川柳マガジンクラブ東京句会7月例会
7月8日(日)第71回が開催されました。
今回の参加者はお世話役の植竹団扇、松橋帆波さん含め24名、欠席投句が7名、合計31名でした。久しぶりに安藤紀楽さん、阿部闘句朗さんが参加されました。
1、自由吟互選と句評会
句評会は出席者が3句ずつ選びますが、結果はゼロ票8句、一票7句、二票6句、三票5句、四票1句、五票2句、六票2句、七票が1句でした。
今回も、句評会の互選ゼロ票の句は掛け合いで論評しました。闘句朗さんと玉枝さんが担当しました。
1.1、ゼロ~二票の句より
(1)言葉や意味がわからない人が多かった句
ベビーカー押すジョギングに拍手する 千代子
一票入れた順風「大きな公園が近くにあってこんな光景を見ました」
女性を中心にぶつぶつ「こんなことをしたら危ないでしょうに・・・」
男性達も「おトイレに行きたかった? お年寄りの杖代わりに車ならわかるが ジョギングはいくらなんでも」
作者の千代子さん「ビックリしましたが、外国人の奥さんで、ベビーカーもそのように作られたものでした」
帆波「読む人が光景を共有で気ないと伝えたいことが伝わらないということですね」
吉永小百合のてへぺろなら許す 帆波
闘句朗、玉枝「わかりません」
疑問を付けた睦悟朗、朔太郎、利江、紀楽、正「わかりません。手へぺろ?」
芳夫「九州の踊り?」
なんと「てへぺろ」は「てへといって舌をぺろっとだす」お笑い芸だそうです。
游子他「ローラーという女の子の芸です。 若い人の流行り言葉です」
筆者注:後で調べたら、日笠陽子が始めたらしいが、テレビでローラが始めて使ったと
報道されたことがあるらしい。
作者の帆波さん「ローラが照れ隠しでやる。見ると腹が立つ。奥ゆかしい感じの人がやるならいいが」
ピーカンへ売電設備嬉しそう 静枝
玉枝「同感ではあります」
闘句朗「ピーカンがわからなくてコメントできません」
「ピーカン」は「快晴のこと」と辞書に載っているから、辞書を引いてわかった人が大半だったようです。
紀楽「家業がたばこ屋なので缶ピーかと思い、わかりませんでした。「快晴」ではいけないだろうか」
欠席の静枝さんのコメント「親戚で電気を売っているのを見せられて作りました」
(2)言葉や音字数が問題になった句
中流が消え下流へ日本丸 大仏
闘句朗「中六に何故したのだろう。またレベルが下がっても日本の中では中流は中流では?」
玉枝「これまではほとんどが中流でした。日本丸としたのは面白いです」
睦悟朗「なぜ中六なんでしょう。「消えて」でもよいのではないでしょうか」
作者の大仏さん「一億中流が変わってきています。自分でもあまりよい句ではないなと思っていました」
監督にやたら近づく女増え 順風
玉枝「監督くらいなら近づきたいかな」(笑い)
闘句朗「女と言う響きが少し下品な感じです」
唯夕「一億円の原監督のことですか。でも「女増え」はまずいです」
帆波「佐々木監督でなく原監督。そういう意味でも「女」はちょっと女性に失礼ですね」
作者の順楓さん「大変なお金なのに被害届けも出さないとは不思議なことだと思いました」
DNAか買い物好きが止らない ゆめか
玉枝「買い物好きで止らない人はいます。わかりすぎてわかりにくいでしょうか」
闘句朗「「か」は「で」と言いきった方が良いと思う」
朔太郎「よくわかりません」
その他の声「「か」は要らないのではないか」
帆波「「か」を変えたりなくすと答が出てしまって印象が浅くなります」
作者は欠席でコメントなし。
自殺熱高くてどうもすみません 闘句朗
選んだ大仏「社会批判ですね。どうもすいませんに惹かれてとりました」
利江「誰に謝っているのか。また、自殺熱とかどうも・・・は軽過ぎないでしょうか」
帆波「自殺が3万人余りとか言うのは検視できた数で、実際はもっと多いらしいです」
作者の闘句朗「10句連句で作った内の一番最初の句をここに出しました」
(2)十四字詩(七・七句)
妖怪も出る節電の夏 こいし
玉枝「周りが暗くなって・・・わかりますが・・・」
闘句朗「妖怪を東電と見れば面白いが通じにくいでしょう」
