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川柳マガジンクラブ東京句会5月例会

5月13日(日)第69回が開催されました。
今回の参加者はお世話役の植竹団扇、松橋帆波さん他20名、欠席投句が8名、合計28名でした。
1、自由吟互選と句評会
句評会は出席者が3句ずつ選びますが、結果はゼロ票4句、一票13句、二票4句、三票1句、四票4句、五票2句、六票1句でした。
今回も、句評会の互選ゼロ票の句は掛け合いで論評しました。流子さんと正美さんが担当しました。
(1)ゼロ~三票の句より
  拙速と遅滞が背負う罪と罰  正美
流子「重い句だと思います。原発のことと重ねてみるとすごく重いです。罪と罰で括らず本質のところに迫ってほしかったです」
正美「震災、原発。解説が難しい表現です」
唯夕「最初取りましたが、拙速が全部悪いわけではないと思い返しました」
帆波「拙速と遅滞がわかりにくかったです。ストレートに原発に結びつければわかるのですが、時事吟でないと読むと、時事としての味が薄くなりますね」
作者はコメントした正美さんご自身でした。
  窓口の初々しい手から貰う釣り  静枝
六平太「老人は落とすので店員さんが手を支えてくれるのですよ」
みんな・・・初々しいに別の読み方はなさそうですねえ。
帆波「どうしても破調と言うより字余りという印象ですね。五七五の間以外で切れれば(他の場所に移動していれば)破調なのですが」
三十六「可愛い手から、うぶな手からとしたり、貰うつり銭を単にお釣りとすることも考えられます」
一同でいろいろ考えましたが、欠席投句で作者のコメントもありませんでした。
  シンデレラ馬車を帰して河岸を替え  品子
芳夫「シンデレラで可愛い子を思い浮かべるのに対して、河岸を替えが面白い」
句がよくわからないと言う声でがやがや。
唯夕「最近の女性の元気良い様子でしょうか」
帆波「シンデレラが帰したか、王子が帰したか」
団扇「アッシー君を帰して、本命と会うのでしょう」
作者の品子さん「空想吟の句会で作りました。年に一度のデートなんて彦星と織姫はお気の毒と思って」
<<ブログ筆者注:少し長いですが、帆波さんのブログ句箋苦闘より引用 『基本的に「空想吟」は空想の産物、人物、生き物、が主体となるものです。しかし、それではどうしても味気が無いので、「創り込み」をしたり「ありそうな・あってもおかしくない事象」を何かを比喩にして立ち上げてしまいがちになります。割り切って「仮面ライダー」や「ウルトラマン」を主体にして楽しむくらいがいいかもしれません。過去の句会では「孫悟空」や「浦島太郎」「閻魔大王」などがよく用いられています。さすがに私くらいの世代では、このメンバーを使うのはちょっと抵抗があります。例えば課題「体力・気力」で
凪の日の仮面ライダー疲れ気味
どん兵衛の味をウルトラマン知らず
等でしょうね。ただ、ご高齢の選者さんだと、このメンバーでは選出されないかもしれません。』>>

(2)オマージュの句と本歌取りの句
  あるとこにずっと居たがる諭吉様  帆波
<<注、:この句はオマージュの例として帆波さんが特別に用意されたものです>>
桃葉「病気などがあると直ぐに出て行ってしまうが、ある人のところには集まると言うことですね」
芳夫「ああお金のことか、とわかってしまうがお金の代名詞にするのはあまり好きではありません」
帆波「本歌取りではなくてオマージュです。これ小判たった一晩いてくれろ、の焼き直しです。本歌取りは言葉は同じでも言わんとする中味を変えます。オマージュは焼き直しですから盗作性も高く、同じ着想のもじりでしかないことが多いです。七人の侍と荒野の七人などがそうです。」
<<筆者注(ウィキペディアより):芸術や文学において、尊敬する作家や作品に影響を受けて、似たような作品を創作する事。また作品のモチーフを過去作品に求めることも指す。>>
  尊厳死さくら吹雪の日に頼む  睦悟朗
正美「いつ死んでもよいと元気だからいえる。さくら吹雪が利いています」
三十六「誰が頼むのだろうか」
帆波「本人の意思が必要なのですよね」
作者の睦悟朗「本人が自分で作成し親族の了承を取ってあっても現状では大変難しいのです」
この句のように「さくら、死」と来るとどうしても西行の、和歌が浮かんでしまいこの句も、作者の意に反して本歌取りと受け取られたようでした。
  蛍の光窓の雪へそで茶沸かすエネルギー  くんじ
こいし「おもしろい」
芳夫「これからの時代を思案している」
大変な字余りであるが、95歳?のくんじさんのとぼけた味がみんなのほほえみを誘った
  石橋を叩いた後を付いていく  倫也
これは2番目に多い五票を獲得した句です。
<<注:前回本歌取りの話が出たので、倫也さんがこれは本歌取りだろうか、と例を作ってみたようです>>
正美「他人まかせが川柳らしい」
唯夕「後に付いて行くといういい加減さが面白いです」
千代子「今日の中で一押しです、大好きな句です」
品子「川柳らしいです、付いていくが夫婦かとも思いましたが一般論でしょうか」
正「説教くさい句でなく、逆手に取ったおもしろさがあります」
帆波「石橋を叩くがそのままなのに、別の句になっているので、本歌取りですね」

