Loading...Loading...

川柳マガジンクラブ東京句会

2月12日(日)第66回が開催されました。出席者はお世話役の植竹団扇さん、松橋帆波さんほか19名、投句9名、合計30名でした。
今回も、句評会の互選ゼロ票で、かつ誰も質問したいという印をつけなかった句は掛け合いで論評しました。今回は団扇さんと帆波さんが担当しました。ベテランが遊び心をこめて提出した二句を取り上げてみます。
  有り余る自由に閑を持て余す  倫也
団扇「自由に何か意味を持たせたかったかな。「体」を持て余すとか・・・」
帆波(白板に書きながら)「「に」を細かく突っ込んで考えて見たい。意図的に持て余しているのではない。自由「と」閑、自由「で」閑、などで、“自由”と“閑”とのとらまえ方が変わる」
団扇「閑だけなら監獄にいても閑。自由に意味がある」
三十六「「が」とすると面白い」
帆波「にはを削って(注:庭を削って野にする。庭を崩して野にする。)なんて言うが、そんなに単純でなく、読む側が助詞を変えてみるのも良い」
倫也(作者)「自分の今の状況を素直に詠んだものです。川柳を作るくらいはやるが、朝からテレビを見たりもする。人間は勝手なものでいざ自由になって、かつての願望が実現すると・・・」
  逢瀬時の再会祝すほっぺにチュッ  順風
団扇「逢瀬時という言葉はあまり使われないので引っかかる。それに「再会」があるから「逢瀬」はいらないかも」
帆波「逢瀬とほっぺにチュッの対比が面白い。親戚の娘さんか何かをわざとこう言ったのか。逢瀬が意味ありげ」
団扇「帆波さん、妙にリアルですね」(笑い)
帆波「この句の面白さを言いたかったのです」
順風(作者)「ほっぺにチュッが浮かんで、この言葉を使って作りたかったのです」(いつも生真面目な作者の説明に笑い)
 次に出席者からの発言が多くて盛り上がった句から二句。
  ジョーカーは正直者に寄ってくる  正
 三点句で、選んだ三人の弁。
三十六「人生を詠んでいる。ジョーカーを持ってきたところがいい。切り札という意味にとった」
唯夕「ババ抜きでしょう。小さい子が引くと分かったりして」
ゆう子「唯夕さんの評が良いと思います。私は正直者が損をすると取りましたが」
その他の発言。
倫也「自分を正直者と言えるのはすごいことだと思う」
帆波「「ジョーカーは正直者を離れない」という句もありですね。ただしジョーカーの句はたくさん作られている」
正(作者)「日本のゲームは顔に出してもどうということがないが外国のゲームは顔に出ると損するのが多いです」
  カップ麺何杯になるディナーショー  品子(欠席投句)
 4点句で、選んだ4人の弁。
絵扇「なにかの番組でもやっていましたが、面白い句です」
千代子「格差社会を詠んだのでしょうね」
芳夫「大きいものと小さいものを較べた面白さです。(畳の)柔道場を見て自分の部屋が幾つ取れるかなあと考えるたぐいですね」
こいし「対比が面白い」
その他の発言。
唯夕「誰のディナーショーなのかなあ」
正「カップ麺とディナーショーでは離れすぎている気がした」
団扇「カップめんを食べるディナーショーなら面白い」
帆波「カップ麺は食べ物、ディナーショーは食べ物ではない。そこに分かりにくさがある。又カップ麺も階層化があって対比が難しくなりつつある」(注:ガンダムのおまけつきで約1,000円なんてのもあったらしい)
 今月の高得点句は6点が1人、8点が1人でした。
6点句
  おはようはちょっぴりキーを高く言う  睦悟朗
 選んだ人は「明るく言う」に好感を持ったようだし、「は」が聞いているという意見もありましたが、倫也「高くする」  帆波「高くして」 などとの比較が提議されました。
最高点8点句
  会見が読む気にさせた受賞作  千代子
 「会見が読む気にさせた」に川柳的なうまさを感じて選んだ人が多かった。そして話題は、詠んだ、読んでない、本が手に入らない、とにぎやかに続いた。
倫也「読んだ。小説もびっくりした。すごい小説でした。  苦笑いしてる天下の慎太郎ってとこでしょうか」
詳細は省きますが、帆波さんが「共喰い」で芥川賞を受けた田中慎也氏が、マスコミが面白おかしく報道するのと違ってきわめてまっとうな人であることを、手記などを披露して伝えてくださった。

課題吟は「卵」井手ゆう子さんの選でした。
「佳作」
効率の悪い鶉の卵焼き  団扇
孵化しないままで潰えた志  しげる
北の旅冬を味わう雲丹いくら  縁太
病む母の口に合わせる卵粥  利江
今度こそ卵で生まれ宇宙人  ゆめか
悪役もこなす卵の栄養価  芳夫
生卵投げるデモ隊受ける盾  くんじ
下町が金の卵を飛翔させ  倫也
無事孵りましたやっぱり鳶でした  睦悟朗
ベルトコンベヤーに乗った無精卵  こいし
「客」
手に掬う蛙のたまご温かった  千代子
卵酒飲んで昭和は風邪に勝ち  しげる
自己主張しつつ溶け合う黄身白身  以呂波
排卵日気にする頃が花でした  千代子
一儲けする気で孵すカブトムシ  絵扇
「三才」
名ばかりの春へ卵を立ててみる  利江
無精卵明日の地図が描けない  利江
メレンゲに黄身と裂かれた過去がある  団扇
軸 雛祭り錦糸卵のあでやかさ  ゆう子

最後に五分間吟を行いました。課題は「ネタ」で選は植竹団扇さんです。
「佳作」
  定年で今日も日記のネタがない  睦悟朗
  自分史に書くときネタを加工する  睦悟朗
  ネタ探し競う写真の週刊誌  三十六
  釣れないで帰った魚篭を落ちにされ  利江
  孫のネタだけ一口サイズ握るババ  絵扇
  チャンネルは変わっていてもネタ同じ  唯夕
  よくもまあネタがあるなあ長電話  利江
  またしても私がネタの噂かな  千代子
  アボガドを載せてる鮨は食べません  三十六
  子作りが下手で婿殿追い出され  三十六
  「客」
  高いネタここを先途と食う女  三十六
  小噺が先にあるネタ暗示させ  順風
  ネタがいい回転寿司にレポーター  静枝
  下ネタの一歩手前でくい止める  芳夫
  霧吹きで回転寿司が生き返る  正
  「三才」
  ネタ帳の放送禁止用語達  帆波
  回る寿司絶滅種から食べ始め  ゆう子
  三分のネタをテレビに強いられる  帆波「佳作」

 次

ポストする LINEで送る ブックマーク
❤️ ひざポン
ありがとう!

気軽にポチっと
どうぞ(無記名)

コメントはこちらから

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Post Navigation

Copyright All rights reserved. SHINYOKAN PUBLISHING illustration by Nakaoka.K