帆波「句を解釈するのに情報が少なすぎるのですね」
作者のこいしさん「初めて短句に挑戦してみました。難しいですね。小沢さんのことも頭にありました」
離党新党離島新島 団扇
朔太郎「よく漢字をそろえてまとめたと感心しました。十四字詩として認められるかはわかりませんが」
小石「おもしろい。うまいとおもいました」
帆波「時事的に面白い。「嶋」はしっかり動かないものなので離党との対比が面白い」
作者の団扇「七と七はアクセントも同じなんですよ」
1・2、三、四票の句より
ざわわざわわ風はあの日を忘れない 紀楽
唯夕「あの日はわかります。いまは3・11ですが」
正「反戦の歌だがそれを出さないでうまい」
こいし「私は戦争のことを忘れてはいけないと思いました」
倫也「少し「あの日」がわかりづらい」
団扇「人によって捉え方が異なるかもしれません」
帆波「「ざわわざわわ」と「あの日」で本歌に寄りかかり過ぎのように思います」
作者の紀楽さん「鉄の雨の降った日、広島、長崎よりも多くの死者が出たのです」
真似るのが嫌いでいつも遠回り 六平太
睦悟朗「日本のいろんな習い事は道(どう)などといってまず理屈抜きでまねろと言うのが多いがどうも好きになれない」
大仏「わたしのことを言われているようです」
闘句朗「「いつも」が良いと思う」
朔太郎「皆さんがおっしゃったのと同じです。逆に近回りしたらどんな句になるでしょう」
芳夫「「嫌い」がちょっと説明的かな。私も真似るのは嫌いですが、次点でした」
作者の六平太さん「すべて皆さんが言ってくれました」
1・3、高得点句
(1)五票句
カーナビが頭の中の地図を消す しげる
以呂波「今のカーナビは凄い」
絵扇「実際「カーナビが違ったとこへ連れて行く」のようなこともあります」
三十六「カーナビは喋り過ぎです」
闘句朗「
「頭の中の消しゴム」出来上がった句です」
利江「カーナビの句はよくありますが、この句は逆さまから読んでいて面白いです」
団扇「カーナビの句は多いがこの句はいいですね」
帆波「タクシー用のカーナビがあって、時間を選ぶか距離を選ぶか聞かれることがあります」
しげる「毎日新聞の特集記事でネットなどは人間の思考力を低下させるとありました」
吹き出しで普段言えないことを言う 三十六
正「口には出せないが、字に書いて・・・」
睦悟朗「思っていることをそれようの形の吹き出しで表すことがあります」
利江「しゃれた句だと思います。屋外に吹き出すという意味もあったか」
千代子「みんなと同じです。心の中の呟きを漫画では書けます。そんな風にしてみたいことがあります」
六平太「皆さん同様面白い句だと思います」
団扇さんが「ふき出しの句をこれまで見たことのある人は?」と聞いたが誰もいなかった。
「そうでしょう、私も初めて見ました」
作者の三十六さん「私は普通のふき出しに意味で作りました。相当のことを言っても許されるのが漫画の良さです」
(2)六票句
疲れたら休めと杖も動かない きみ
絵扇「足を痛めて最近まで使っていたのでよくわかります」
芳夫「「杖も動かない」としたところが面白い」
栄子「自分の最近の状況にダブらせて取りました」
品子「「杖も・・・」が良いと思いました」
千代子「実感の句かな、と思いました」
紀楽「杖のせいにしている軽いユーモアがよい」
団扇「そうですね。杖のせいにしている、とてもよい句です」
作者のきみさんから寄せられたコメント「退院後ヘルパーさんとリハビリしてますが、5分毎に休みます。杖も動いてくれません」
気まぐれな手紙が浴衣がけで来る 芳夫
しげる、游子、六平太「浴衣がけがいいですね」
以呂波「暑中見舞いを思いました」
倫也「かしこまってない、ということですね」
睦悟朗「比喩とも取れるが、写メールかしら」
一方疑問符をつけた方も。
千代子「まじめに考えてしまってわかりませんでした」
利江「うまいが、うまいなあと思わせている気がします、現実には今はメールを使うのでは」
作者の芳夫さん「なかなか返事をくれない人がひょこっと手紙をくれたのを詠みました」
(3)七票(最高得点)句