(3)高得点句
  四票の句4句を紹介します。
   見掛けより派手な女で生きている   栄子
順風、游子、以呂波、流子さんが票を投じ、外見と中味が違う、というおかしみを感じたようです。しかし、わからないと言う意見もありました。
派手な女は誰なのだろうと言う議論に対して作者の栄子さん「最近、地味だがお金使いのあらい人を見て作りました」
   いつだって悪いのは僕たぶんボク   縁太
倫也「欝になる原因は他人のせいにすることだそうです。この人は欝になりません」というユニークなコメントのほか、唯夕、絵扇、順風さんが選びました。
欠席の縁太さんのコメント「男女同権というが、男が割を食います。家庭平和のために忍ぶしかありません」
   春風がなけなしの髪掬い上げ   ヨモギ
栄子、以呂波、品子、正さんが選びましたがみんな素直に面白いと言う感想でした。
   最高です語尾が跳ねてる御立ち台   朔太郎
順風、桃葉、千代子、こいしさんが選びましたが素直に勝利の喜びを読んだと受け止められました。
欠席だった朔太郎さんのコメ
ント「かって巨人の阿部が言ったのを思い出して作りました」
  五票の句
理路整然どこを切っても血は青い   游子
<<注:京浜川柳大会の「血」という題で評価された句>>
睦悟朗「冷徹な人に対する表現方法が面白い」
品子「クールを表現。血「が」としたらどうでしょう」
六平太「青二歳かと思いました」
倫也「血は青いは衝撃的でした。血という題に対して赤いという表現ばかりでした」
三十六「血という重い題に軽い句を取りましたと選者が言っていました」
芳夫「侍に刃向かう人が、さあ切りやがれ・・・・、というのを逆にしたのかと思いました」
作者の游子さん「テレビで理路整然と話す人を見てふっと思いつきました」
  最高得点六票の句
   鮎の骨抜き  ネクタイをすっと取る   芳夫
六平太「うまい人はすっと取る」
千代子「一字あけが効いています。ほれぼれしました」
流子「良い句だなあ、と男の人の色気を感じました」
以呂波、睦悟朗、こいしもうまいなあ、とのコメントでした。
一方、品子、正「骨抜きとネクタイが結びつかなかった」という意見もありました。
作者の芳夫さん「ドラマなんかで見てネクタイをさっと取るのがかっこいいと思っていました。そこへ鮎の骨抜きと言う言葉が浮かんで結びつきました」

2、宿題の課題吟
課題吟は「電波」伊藤三十六さんの選でした。
「佳作」
JOAKお前たびたび嘘をつく   六平太
    笑い
電波より滅法強いテレパシー   流子
功罪を混ぜて電波にあやつられ   倫也
悪口を聞くアンテナは張ってある   しげる
盗撮へ電波探知機探りあて   栄子
ケータイにご飯ですよとくるメール   順風
タワーからツリーへバトンタッチする   しげる
アンテナを出すと集金人が来る   千代子
妨害の電波世界の孤児になる   品子
圏外で不埒な恋にのめり込む   帆波
送信も受信も絶えて冷めた仲   絵扇
全方位美人ツリーの立ち姿   静枝
「秀作」
怪電波飛んで人事の査定時期   縁太
マタニティ暫くチンを遠ざける   団扇
赴任先までアンテナを伸ばす妻   きみ
「特選」
駅名を変えてしまった電波塔   以呂波
    着眼の飛躍に「おー」の声があがりました

軸 あの世まで一気にのぼる電波塔   三十六

3、五分間吟
最後に、高田伊呂波さんの出題、選で五分間吟を行いました。課題は「白と黒」でした。
「佳作」
白ですと妻が言うなら黒も白   睦悟朗
    選者「同想句のなかから一句だけとりました」
白い服すたれ不況の黒い服   倫也
碁敵に家庭の秘密まで喋り   三十六
チャウチャウにペンキを塗ってパンダ風   帆波
白い腹透かすと見える黒い腹   団扇
モノクロの映画が孫に新しい   芳夫
ゴマ塩がないと赤飯しまらない   六平太
「秀作」
白もある黒いのもあるウヰスキー   正美
にぎやかに吊っちゃいけない鯨幕   帆波
白黒のテレビも時に懐かしい   千代子
「特選」
全勝を最後に阻むがぶり寄り   正

軸 趣味合わず碁石のような間柄

 次回の東京句会は6月10日(日)が第36回全日本川柳大会2012年徳島大会の日に当たるためお休みです。
 ただし、希望者によるお楽しみ会を行います。
 日時:6月10日(日) 午前10:30 マクドナルド白山店前 に集合
 予定:白山神社、園乗寺、置き屋花みち界隈を散策の後、駒込学園にて句会。
 会費:会員1,500円、一般1,700円
 宿題:「あからさま」・「スリッパ」各3句
 当日吟「嘱目吟」3句
 参加希望者は松橋帆波宛に6月5日までに申込み下さい。欠席投句の締め切りも6月5日です。
 メール:honamikp61@livedoor.com

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