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川柳マガジンクラブ東京句会3月例会

 3月11日(日)第67回が開催されました。
 この日は昨年東日本大震災が発生した日に当たりますので、14:46には句会を中断し全員起立して黙祷をしました。

 今回の参加者は22名、欠席投句が10名、合計32名でした。
出席者:お世話役、植竹団扇、松橋帆波
小野六平太、伊藤三十六、白勢朔太郎、丸山芳夫、山田こいし、唯夕、菊池順風、宮本游子、本間千代子、うさぎ、ゆめか、成島静枝、水野絵扇、高田以呂波、星野睦悟朗、関玉枝、小倉利江、白子しげる、村田倫也、佐道正
投句者:伊藤縁太、小川正美、加藤品子、ヨモギ、直井芳枝、飯島圭子、石田きみ、石崎流子、藤原栄子、棚橋くんじ

 句評会は出席者が3句ずつ選びますが、結果はゼロ票10句、一票6句、二票6句、三票3句、四票4句、五票2句、七票1句でした。
 今回も、句評会の互選ゼロ票で、かつ誰も質問したいという印をつけなかった句は掛け合いで論評しました。静枝さんと唯夕さんが担当しました。今回のゼロ票と一票は分かりやすい句が多かったのでいつもほどには議論が盛り上がりませんでしたが、ゼロ票の中から少し分かりにくかった句を2句取り上げます。
  入学も出産も越境をする  団扇
静枝「ごろが悪いように思います。越境をするを上五に持ってきたらどうでしょうか」
唯夕「興味あるテーマだが何となくごろが悪い」
帆波「我々のよく知る越境入学と出産の取り合わせだけでなく中国の越境出産のことも入っているのかと思う。たしかに読み下しにくいですが」
作者の団扇「(一人っ子政策を逃れるために)香港で出産することに驚き、わざとリズムを悪くしました」
  春の海のたり牙を研いでいる  流子
静枝「中六なので「やいば」とかした方が良いと思う」
唯夕「何に向かって、とかがイメージできませんでした」
?をつけた倫也「のたり「と」とすれば音字数は整うのですが」
欠席した作者のコメント「おだやな海だったがいつでもあの津波のような怖さを秘めているのだと思いました」
音字や「牙」についてがやがや発言があり「作者は「やいば」のつもりだったのかもしれない」という意見がありました。

 次に二票から四票で、出席者からの発言が多くて盛り上がった句から3句。
  よく噛める入れ歯が上手く外せない  帆波
六平太「少しがたがある方がよいのだろうか、私はまだ入れ歯じゃないから分かりませんが」
游子「面白いなーと思いました」
次点に選んだこいし「良い句だと思いました。母が三十代で総入歯でしたが、外せなくなりました」
次点に選んだ芳夫「良いものはこんなこともあるのかなあと思った」
朔太郎「私は医者から朝晩外して磨けといわれているので不思議に思います。入れ歯でも高価なのもあるんですね」
あとは句よりも入れ歯の話でがやがや。
作者の帆波「・・・」
団扇「先月は老眼の句でしたねえ」(注:白髪染めしても老眼良くならず 帆波)
  竹輪麩は不愛想でも贔屓あり  唯夕
以呂波「私は嫌いだが兄が好き。贔屓ありが面白い」
芳夫「黙っているが好きな人が多い。野暮と粋が一緒になっているような食べ物」
利江「あれは戦後本物の竹輪の材料がないときに出来たのですよ」
団扇「本来は麩なんでしょうが(おでんなどの竹輪麩は)違いますね」
帆波「落語で竹輪麩が出てきますよね」
団扇「あれは麩のことでしょう」
と、古典落語の「時そば」にまで話が発展。
作者の唯夕「私はあまり好きではないのです。家内は好きなんですが。最も今のは良くなっているのかもしれませんが」
利江「翌日食べると(味が沁みていて)おいしいです」などまだ続きました。
  春風に乗るにちょっぴりダイエット  千代子
こいし「冬から春へ、冬の間に栄養取るので・・・」
芳夫「やっぱり春の行動を起こすには。恋をするにしても。ということでしょう」
正「春風に乗るがよい表現だなあと思った」
団扇「こういう表現よくあるけれどもね」
作者の千代子「ある句会の互選で票が入ったが、一方で「に」がおかしい、重なっているなど、良いという人と、おかしいという人がありました」
団扇「春風へ、もあるし、乗ろうもありかな」
正「言い変えもあるが、元のままでもおかしくないと思う」
団扇「このままで詠まんとすることはよくわかる人が多いのではないですか」

 今月の高得点句は次の3句です。
 五票句
  墨田区に虫ピンを刺す電波塔  芳夫
六平太「あるところから見るとこんな感じかなあ。墨田区は浮かれているがそんなにお金
落ちるかなあ」
しげる「虫ピンを刺すというのが気に入りました。これまで集客するところがなかった
のだろうか」
三十六「上から俯瞰して見たところがこの作者らしいと思う」
倫也「虫ピンを刺すがいい」
帆波「一目瞭然で上手い表現です」
作者の芳夫「昨日床屋さんでこの句を話したらよく分かると言いました。墨田区は真ん中が
くびれていて、蝶のような形なので虫ぴんとしました」
 最高の七票句
  下駄箱の隅に戦い終えた靴  しげる
游子「二通りに取れると思う。サラリーマンとも腕白の子供とも」
絵扇「私自身は足を痛めて以前の靴が使えないので以前の靴はこんなことになっています」
朔太郎「どのお宅にもある情景でしょうね」
睦悟朗「まさに我が家。(職を退いた後のことを)戦い終えたとした表現がよい」
こいし「サラリーマンのことでしょう」
正「定年になったサラリーマンの靴ですね」
倫也「靴を詠んだ句はよくありますが、この句は良い句ですね」
帆波「捨てられないでいること詠んだのが良い」
団扇「表現として上手ですね」
作者のしげる「皆さんの言う通りです。リーガルの良い靴で最後に気に入って履いていたことを下駄箱を開けたら思い出しました」

 課題吟は「区切り」白子しげるさんの選でした。
選者の弁「偏った選かもしれませんが、時事的なものは好まないので外しました。同想句が多いのも外しました」
「秀」
 六三三モラトリアムの序盤戦  游子
 縄張りの宿痾を治す術がない  倫也
 一語ずつ区切ってイヤですと言われ  正
  (笑い)
 仕切り線越える勇気と引く勇気  倫也
 隣との境に残る雪の山  玉枝
 ここいらで縁を切ろうか倦怠期  栄子
  (笑い)
 偽善にも飽きて絆の薄い文字  

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