝
票を入れたバイオ、紀楽、千代子、しげる、正美はおおよそ共通の賛辞「生きていてナンボがとてもよい。いろいろあるが生きていこうという前向きなのが良い」
作者の静枝「弟が急に亡くなったときに本当にこのように思いました」

1・4、高得点句
(1)六票句
  相槌を打ったら渦に巻き込まれ  しげる
選んだ唯夕、倫也、静枝、以呂波らがおおむね「会社などでよくあることですが、「渦に巻き込まれ」が面白い」
正「ある会社で相槌を打って大変な目にあったことがあります」
ゆめか「他人の悪口に相槌を打ったら、その人も言ったと言われることがあります」
作者のしげる「ありがとうございました」
  フルコースさあ音楽も召しあがれ  朔太

唯夕「中村紘子さんを聞きながら食事をしたことがあります」
紀楽「しゃれた言い方。うまい句だと思います」
バイオ「このごろ食事会にイベントがついていることが多い」
睦郎、睦悟朗、利江らも「音楽を召しあがれ、がしゃれた素晴らしい表現」ということだった。
帆波「誰もが損をしないよいことを詠ってます」
作者の朔太郎「よく鑑賞していただきうれしかったです。下五をいろいろ考えて浮かびました。お酒の場でない雰囲気が好きです」
(2)七票句
  人生を語ると胡散臭くなる  正
バイオ、游子、唯夕、倫也、睦郎、品子が「そうだそうだ」といった感じの賛同的な評価。
三十六「「人生を」を「私を」にしたらどうだろう」(大笑い)
作者の正「あるところへ出す連作で自分自身を振り返ってみました」
(3)最高の八票句
  そのうちにマスクの犬が散歩する  千代子
 この日強風の煙霧で霞んでいたことも共感を集めたのでしょうか。
順風「面白いです」
大仏「本当にそうなりそう」
静枝「ペットも人も同じ感覚でいるので分かります」
紀楽「想像するとユーモラスです。いろんな犬の鼻を想像しても面白いです」
品子「動物もえらく迷惑しているのでしょう。良い句だと思います」
ゆめか「私も家にななちゃん(犬の名)がいるので」
以呂波「今でもいろんなものを着せている人がいます。「そのうちに」が良いと思います」
六平太「きっともう製薬会社で作っているでしょう(笑い)」
作者の千代子「作句の動機は皆さんがおっしゃってくださった通りです。勉強会の二人の先生のうち一人は特選、一人は没でしたので、ここではどんな評価か出してみました」

2、宿題の課題吟
課題は「黄色(表現自由)」で、小川正美さんの選でした。
選者のコメント「黄色は皆さん苦労されたようですが、平易な句が多かったです。ゴッホ、信号、阪神タイガースなどが多くありました」
【佳句】
老人が死ぬ気で渡る黄信号   三十六
年金で足りず黄色いサイフ持つ   睦悟朗
弁当の脇役光る卵焼き   ヨモギ
頑張れと黄色い声が背中押す   しげる
真っ先に被災見舞って黄水仙   利江
遮断機を見ると気になるタイガース   芳夫
ハミングと黄色のコート春を呼ぶ   圭子
白い足袋黄色い声で初舞台   くんじ
投げ込みを目黄不動はにらんでる   くんじ
嘴が黄色いままで年重ね   倫也
黄信号点滅してる老いの脳   利江
菜の花の海だ素直に溺れよう   紀楽
スラングを拾うイエローキャブの中   帆波
【秀句】
ヒマワリへゴッホの狂気乱れ咲き   倫也
韓流に熟女の声が裏返る   正
来るのなら黄砂砂金を連れて来い   游子
【特選】
虫干しを兼ねて着ました黄八丈   千代子
【軸】
入試前バナナの皮で滑る夢   正美

3、五分間吟
最後に、宿題で特選だった本間千代子さんの出題、選で五分間吟を行いました。課題は「寒椿」でした。
選者のコメント「小林幸子の雪椿に近い句が3句ありましたが、題は寒椿ですので選外とします」
【佳句】
散り際も色香を捨てぬ寒椿   利江
咲き誇りポロリと落ちる寒椿   しげる
寒椿赤い命の落ちる音   游子
椿垣少女が作る首飾り   静枝
ブローチの椿が揺れる初の恋   正美
死んだ子の年を数える寒椿   帆波
寒椿ポトリ波紋は涙色   帆波
春なんか嫌いと叫ぶ寒椿   三十六
さざんかに命を託す寒椿   三十六
貴方との間が遠い寒椿   倫也
【秀句】
山茶花の宿で見初めた寒椿   団扇
介護の目ふと休ませる寒椿   紀楽
颯爽と三船が散らす寒椿   正
【特選】
カメリアと呼ばれたくない寒椿   団扇

 4月句会は休会です。

次回の東京句会は5月7日(日)駒込学園にて開催です。
 宿題は「痛み」(表現自由)三句詠です。
 詳しくは、新葉館のホームページをご覧下さい。

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