腰パンも微妙な位置で持ち堪え 玉枝
六平太「こういう格好は嫌なんですが、よく落ちないと感心もします」
游子「私もそう思います。もっと上げなさいと言うと「母さんこれが目一杯なんだよ」と」(笑い)
順風「「微妙な位置で持ち堪え」がよい」
芳夫「「も」がちょっと気になりますが。ビキニも同じことが言えるかな、と」(笑い)
利江「この句はうまい。「お兄さんズボンがずり落ちてるわよ」と言いたいときがあるが」
以呂波「「微妙な位置」がうまいです」
正「こういうふうに発見を句にしたのが手柄です」
団扇さんが「ズボンをパンツと表現したことのある人」と聞いたらなしでした。でも玉枝さんは腰パンで作りました。
作者の玉枝さん「先日長いこと電車に乗っていて、前に立った人がずり落ちそうに佩いていた。夫に聞いたら「微妙な位置があるんだよ」と言われました」
2、宿題の課題吟
課題吟は「変化(表現自由)」菊池順風さんの選でした。
選者の弁「変化ということで3.11の東日本大震災絡みや、スカイツリーが出来たことによって街の様子が変わったことなどもありました。
私の想定を超える変化を詠んで頂き、ありがとうございました。
変化という題で自信作を3句作ってきたのですが、急に選を指名されました。(笑い)
皆さんの作品を詠ませていただきますと「気をつけ!脱帽!礼!」という感じになってしまいました」
「秀作」
家庭科の実習続く定年後 睦悟朗
変装も町のカメラが追いつめる 玉枝
脱原発即再稼動早変り 大仏
見降ろせば墨東奇譚さま変わり くんじ
躓いた石に老化を指摘され 静枝
濃くなった化粧を母は見逃さず 静枝
職退いてぴたりと止んだ胃の痛み 睦悟朗
妻からの変化球受け狼狽える 栄子
浦島の気分で降りた里の駅 玉枝
使用前曝す勇気をギャラが買う 団扇
笑窪もあばた熱愛の潮が引く 千代子
頂上に立つと物差し狂い出す 朔太郎
金婚の夫婦おんなじ貌になる 千代子
「五客」
世の中が生命線を刺激する 品子
体調が四季の移ろい告げに来る 以呂波
話し方変わり別れの予感する 正
事実婚届けださないのが流行 絵扇
本心をチェンジアップで投げてくる 游子
「三才」
人 変革を唱えて自分見失う 倫也
地 恋の駆け引き際どく投げる変化球 正
天 変わり身の早さ昨日の敵に付く しげる
軸 髪を切り気付かぬことを攻められる 順風
3、五分間吟
最後に、白子しげるさんの出題、選で五分間吟を行いました。課題は「雨」でした。
「秀作」
カエルにだって雨天ばかりが好きじゃない 游子
土砂降りの雨に見えないシーベルト 闘句郎
半身を濡らし彼女をかばう傘 睦悟朗
復興へやさしい雨に除染する 闘句郎
通り雨私の後をついてくる 正
急な雨相合傘を目が探す 大仏
通り雨過ぎるおしゃべりまだ続く 紀楽
雨のたびビニール傘がふえていく 芳夫
買いたてのブーツが雨を待っている 正
雨音に曲が付いてる嬉しい日 千代子
「五客」
箱舟も流れて行った雨の量 利江
雨も好きゆっくり時計廻るのも 千代子
雨傘のおしゃれをやめて靴を買う 唯夕
春雨に濡れて歩けと核が言う 三十六
ノッポビル丸洗いして雷雨去り 紀楽
「三才」
人 それぞれが傘に化けてる俄か雨 以呂波
地 雨宿りやんわり拒む自動ドア 団扇
天 雨漏りへキャリアウーマン狼狽える 品子
次回の東京句会は8月12日(日)です。
会場、投句方法が例月と異なります。
会場:亀有中央商店街振興組合事務所(喫茶 モア)
東京都葛飾区亀有3-11-14 川辺ビル
亀有駅下車4分
会費:会員1,000円、一般1,200円
宿題:「修羅(詠み込み不可)」3句
8月7日までに松橋帆波宛に送付してください。
句評会用自由吟1句
8月7日までに宿題と合わせて、松橋帆波宛に送付してください。
メール:honamikp61@livedoor.com
Fax:03-3604-7328
郵送:〒125-0061 葛飾区亀有1-13-1-407 松橋 帆波
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